「劇団鹿殺し」菜月チョビの復活公演!テーマは“家族”
東京ウォーカー(全国版)
文化庁の海外派遣制度でカナダに留学していた劇団鹿殺しの座長、菜月チョビが2014年秋に帰国。1年間の充電期間を経て、復活公演となる「ランドスライドワールド」東京公演がスタートした。2009年の作品「ベルゼブブ兄弟」が原案となっている本作について、菜月と作家の丸尾丸一郎に見どころや意気込みを語ってもらった。
「『ベルゼブブ兄弟』はある田舎町に住む家族のすれ違いの物語なのですが、そのすれ違いは世界規模に話を広げても同じだと思うんです。皆、望ましい形は分かっているのに、それがうまくできない。『ランドスライドワールド』はミクロな話をしているようで、マクロな話にも見える。お客さんごとに捉え方が変わるんじゃないかなと思います」と丸尾は語り、原案以上に新作はパワーアップしているようだ。
1年ぶりに劇団と向き合った菜月は、「この1年、オフィス鹿を一人で率いて、例年以上の本数をこなしてきた丸尾さんの迫力はすごいものがありました。時差ボケで全然ついていけなかった。劇団員たちはそれぞれ自分の言葉を持ち始め、頼もしくなっている部分と全然変わってない部分と…劇団についていろいろなことをたくさん考えたんだな、というのは感じますね。お互い大変だったからこそ、人間らしい付き合いができるようになったような気がします」と感慨深げだ。「理屈ではない動物的な感覚に訴える演出というのが、私にとってエンターテイメントの最重要ポイントだと思っています。留学中の話で言うと、モントリオールの花火のような、音と光と物語の圧力みたいなものを劇団ならではの団結力で出せたらいいですね」と留学経験が今回の演出に早くも生かされている。
鹿殺しの作品には本作を含め「家族」をテーマにしたものが多い。丸尾曰く「僕がマザコンだからだと思います(笑)。どうしても恋愛の話は照れてしまうし、僕が恋愛の話を書くなんておこがましい。そんなに深い恋愛もしてないですし…。で、僕自身が僕の感情で最もよく知っている部分が、母親、父親、兄弟に対する感情なんです。最近はマシになりましたが、一時期書くのが辛い時は『自分の家族の話を書けば、オンリーワンで世界一や』と逆ギレのように唱えていました」。
若手からベテラン勢まで個性豊かな客演陣も話題になっている。菜月はうれしそうに語る。「木村了くんは舞台を観て、その佇まいから『信頼できそうな俳優だな』と感じて、いつか劇団公演に出てもらいたいと狙っておりました。男ばかりの4兄弟の話なので、劇団メンバーにはないカラーを持ちつつも、地に足のついた土臭さも併せ持った了くんがぴったりだと楽しみにしていました。今奈良孝行さんは今回が4度目の出演。出し惜しみをしない方で稽古場も作品もぐっと力強く引き上げてくれています。美津乃あわさんは3度目。もはや親戚のようななじみっぷりで、ゲストさんには普通お願いできないような…あれこれ駆け回ってもらっています。意外なところにも出てくるので探してみてください(笑)」。
東京公演は1月25日(日)まで本多劇場にて、29日(木)からは大阪公演が始まる。「本作は、今の自分たちを幕の内弁当のように詰め込んだ作品です。1年間休んだ分を吐き出すように、舞台上でのカロリー消費がハンパないです。『僕らがやらなきゃ誰がやる!』と変な使命感に燃えてしまいました。僕らが老けてしまう前に観てください(笑)」と丸尾が語れば、「再集合を果たした劇団鹿殺しのメンバーに強力ゲストを加えて作り上げた、悲しくて美しい作品です。楽隊のパフォーマンスにも磨きが掛かっています。演劇をまだ見たことがない方にもぜひ見ていただきたい!舞台でしか味わえない興奮を確かに感じられる作品です」と菜月も意気込む。【東京ウォーカー】
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