まもなくF1開幕!マクラーレン・ホンダの戦闘能力

東京ウォーカー(全国版)

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1980年代後半から1990年代にかけて、日本中を席巻した空前のF1ブーム。当時、アイルトン・セナ派とアラン・プロスト派に分かれて、友人たちと意見を交わした思い出を持つ人も多いだろう。

そのブームの立役者となったチームこそがマクラーレン・ホンダ。F1の歴史に燦然と名を残したこの伝説のチームが、今シーズン、なんと23年ぶりに復活を遂げた!

果たして勝算はあるのか?開幕直前の今、高まる期待と共にチーム状況を徹底検証した。

マクラーレン・ホンダと聞いて思い出されるのが赤と白の2トーンカラーのマシン。なかでも強烈なインパクトを残したのは、セナとプロストの2人の天才ドライバーを擁した1988・1989年。特に1988年は全16戦中15勝という圧倒的な強さを誇った。

同時に天才同士ならではの確執も生まれ、2人はチームメイトでありながら最大のライバルにもなっていく。こうした彼らの関係性はあまりにもドラマチックで、世界中から注目を集め、多くのF1ファンを生み出していったのだ。

そして今回、その伝説のチームのドライバーに起用されたのが2人のベテラン、フェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンだ。

彼らについて、元F1専門誌編集者の長嶋浩巳さんに話を聞いたところ、「アロンソは現在、F1に参戦するドライバーの中でも特にカリスマ性を持つドライバー。2度のチャンピオン経験を持つ彼が、ホンダでどんな走りを見せてくれるのかに注目したい。

片や、バトンについては、「彼とホンダが組むのはこれが2回目。過去にホンダが参戦した2000年から2008年に唯一の勝利を挙げたドライバーであり、ホンダのやり方も熟知しているはず」とのこと。

なお、アロンソは2月のテストでのクラッシュの影響により、開幕戦のオーストラリアGPへの欠場が発表されている。

一方で気になるのが、マシンの戦力だ。長嶋さんによれば、カギを握るのは「2014年に導入されたパワーユニット内のMGU-K(運動エネルギー回生システム)の存在」だという。

「これはもともと、F1ではKERS(カーズ)と呼ばれていたもの。2014年のレギュレーション変更に伴い、運動エネルギーと熱エネルギーを回生するシステムになったのですが、どのチームも未だ開発途上な機械だけに不具合も多い。この性能の良し悪しが勝敗を大きく分ける結果になりそうですね」。

では、ここで開幕に向けて気分を盛り上げるためにも、おさらいの意味も含めて、かつてのマクラーレン・ホンダのベストレースを長嶋さんと一緒に振り返ってみよう。

まず1つ目は1988年の日本GP。「ホンダとマクラーレンがタッグを組んだ、記念すべき最初のシーズン。セナとプロストは圧倒的な速さを見せるも、それはチームメイト同士が王者を争うことにもつながっていきました。そして迎えた第15戦の日本GP。スタートで失敗したセナは、一時、中団に沈むも、雨のレースを快走。28周目にトップに立つと、その後はライバルを寄せ付けることなくチェッカーを受け、同時に自身初の世界王者にも輝きました」。

2つ目は2年目となる1989年の日本GP。前年に世界王者となったセナに対して、プロストも意地を見せ、そのことがチーム内での確執を一層激化させていく。

「なかでもこの日本GPは2人の遺恨が決定的となったレースでした。2年連続の世界王者になるために優勝するしかなかったセナは2番手を走行。やがて終盤、トップのプロストにシケイン(小カーブ)で襲いかかるも2台は接触。リタイアしたプロストに対し、セナはレースを続行し、トップでフィニッシュしました。ところが、セナはレース後に失格となり、プロストが世界王者に。2人を振り返る時、欠かすことのできない伝説のレースです」

そして3つ目は1992年のモナコGP。1988年から4年間に渡ってライバルチームを圧倒していたマクラーレン・ホンダだったが、この年はウィリアムズ・ルノーの後塵を拝していた。

ウィリアムズのドライバー、ナイジェル・マンセルは開幕5連勝を飾り、第6戦のモナコGPでもポールポジションを奪うなど、終始レースを支配していく。

「しかし…残り8周目。マンセルのピットストップの合間にトップに立ったセナは、幅が狭く、スピードの遅いコース特性を味方につけ、マンセルの鬼神のような猛追を振り切り、見事優勝。まさにファンの間で語り継がれる名勝負でした」。

ちなみに2014年シーズンは、開幕から一貫して強さを誇ったメルセデスチームがそのまま王者に輝いた。

ちょっとしたレギュレーションの変更やオフシーズンの開発具合で、勢力図ががらりと変わるのがF1の面白いところ。長嶋さんも「今回は初年度ということもあり、まずは表彰台に上がることを目指してほしいですね」とホンダにエールを送る。

開幕前のテストではトラブルが続き、ネガティブなニュースが飛び込んできたマクラーレン・ホンダだが、長嶋さんは決して悲観していないという。「相次ぐトラブルで走行距離を伸ばすことができなかったのは、確かに気になるところ。ただ、ラップタイム自体は悪くはない。それゆえ、一発の速さを競う予選には大いに注目したい」。

開幕直後のマシンはどのチームも開発途中でコンディションは五分五分。これまで培ってきた経験を生かし、上位を目指して欲しいところだ。期待が高まる初戦のオーストラリアGP決勝は3月15日(日)に迫る。【東京ウォーカー/記事提供=週刊ジョージア】

※記事の内容は、無料スマホマガジン「週刊ジョージア」から一部抜粋、再構成したものです

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