グランプリファイナル開催!浅田真央の勝利に期待
東京ウォーカー(全国版)
現役復帰シーズンを戦う浅田真央
12月10日から13日(日)の日程で、スペイン・バルセロナで開催されているグランプリファイナル。大きな見どころのひとつは、現役復帰のシーズンを戦う浅田真央の演技。公式練習から大勢の観客が詰めかけ、視線を一身に集めた浅田真央だが、前日練習を見る限り決して絶好調とはいえない状態だ。トリプルアクセルは比較的安定しており、成功を重ねて拍手を浴びるシーンが何度もあった反面、3フリップ+3ループのコンビネーション、そしてステップからの3ルッツでは失敗の多い公式練習となった。

もっとも練習では決して好調とは言えなかったジャパンオープンで素晴らしい演技を披露、そして充実した練習を積めていたNHK杯では不満の残る結果に終わるなど、今の浅田は必ずしも練習のコンディションと試合本番のパフォーマンスが合致しているとはいえない。現役に復帰してからまだ日が浅いこともあり、試合へ向けての調整は試行錯誤が続くものの、トリプルアクセルの成功率、ルッツジャンプのエッジ使いなど、ジャンプのクオリティは休養前に比べて格段に向上している。ここでも成長の一端を見せてくれることだろう。まだ結果を性急に求める段階ではないのかもしれないが、それでも浅田真央の優勝を期待したい。
シニア女子は全員にチャンス
シニア女子はどの選手も良い状態を維持しているように見受けられる。ただ、その一方で、ずば抜けて充実したコンディションの選手もいない。どの選手にもチャンスがあり、試合当日の出来栄え、特にショートプログラムで大きなミスをしないことが重要になってくる。宮原知子はNHK杯から変わらず好調をキープしている。他の選手がミスをする展開になれば、宮原の安定感は大きな武器となるだろう。

つい先ほど、試合当日の公式練習が終了した。浅田真央は残念ながら調子が上がっていない。トリプルアクセルは一度も決まらず、練習後半はジャンプを抜いてプログラムを確認し、懸命に調整を続ける姿が印象的だった。何とか本番での奮起を期待したい。宮原知子は大きなミスはなかったものの、昨日よりもジャンプが小さく、回転不足気味の着氷が目立った。緊張もあるのかもしれない。本番では思い切って演技をしてほしいものだ。
この日、最高のコンディションに仕上げてきたのがゴールドとメドベデワ。ジャンプのクオリティの高さはこの二人が群を抜いていた。風格さえ感じさせる存在感で銀盤を支配する姿に、試合での演技が楽しみでならない。優勝争いはこの二人が軸となるだろう。
羽生結弦は異次元の演技
ここで昨晩、終了したシニア男子のショートプログラムについても触れておきたい。羽生結弦の演技は圧巻の一言だった。公式練習、そして6分間練習でも羽生のジャンプは詰まった着氷が多く、本来の精度が出ていないように見受けられた。それが試合本番では見事にアジャスト。練習は好調でも本番で崩れる選手が多いなか、一人だけ次元の違う演技を見せつけた。110.95というスコアがどれほど凄いものか。プロトコルを確認すると、PCS(プログラム構成点)は49.14と、満点の50点に肉薄するスコアだ。

TES(技術点)でも出来栄えでの加点をほぼ満点に近く獲得し、唯一の誤算はステップがレベル3しか取れていなかったことぐらいだ。これとて仮にレベル4になったとしても基礎点で0.6、出来栄えでの加点を加味しても最大で1.2しか上がらない。その他の要素でのわずかな減点を考慮しても、合計で2.7点しか上積みの余地がない。つまり、演技の出来栄えも、ジャッジの評価も、行きつくところまで行きついてしまったということだ。この先、彼は何を目指すのか。もはや、自分との戦い、ルールとの戦いの域に達してしまった。羽生は「同じ演技は二度とない」ということをたびたび口にするが、2012年、ニースでの世界選手権、先日のNHK杯と並び、この日の演技も二度とない、歴史に残るものとなった。

2位のフェルナンデスに20点近い大差をつけたことで、勝負の行方はほぼ決してしまったと言っても過言ではない。フリー演技は、羽生の自分自身との戦いを、もう二度とない唯一の演技を、心して見守りたい。
【東京ウォーカー/取材・文=中村康一(Image Works)】
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