【その2_3/27(金)から大阪で】宮藤官九郎が3年ぶりに俳優として出演! 舞台「結びの庭」で麻生久美子の相手役に
関西ウォーカー
※【その1】の続き
Q:役者としての宮藤官九郎を、これからも見たいです。
宮藤:「俳優としての宮藤さんのファンです」っていう人が、まだ1年に1人か2人、現れるんで、だったら続けようかなとは思っているんですけど。そんなに、みんなにわかんなくていいから、少なくていいんですけど。
それってすごくうれしい言葉だなと思うんですけど、でも「俳優としての」っていうのが、まだ世の中的には、あまり俳優として見られてないっていうことで…。舞台をこれだけ長い間やってなかったら、一緒に“大人計画”でスタートした阿部(サダヲ)くんとか、皆川(猿時)くんとかと差が開いてきて。あの人たち「やっぱ、すげぇな」って思うから、すごくコンプレックスもあるし。そんな中で、まだ「俳優としての宮藤さんのファンです」って言ってくれる人がいるっていうことは、「あ、まだやってていいんだな」って思うように、前向きに思ってます(笑)。
Q:阿部さんも皆川さんもすごいけど、脚本は書かないじゃないですか。
宮藤:いや、それは劇団の中での、オレの存在意義ですよ。これで本を書いてなかったら、すごいサボってる人間ですからね。本書かないで、これしか仕事してなかったら、劇団に怒られますよ。「2年も何やってたの、宮藤くん」って(笑)。
たまにドラマの話とかいただいて、「オレ、前にドラマ出たの何年前でしたっけ?」って言ったら、「7年前です」って言われたことがあって、「うわ~」と思って。その間、ずっと仕事してたんだと思ったら…。やめても別に支障はないかもしれないですけど、やめなくていいんだって、思えるように頑張ります。だから今回は、そう言ってくれる人が10人ぐらいにはなりたいですね、ぜひ。
Q:昔、いろんなことをやってる方が自分的に安定すると…。
宮藤:それは今も変わらないです。でも、年と共に、ちょっと切り替えがうまく行かなくはなってきているんですけど…。でも、こないだも新感線の芝居に出ながら、ドラマ書いてましたからね。別に平気です(笑)。そこに俳優もあった方がいいですね(笑)。
Q:脚本でも、ドラマに映画に、そして歌舞伎も。
宮藤:それもやっぱり切り替えて行かないと、飽きちゃうんですよね。自分のスタイルというか、自分の作風っていうのを、自分が理解しちゃうのが怖いっていうのがありますね。「あぁオレって、こういうの書くんだよな」とか、「あ、オレこういうの好きだよな」っていうことを、わかればわかるほど飽きてきちゃうから。
歌舞伎って、これはやっちゃダメとか、すごく縛りが多かったのが、今思えば楽ですね。逆にそこで頑張れるというか…締め付けがあった方がいいのかもしれないですね。『六本木歌舞伎』は言葉も全部直さなきゃいけなくて、その直した言葉の中で何がおもしろいかっていうことを探る作業だったんですけど、終わってみたら楽しかったですね、今振り返ってですけど。
Q:宮藤さんの書かれる歌舞伎は関西初登場です。いかがでしたか?
宮藤:今回は、(中村)獅童さんご本人から依頼が来たので(笑)。(市川)海老蔵さんとは初めてだったんで、同じ歌舞伎でも全然違うんだなっていうのが実感でしたね。今回は、これまでと違って、より歌舞伎タッチにしてます。本もだし、演出も三池(崇史)さんは多分、敢えてこっちに寄せてくれて。
大阪はオリックス劇場? 歌舞伎やる小屋でやればいいのにな(笑)。完全に歌舞伎ですよ、だから花道あるところでやった方がいいのにって思うんですけど。無理やり花道作ってるんですよ、今回。
Q:観てほしいところは?
宮藤:普通に観てほしいです。歌舞伎にもともとある表現を、ボクと三池さんで違う解釈にしたっていうか。もともと歌舞伎って、こうだよねっていうところに戻ったっていうか。だから、生まれて初めて歌舞伎を観る人がこれを観てくれたらいいなと思いますね。すごくわかりやすいし。
(中村)勘三郎さんが生きてた頃は、歌舞伎に違うものを入れるという考え方だったと思うんですけど、今回は歌舞伎をやるべきところじゃないところに歌舞伎を持ってきた。ライブハウスだし、演出は三池さんで、本はオレだから、歌舞伎らしくならないところを、力技で歌舞伎にしてるっていうおもしろさなんで。似てるようで真逆だと思いますね。
Q:これからも歌舞伎を書かれますか?
宮藤:歌舞伎界の人たちがイヤじゃなければ、定期的にやりたいなぁって。歌舞伎の人が、なんか新しいことやりたいなって思った時に、野田(秀樹)さんや串田(和美)さんとかにお願いするのとはまた別のアウトプットとして、オレがもしやって良ければ、やりたいです。思い出してくれるといいな、と思います。いのうえ(ひでのり)さんとかもそうだけど、「こういうのやるんだったら宮藤くん」って、思い出してくれる。思い出されたらそれに応えられる人間でありたいなとは思いますね。
Q:俳優も、この舞台でまた違うところから呼ばれるように。
宮藤:「あ、なんだ、こういうこともできるんだ」みたいな感じで、また俳優の仕事が増えるといいなと思います。
【取材・文=ドルフィン・コミュニケーション】
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