林敬子の「ペットとわたしの自由空間」【連載第10回】
東京ウォーカー(全国版)
“しつけ論”に惑わされないで!

ペットのしつけについて考えたことはありますか?愛犬家なら特にしつけについて思うことがあると思います。
世間には様々な“しつけ論”があるため、愛犬家としては、何を選べばいいのかわからなくなってしまうこともありますよね。わたしはどうしても、しつけという言葉が好きではありせん。なぜならしつけという言葉に威圧感を感じてしまうからです。犬にはしつけではなく「訓練」をと思っています。
幼い頃に犬を飼い始めた時から、犬にごはんを与える前には必ずおすわり、お手をセットでさせていました。犬にはそうする決まりがあるものだと思っていたからです。
人間の都合のいいしつけになりがち

しかし、ある時思いました。なぜ犬にごはんをあげるのにおすわり、お手をさせなければいけないのか?
これをきっかけに、わたしは犬のしつけや行動学の本を読むようになりました。わたしが思うに犬にとってのしつけと言われていることは、人間社会の中で共生していくためのもの……と言われながらも、実際は人間の都合のいいしつけになりがちだということ。
犬は常に人間の言うこときかなくてはいけないのでしょうか?そんな事はないと思います。犬に食べ物を与えるたびにその報酬としておすわり、お手を求める必要性をわたしは感じません。そう思うようになってから、ごはんの時におすわり、お手はさせなくなりました。
犬は「しつけ」でバカになる
そんな私がおすすめする本は「犬は『しつけ』でバカになる―動物行動学・認知科学から考える」(光文社)です。この書籍に書いてある内容は、しつけはしなくていい、とか甘やかすとかいうことではありません。
犬の個性や性質のこと、そして犬にとって親犬とどれだけ長い時間を過ごすことができるかが、しつけにおいてとても重要だということ。しつけと日本におけるペット業界との関係性についても詳しくつづられています。
犬の個性や能力を見極める

日本では、いまだにペット販売における8週齢規制が、あやふやな状態なままになっているのが現状。幼い頃に親犬と引き離され、親犬を観察しながら学ぶ事がしつけにおいて一番大切なことなのに、そんなことすらできていない犬が多いのです。
では、幼い頃に親犬と引き離された子犬は何を観察して学んでいくのか?それは飼い主である私たちなのです。
犬もそれぞれ個性や能力が違います。「しつけなきゃ!」「他の犬はできるのに!」と肩肘張らず、その犬をよく観察し、優しい親心で見守りながらゆっくりその子に合った訓練をしていくことが大切なのです。
そんな親犬の代わりである飼い主の気持ち次第で、愛犬との関係もより良いものになり、お互いに笑い合い、ともに楽しく生きられるのではないかと思うのです。
訓練がうまくいかない時は、焦らずゆっくり親心!この気持ちを忘れないでほしいと思います。【東京ウォーカー】
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