“美の町”真鶴の活性化に向けたプロジェクト発足

東京ウォーカー(全国版)

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KDDIと神奈川県真鶴町、多摩美術大学による産官学連携プロジェクト「真鶴スマート魚つき林」(うおつきりん/保安林のひとつで、魚類の繁殖と保護を目的に伐採を制限、または禁止している岸近くの森林のこと。木につく虫や微生物が水中に入って餌となり、水面上に大きな影を落とすことで魚類の好む暗所をつくる)が4月にスタートした。

大手通信会社KDDIの技術・サービスと、多摩美術大学の学生たちの斬新な発想で、「魚つき林」を活用した町の活性化プランを考え、実施検討していく同プロジェクト。

その一環として、多摩美術大学では、全15回の授業が7月までの上期カリキュラムに組み込まれ、8月初旬に真鶴町の町長など、現地の人々に向けたプレゼンテーションが行われる。

4月26日には、約20名の学生が初めて真鶴町を訪問。朝市「なぶら市」で地元の人々と交流を図り、「魚つき林」を散策したり、遊覧船に乗って海側から見るなどして、今後の活性化プランの策定に向けて思いを巡らせた。

真鶴町は、都内から電車で1時間ほど、小田原や湯河原といった有名な温泉地に囲まれたところにある、神奈川県で2番目に小さい町。そのどことなく懐かしく、静かで凛とした佇まいから、芥川龍之介や夏目漱石など、数々の作家に愛され、小説の舞台として使われてきた町でもある。

そんな真鶴の魅力を今でも堪能できるのは、1990年代の大規模リゾート開発の流れに対して、当時の町長を筆頭にした真鶴町を思うメンバーが独自の条例「美の基準」を作り、町並みや自然の美しい眺めを大切にする姿勢を明確に打ち出し続けた努力の賜物でもある。

中でも、真鶴町の人々に大切にされてきた「魚つき林」は最大の資産の一つだが、今、その「魚つき林」が危機的状況を迎えている。

一番古いもので樹齢350年を超えるというクロマツ、クスノキ、スダジイなどの巨木が生い茂る森には、寿命を迎えて倒木の恐れがある木が数多く存在し、保全策についての調査が行われている。

今回のプロジェクトでは、KDDI研究所が持つ「自由視点映像」の映像編集技術などを活用し、「魚つき林」の魅力を引き出す「魚つき林映像コンテンツ」を制作するが、この映像コンテンツの制作を担当するのが、多摩美術大学の学生たち。半年間の授業を通して真鶴町の現状やKDDIの技術を学び、真鶴町の活性化につながるものを作り上げようと、学生たちの意気込みも盛んだ。

真鶴町にとって最大の資産と言える「魚つき林」。“産官学連携”の新しいプロジェクトに注目が集まる。【東京ウォーカー】

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