【その2】4/10になんばHatchでワンマンも! 最新アルバムを3/4にリリースしたWHITE ASHにインタビュー

関西ウォーカー

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※【その1】の続き

_(笑)。ベースに関してはどうでしたか?

彩「今作では特に、リズムに対するこだわりが強いというのが最初からわかっていたので、ヒップホップを聴いたりして、『どういうベースラインなのか』という部分を重点的に研究しました。メロディーと一緒に、歌えるベースラインを取り入れてみたり」

_みなさん個々の『新しい試み』がかなり投影された作品なんですね。

山さん「そうですね。『Quandata(カンダタ)』も“未開拓地”というイメージが先にあったから、僕はギターですけど、剛に合わせてドラムを叩きました。タイコだけで、イメージを具体化するトライバル感を出そうと思って。あと、『Night Song(ナイトソング)』ではピアノに挑戦しました。メロディーがすごく綺麗だったので、これはギターではなくピアノでやろうと思い付いて。今回は初のコンセプトアルバムで『THE DARK BLACK GROOVE』というテーマのもと曲を作り上げてきたんですけど、これまでは、ただかっこいい音を好きに作って、出来上がったものを作品としてまとめるという方法だったんです。だけど今回は一番最初からテーマが投げられていたというのも、自分たちにとっては新しい感覚でしたね」

_サウンドに関して、最近ではマニピュレーターを駆使した、凝ったサウンドが多様化しているなかでも、やっぱりWHITE ASHの最たる魅力というのは、その凝った部分が見えすぎていない、あくまでもシンプルなロックサウンドであるところだと思うんです。

のび太「そこがすごく重要で。僕たちは“シンプルかつ、かっこいい”というのがバンドの根底にあって、それはデビュー当時からずっと変わらないもので。今回は特にグルーヴという部分で『必要最低限の音数』というのを意識しました。足そうと思えばいくらでも足せるし、派手にしようと思えば出来るんですけど、そうじゃなくて、ひとつひとつの音を丁寧に作り込んできたことによって、音がすごくクリアになって、結果、完成度の高い音が仕上がっているので、余計なものを足さなくても充分なクオリティになっているんだと思うんです。シンプルかつかっこいいというのは、僕たちにおいては“ロックの真理”だし、そこはずっと貫いていくべきところなんじゃないかと思って。今作でも色々と新しいことには挑戦しているんですけど、根本的なところでは変わらないという」

_なぜ、今作はコンセプトアルバムということになったんですか?

のび太「昨年『Hopes Bright(ホープスブライト)』というシングルをリリースしたんですけど、このシングル自体が、自分たちの持っている“武器”を見つめ直すきっかけになったんです。武器というと闘いのイメージで、ダークで、尖った…攻撃性のあるものである一方で、その武器を使って、自分たちが気持ち良いと思うものを追い求めていくという世界観にも繋がっていくじゃないですか。それで、このシングルが出来上がった時に『この方向性でもっと大きな作品に展開できるんじゃないか』と思ったと同時に、『THE DARK BLACK GROOVE』というキーワードが降りてきました。楽曲自体は、1曲1曲バラバラに聴こえるかも知れないけど、しっかりとそれぞれに共通する下地のようなものがあって。それがその最初に降りて来たイメージの世界なんです」

剛「最初にこのテーマをもらった時に、“グルーヴ”という言葉にピンとくるものがあって。それって単純にノリなんだけど、リズムトラックが要になるなということはすぐに解りました。リズムがしっかりと構築された、その上にギターやベースの音を乗せていくという流れになったので、音自体はすごくスッキリしているし、そこにヴォーカルが乗ってくることで、歌モノとしても成立しているんですよね」

のび太「レコーディングも、いつもいっせーので一発録りみたいな感じだったんですけど、今回はそれぞれのパートでじっくりと作りこんでいって。そうやっていくことで、それぞれの存在感が際立ってきましたね」

彩「個人的にも、今までは自分の好き勝手に好きな音で弾いてたのが、今回は下地がしっかりしていたので、それをもとにした音の展開は自分にとってもすごく新鮮でした。今回は打ち込み音も多いので、いつも通りやっているとベースの音が負けちゃうなって感じがプリプロの時点であったので、いつもの指弾きを今回はパンチを出すためにピック弾きに挑戦したり、音に関しては本当にとことんこだわりましたし、すごく満足のいく作品になりました」

_サウンドがあまりにも完璧な格好良さだったから、つい歌詞の世界をあとまわしにしてしまったんですが(笑)。“もう何を歌っていてもいい!”というくらい音に魅入られて(笑)。歌詞って、これ…すごくニュアンス的、というか、かなり抽象的で大きなイメージとして書かれていますよね?

のび太「そう、全部そうなんですよ。僕が歌っている歌詞っていうのは、あくまでも音の響きでしかなくて。弾いてて気持ちいい、歌ってて気持ちいい、そういう音に対して『こういうイメージで歌っています』ということなんです。意味があるとかないとかメッセージ性があるとかないとかじゃなくて、ロックはかっこいいかどうか。かっこよかったらその時点で勝ち!みたいな(笑)」

剛「普通、歌詞=対訳なんですけど、僕らは曲=対訳。曲全体が持っているイメージを、のび太が自分なりの言葉にするっていうことなんです」

のび太「今作は『自分たちが本当に心の底からかっこいいと思うものを作る』という、そこだけに意識を集中させて作った作品でもあるので、おっしゃっていただけたように、音だけでその説得力があるんじゃないかなと思っています。それをちゃんと見せることが出来たアルバムなんじゃないかなって。僕らだけの世界を作ることが出来たと思うし、いいものが出来てよかった。充実した気持ちでいっぱいです」

【取材・文=三好千夏】

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