【その1_4/23(木)~】当日は1人1個、音の出るモノを持参! 「麦ふみクーツェ」に出演の松尾貴史に直撃!

関西ウォーカー

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10周年を迎えるシアターBRAVA!の記念公演。独特な作風で知られる、いしいしんじの傑作小説を原作として、映像×音楽×演劇で立体化、観客も巻き込んで繰り広げるユニークな音楽劇の誕生だ。脚本・演出は、演劇に音楽やパフォーマンス、映像などを融合させた演出で注目されるウォーリー木下。音楽監督には、ギターと玩具を主軸に無数の楽器を演奏する音楽家、トクマルシューゴ。

とある港町を舞台に“ねこ”と呼ばれる青年がヘンテコな楽団に出会い、数々の不思議な事件が起こって…という物語。出演は、渡部豪太、皆本真帆、松尾貴史、尾藤イサオら、総勢約20名。観客は、ひとり1個、なにか音の出る物を持って行くことがポイントの公演。楽器や日用品、自分の体をたたくことでもOKだ。

松尾貴史は、町民たちによる吹奏楽団の指揮者であり、郵便局長を演じる。出演者で唯一、舞台と観客をつなぐ役割も担う。どんな舞台になるのか、稽古を控えた松尾がイメージで語った爆笑取材。

Q:お稽古はまだですよね? 本を読まれた感想は?

松尾:これからイメージトレーニングをしようと思っているところです(笑)。おもしろいことになるやろな~とは思うんですよ。ん~、でもこれ、開けてみんとわからんなぁと思います、はい。多分、毎日違うんやろなって。こんなふうな舞台って自分の意識で臨んだら、何か大きく予想外のことがあるんやろなと思うんですけどね。それがいい方に起きたらいいなと思ってます。今までローリスク・ローリターンの生き方で来たのでね。こういう、ハイリスク・ハイリターンのものは、ちょっと…(笑)。

Q:これ、ハイリスク・ハイリターンですか? どういう点が?

松尾:どういう点か具体的にないんで、何かわからんからハイリスクなんですよ。具体的に分ってたらローリスクじゃないですか。で、きっと楽しいからハイリターンは、わかってる。だから、今ちょっとボクの中ではハイリスク・ハイリターンなんです(笑)。

Q:郵便局長で指揮者やと。

松尾:そこまではボクも把握してるんですけどね(笑)。ただ、自分が音楽的素養がないので、どうしたもんやろ、と。学校でボクは、総合的に音楽の点数も低かったですしね。そこからずいぶんたつから、余計にダメになってるじゃないですか。もう、記憶の賞味期限切れてますからね。学校で習ったこと、楽譜の記号の意味がほとんどわからなくなってますねぇ。

Q:指揮者やから演奏できなくてもいいですやん。

松尾:でも、一番理屈はわかってないといけないっていう立場は立場じゃないですか。それがね、汗かきますよね(笑)。ま、今はできるだけ謙虚にしとかんと。やり始めたらね、もう出てるもんの勝ちですから(笑)。

Q:出演者で唯一お客さんと舞台とをつなぐ役の人とか? 

松尾:触媒ですね。大豆の油と水を混ぜる時の松脂(マツヤニ)の粉みたいなもんで。豆乳作る時にね、水と油やから混ぜても混ざらない。そこへ松脂の粉を入れると美味しい豆乳に変わるんです。そんなモンやと思います。で、劇場に怖いお客さんがいないことを祈ります。

Q:なぜハイリスク・ハイリターンのこの作品に出ようと?

松尾:楽しそうだから。それがハイリターンですから。ボクはね、今までかかってないストレスを、自分にかけるのが好きなんです。ストレスって悪いもんじゃないんですよ。何しててもかかるから。ただ、今まで継続してやってるストレスっていうのは不健康なんですよ。そやから違うストレスをかけるんです。旅に出るって、そういうことでしょ。不便なとこ行って、かかりつけの医者もいない、言葉も通じないところに、なんでわざわざ行くんですか?って。ハイリスク・ハイリターンなんですよ。

Q:今回の作品に期待することは? どういうハイリターンですか?

松尾:やったことないことをやる時の、今まで感じたことないストレスっていうのは、ひとつそれを越えるとね…ローラーコースターみたいですね。ボク、怖いのイヤなんですけど、乗ったら乗ったで「イヤッホー!」って、大喜びするんですよ。そこまでのハードルみたいなことなんですね。だから、こんなん見たことない、初めてやなぁというところで、それが成立するじゃないですか。その時の喜びが、ものすごく大きいんですよ。今回、何回も公演するけど、毎日違うんやろうなぁっていうことが、すごく楽しみですね。

Q:お子様用というのではない舞台ですね?

松尾:そうですね、わりとニヒルというか、シニカルなところもありますよね。でも、絶対楽しいんです。すごくプリミティブな楽しみだと思いますよ。ほら、ゴリラがドラミングするでしょ。こぶしじゃなくて、手を広げて胸を叩く。怒ってる仕草じゃなくて、楽しくて感情が高ぶった時とか、期待感とか、久しぶりに仲間に会ったとか、そういう時にも叩くんです。

ボクらが何の気なしに物を叩いたりするのも、音楽がない時から、人間が言葉っていう知恵とか記号を発明する前から持ってるもんなんでね。それを大勢で、音出るものを持ち集まって。楽しくないはずないんですよ。合法的なドラッグ、安全ドラッグです(笑)。

※【その2】に続く

【取材・文=ドルフィン・コミュニケーション】

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