【紀里谷和明監督インタビュー:その1】5年ぶりの最新作、映画「ラスト・ナイツ」が公開中!

関西ウォーカー

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紀里谷和明…、この映画監督を色眼鏡で見ている人は多くないだろうか。実際に会ってみると、傲慢さやチャラさといった嫌な感じは一切ないし、度を過ぎた熱さなどもなく、ただただ自分のやりたい事を丁寧にひとつひとつやっているという人だった。“自分を信じている”という意味で、自信に満ちあふれている人だった。気が付くと、この人を応援したいと思わされている…、そんな不思議な人だった。

このインタビューが映画館に足を運ぶひとつのきっかけになってくれたら、うれしいです。

―今日はよろしくお願いします。突然なんですが、ウチの68歳の母が大して忠臣蔵好きでもないのに、忠臣蔵をベースにした映画だと知って興味を持っていたんですね。改めて、忠臣蔵というものの大衆性を感じて本当に驚きました。

「それ、(記事に)ぜひ書いてくださいね。第三者の意見が入らないかぎり、(記事は)意味がないですから。僕が言ってるだけでは、伝わらないから。でも、実は僕も全く忠臣蔵ファンでもなくて、詳しくもなかったんですが、この話はすぐに『やらせてください!』と言いましたね」

―なによりも驚いたのは、外国の方が脚本を書いていた事なんです。

「海外の人でも知っている人は知っていますよ。47人の話は、有名ですし。でも、重要なのは本質的な部分ですよね。世の中、駆け引きだけで生きている人も多いですから。若い人なんか、メリットで友達を選ぶ人が多いみたいですね。でも、本来は(友達を)好きかどうかのはずでしょ。その友達が好きだからなんでもしますよということであり、そういう忠義や正義が描かれているから(忠臣蔵は)語り継がれてきたと思うんです」

―監督が他人に脚本を委ねたというのも驚いたんです。

「もちろん手直しはしましたけど、元々脚本なんてやりたくないんです。今までいい脚本に恵まれてなかっただけで…。可能なら、プロデュースも撮影も編集もやりたくないよ!」

―(笑)。監督業に徹したいという事ですよね。本当にいい脚本家に出会えたんですね。

「これはいい!と思いましたよ。ただ、最初は日本の役者を使った話だったので、そこは西洋の話に置き換えました。役者も『脚本が素晴らしいから』と参加してくれましたからね。ハリウッドは新人監督でも、脚本がよければ参加してもらえるんです。作品に対する愛がありますよね」

―脚本はもちろんですが、ロケをされたのが広大な大地ということもあって、より情景をすばらしく感じました。

「相当CGが好きな監督と思われていますけど、たまたまCGを使わないといけなかっただけなんです、今までは。『GOEMON』だって本当はリアルに撮りたかったけど、予算的な問題もありましたから。坂本龍一さんだってクラシックのような音楽もされるし、YMOのような音楽もされるじゃないですか。でも、今回は、この脚本に出会ったというのが大きいですね。物語、お芝居に全神経を集中させる事ができました」

―いわゆるハリウッドという海外でのお仕事は、いかがでしたか?

「やりやすいのは、役者も脚本家もいい作品を作りたいというだけで、エゴがないんですよ。日本は、いろいろなスタッフにエゴが多い気がします。要はチームワークですから、それぞれがエゴを持ち過ぎていたら意味がない。例えばスポーツも勝つ事が重要で、勝つためには、みんなでやらないといけないですから。これは、批判ではないですよ」

―出演者のモーガン・フリーマンさんからの言葉も大きかったとおうかがいしています。

「『感じろ』と言われた事ですね。語感を超えた話というか、なにかを感じたらいいよというふうに言ってもらったんですよ。僕は暴君と勘違いされているけど、ディスカッションがすごく好きだし、本当はチームプレイヤーなんです(笑)」

※その2に続くhttp://news.walkerplus.com/article/68507/

【取材・文=鈴木淳史】

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