「はらへりあらた」と巡る“京都の肉グルメ”

リーズナブルかつハイクオリティな名店が多く紹介されている「はらへりあらたの京都めし」。

美大に通う主人公のあらたが、先生“岩さん”をはじめ、同級生や幼なじみとの毎日の中で、京都めしを楽しむ“日常系”グルメマンガだ。

京都といえば薄味の印象が強いが、作中にはガッツリとした肉料理が続々登場！今回は、本作で紹介されている肉グルメの数々を紹介する。

■お肉の大川御前七条店

「びーふカツサンド」(1080円)は、あらたが若さんの愛娘、花に出会い、鴨川のほとりでピクニックするシーンに登場する。

洋食店で腕を振るっていた大川定雄さんが作るカツサンドは、肉の味が濃く、力強いのにジューシー。

定雄さんの兄で精肉部門を担当する弘孝さんにいわく、京都では「肉といえば牛、だからカツも牛！」なのだそう。牛肉消費量が全国トップクラスを誇る、京都ならではのカツサンドだ。

■ブラッスリーカフェ・ONZE　

あらたが幼なじみの楓と会うときは、気軽に立ち寄れるビストロやブラッスリーに出向くことが多い。

四条から木屋町通を少し下ったところにある同店も、楓のストライクゾーンだった様子。次から次へと料理を注文し、ハイテンションで食べ進めていく様子が描かれている。

まずは「アリゴと自家製ソーセージ」(1400円)。アリゴとはオーベルニュ地方の伝統料理で、チーズを入れて練り上げたマッシュポテトのこと。

スプーンですくうとトロリと伸びて、スパイシーなソーセージを優しく包む。アリゴが残ったらパンに乗せ、“あらた風チーズパン”として食べても絶品！

続いてはリヨンの郷土料理である「豚足のソーセージ」(1400円)。やわらかく煮た豚足をミンチと混ぜ、網脂で包み焼き上げた本品は、ワイルドでありながら手間のかかった料理。

豚足の形状が苦手な女子にもおすすめしたい、コラーゲンたっぷりの一皿だ。

■イカリヤ食堂

鴨川沿いに建つ京町屋をリノベーションした一軒。毎年5月から9月いっぱいまでは川床が出され、ロケーションも抜群！作中でも、あらたと楓が川床に陣取り、料理を楽しむ様子が描かれている。

良質な脂でゆっくり火入れした「まる鶏のコンフィ」(1580円)は、皮目をパリパリに焼き上げ、ジュドプーレ(鶏だしのソース)とマスタードが添えられている。

上品にナイフとフォークを使いたいところだが、最後はぜひ手づかみで！骨まわりの肉の旨味がダイレクトに味わえる。

■森林食堂

JR二条駅近くの住宅地にある、隠れ家的カレーレストラン。観葉植物やアート作品などがところ狭しと置かれ、賑やかなのに落ち着ける不思議な雰囲気だ。

作中であらたがオーダーしたのは、「長期成熟鶏のチキンほうれん草カレーと猪カレーの合がけ(焼トマトのトッピング付)」(1550円)というツウ好みの一品。

猪カレーは臭みがなく、さらりとした脂身と、適度な噛みごたえのある赤身のおいしさが際立つ。ほうれん草カレーにはナッツが効いており、甘酸っぱい焼トマトとも好相性だ。

■地球の幸せを夢みるバク

「世界中のおいしいものを集めたい、と思ったら、ジビエに行きついたんです」。そう話すのは、店主の竹内和歌子さん。

店名には、「おいしいものを食べるとみんな幸せ、そうじゃないことは全部バクに食べてもらおう！」という思いが込められている。

「山ウズラの半身ロースト ウニソースぞえ」(2800円)は、淡白な山ウズラのローストに、濃厚なウニソースがよく合う。添えられた京野菜も火の通り加減が絶妙！

「鹿のブルーチーズソースや、猪のリンゴ添えもおすすめですよ」と笑う竹内さん。華麗なるジビエの世界、「一度ハマったら抜け出せなさそう」という、あらたと楓のつぶやきが聞こえてきそう。

■もつ鍋 寅屋

白味噌スープ仕立てのモツ鍋で、ホルモン好き女子の胃袋をわしづかみにしている同店。作中では、あらたが同級生女子たちを誘い、飲み会を開催するシーンが描かれている。

こってりとした牛モツと、白味噌の甘いスープは相性抜群！野菜にスープがよく絡み、いくらでも食べられる。

自家製の揚げ出し豆腐は、ユズ胡椒の効いた大人向けの味。山椒が香る七味やすりゴマなど、薬味が豊富なのもうれしい。

さらに、特筆すべきはアルコール飲料の豊富さ。日本酒は20種類、梅酒は50種類、焼酎はなんと100種類も！モツ鍋を囲みつつ、飲み比べに興じるのも良さそうだ。

【関西ウォーカー/記事提供＝シュシュアリス】

※記事の内容は、妄想ガールなライフスタイルマガジン「シュシュアリス」から一部抜粋、再構成したものです