【WEB連載・鉄道アーティスト小倉沙耶の「鉄のさんぽ道」】第4回「新幹線の線路も走った?!阪急2300系いよいよ引退へ」

関西ウォーカー

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阪急京都線・千里線を55年間走り続けた、現役最古参車両の2300系が、間もなくラストランを向かえます。

その引退記念企画として、2月20日からは現存する2編成中1編成に車両装飾が施されています。

阪急沿線に住んでいる私にとって、2300系は最もなじみ深い車両。装飾された初日、ワクワクしながら会ってきました。

車両装飾は「記念ヘッドマークの掲出」と「旧社章の貼付」からなっていて、ヘッドマークは梅田方と河原町方に、それぞれ違うものが掲出されています。

大阪方のヘッドマークには「日本初ローレル賞受賞車両」と書かれています。ローレル賞とは、日本最大の鉄道愛好家団体である鉄道友の会が技術的に優れた車両へ送る賞で、現在までに90形式近い車両が選ばれており、2300系は1961年の第1回に受賞しました。

そして、特筆すべきは旧社章の貼付です。これは、現在阪急電鉄の窓横につけられている現在のコーポレートマークを撤去し、1992年以前につけられていた旧社章を復元(ステッカーにて再現)させたもの。

旧社章は内側に大阪市の市章と神戸市の市章を重ね、外側に京都市の紋章を象ったもので、阪急電鉄の前名である京阪神急行電鉄時代に制定されました。

さて、タイトルの件。

2300系は阪急電鉄の車両ですが、実は新幹線電車よりも先に、新幹線用の線路を走ったことがあるのです。

東海道新幹線の線路を阪急(当時は京阪神急行電鉄)の線路に並行して高架で建設するのに合わせ、当時地上にあった阪急上牧駅から大山崎駅にかけての線路も高架化することになりました。

先に新幹線用の線路を建設し、阪急の線路が完成するまでの間、新幹線用につくられたまっさらなレールの上を、阪急電車が走ることとなったのです。

線路の幅はいくつか種類があるのですが、阪急と新幹線の線路幅が一緒だったからできたこと。違っていたら、現在の阪急と新幹線の並走シーンも見られなかったかもしれませんね。

様々な歴史が詰まった2300系。通常運用のラストランは3月20日となっています。

装飾列車の2313編成に乗られたら、ぜひヘッドマークと復活社章もじっくり見てみてください。個人的には最後まで「普段着」のまま走る、2315編成もオススメです。

そして、撮影をされる際はマナーを守って、和やかなムードでラストランを迎えられるよう、お願いいたします。

●参考リンク

レールファン阪急「2300系がいよいよ引退!記念装飾、貸切イベント列車、記念グッズを展開!」

http://www.hankyu.co.jp/railfan/topics/150209_2300.html

【取材・文=小倉沙耶】

<小倉沙耶(こくら さや)さんプロフィール>

1980年3月30日生まれ 愛知県豊橋市出身・大阪府在住

幼少より、母の実家である長崎に帰省するため親子で寝台特急「さくら」に何度も乗車、鉄道の持つ旅情に惚れこみ、鉄道愛好家となる。2002年より「鉄道アーティスト」として活動開始。テレビ・ラジオ出演や雑誌執筆のほか、鉄道イベントの司会や企画、シンポジウムでの講演なども行なっている。

※公式サイト、ブログは以下リンク参照。

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