【追悼:たま駅長】さようなら!駅長デビューから取材を続けたライターが綴る「たま駅長の思い出」

関西ウォーカー

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6/22に和歌山電鐵貴志川線の名物ネコ駅長、たま駅長が亡くなりました。関西ウォーカーの誌面に何度も登場していただき、私たちを楽しませてくれました。そこで、今回は関西ウォーカー編集部で、駅長デビューのころから、たま駅長を取材してきたライター平尾慎一さんに、たま駅長の思い出を紹介してもうおうと特別寄稿いただき、公開いたします。編集部一同たま駅長のご冥福を心よりお祈りいたします。

<ドライブの達人・ライター平尾慎一(シンオフィス)特別寄稿「たま駅長の思い出」>

去る6月22日、ウルトラ駅長として多くの乗客に愛されてきた、和歌山電鐵貴志川線のたま駅長が亡くなった。行年16歳。猫としては長生きをした方だと思う。

私が初めてたまに会ったのは2007年3月(掲載は関西ウォーカー2007年10号ゴールデンウィーク特集号)、駅長に就任してまだ間もないころ。ぎこちない駅長帽姿が、彼女の第一印象であった。以来、ことある毎に取材へ訪れ、会う度に駅長としての風格とともに、体重も立派になっていったことを覚えている。晩年は体調を考慮し平日の数日のみの出勤など、老いを感じさせることもあった。そのためか今回の知らせを聞いた時、あまり大きな驚きはなかった。

今でこそ当たり前のようにいる動物駅長などの動物を採用したキャラクターたち。その先駆けとも言えるたま駅長は在任期間中、多くの人に笑顔を与え、地元の活性化などにも大きく貢献した。また全国のローカル線や地域の振興に与えた影響力も大きい。しかし就任当初は某愛護団体が密かに監視するなど、メディアでは見えない部分での苦労も多かったとも聞く。

正直、たまがどういう気持ちで仕事をしていたのか私には分からない。ただ、取材で訪れると売店のお母さんに抱っこされて、現れるたま。その安心しきった表情と、まるで我が家のようにくつろぐ改札口での姿がいまでも印象に残っている。幼い頃、私も猫を飼っていたので、何となく分かる気がする。大好きなお母さんとたくさんの乗客に見守られながら我が家で過ごした、たまの16年間は本当に幸せだったと。

何はともあれ、たま駅長のご冥福を祈るとともに、関西ウォーカーの読者につかの間の癒しを与えてくれたことに心から感謝したい。

たま駅長、ご苦労様でした。

【文=ライター平尾慎一(シンオフィス)/構成=関西ウォーカー編集部】

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