格安で泊まれる新たな宿泊サービス「Airbnb」って何だ?
東京ウォーカー(全国版)
旅行の宿といえばホテルや旅館に泊まるのが一般的。しかし、あるサービスによって海外を中心にその常識が変わろうとしている。その名も「Airbnb(エアビーアンドビー)」。簡単に言えば、空き家や空き部屋を旅行者に貸し出して有効活用しようというネットサービスだ。旅行の考え方を全く変えるかもしれないこの新サービスを徹底解説する!

「Airbnb」のコンセプトはズバリ“暮らすように旅ができる”。「実際に現地の人が住んでいる家に寝泊まりし、食事も基本的には利用者(ゲスト)自身が準備をします。宿泊時に施設の提供者(ホスト)とのコミュニケーションもできるので、旅行なのにまるでその国に住んでいるような感覚を味わえるんですよ」とは「Airbnb」広報担当者。部屋を貸し出している大多数は、空き部屋を登録している一般の人。借りるのも個人の旅行者が多いため、その個人間のやり取りをネット上で仲介するというのが、このサービスの発明だ。宿泊料金は安価のものも多いため、世界中で新しい宿泊スタイルとして注目されている。
「Airbnb」の誕生は2008年、アメリカ・カルフォルニア州で、“失業中”だったブライアン・チェスキー氏とジョー・ゲビア氏によって発案されたのが始まり。金銭的に困窮していたときに、偶然にも会場周辺のホテルではとうてい対応しきれないほどの人が訪れるカンファレンスが地元で開催されることになった。そのときに思いついたのが、「自分たちのアパートの空きスペースを貸し出し、ビジネスができないか」というもの。そしてその試みは見事に大当たり。事業は地元の人にホストを募集するまでに拡大していった。それに伴い、ジョーの友人であるネイサン・ブレチャージクをプログラマーとして加え、事業として本格的にスタートしたのだ。
そして創業から約7年間で「Airbnb」は、190カ国、3万4000都市以上、ユーザー数5000万人にまで急成長した。その理由の一つが、2014年に開催されたブラジルワールドカップ。なんとブラジルに訪れた外国人観光客の5人に1人が「Airbnb」を利用したのである。「大イベントでホテル不足が発生した際、世界中の人が『Airbnb』を宿泊方法の選択肢の一つとして認識してもらえるようになったようです」と前出の広報担当者は説明する。また、来年開催のリオ五輪では宿泊施設のサポーターとして、公式サプライヤー(供給者)に決定。これにより宿泊環境のサポートに幅を広げるなど、勢いはさらに加速している。
日本でも2014年5月に日本法人が立ち上がり、すでに登録物件数は約1万6000件を超えている。注目すべきは、日本への外国人旅行者(インバウンド)の数が昨年と比べて4倍以上に成長していることだ。2003年に政府はインバウンド推進のために、「外国人旅行者訪日促進戦略」を設け、現在は訪日旅行促進事業(ビジット・ジャパン事業)で改善を図ろうとしている。将来的に2020年までに2500万人を目標として掲げている中、「Airbnb」の成長はインバウンド向上を推進させる一つのスタイルとして定着するかもしれない。また、「海外でしか使えない」「外国人しか使えない」と思うかもしれないが、日本人が国内旅行で利用することもできる。広く一般に浸透していけば、宿泊の常識になる可能性も高い。
「Airbnb」の他にも、この様な個人間の“シェア”サービスはさらに広がりを見せてきている。例えば、店舗や古民家、はては寺社の一室をシェアできる「スペースマーケット」というネットサービスがある。さらに、自動車だ。個人で所有している自動車を、使わない時にだけ他人に貸し出す、もしくは借りることができるネットサービスも生まれている。家や自動車といった、これまで所有することがステータスとなっていたものが、今後は“シェアする”というのが一般的になる時代が来ているのかもしれない。【東京ウォーカー/記事提供=週刊ジョージア】
※記事の内容は、無料スマホマガジン「週刊ジョージア」から一部抜粋、再構成したものです
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