林敬子の「ペットとわたしの自由空間」【最終回】
東京ウォーカー(全国版)
人と動物が幸せに暮らせる社会を目指して

見返りや報酬などを求めずに、日々、犬や猫の命をつなぐ人たちがいます。それが犬猫ボランティア活動です。私がボランティア活動に参加し、自ら愛護団体を設立しようと強く思ったのは、「NPO法人 犬猫愛護会 わんぱーく」でボランティアをさせてもらったことがきっかけでした。
わんぱーくは2010年に設立した当初、まだ保護施設もなく、少ない人数でできることから始めました。2011年には、善意ある方からの支援で大きな保護施設が完成しました。
それからは保護した犬猫のお世話に追われる毎日……。ボランティアも少なく、一人一人の負担も大きかったと思います。それでも捨てられてた犬や猫たちを助けたい一心で、自分たちの生活を犠牲にしてまでも愛護センターで傷ついた犬や猫を引き取ってきました。そのため、施設は常に満員状態。散歩やご飯、掃除に洗濯、薬などの管理の他、それぞれ個別の病気、相性も把握しながらお世話をする――。
施設での経験でわかったこと
たくさんの犬や猫のお世話を毎日欠かさずする、ということは、本当に大変なことなんです。実際、私は施設で手伝いその大変さがよくわかりました。代表をはじめ、ボランティアの皆さんが真摯に向き合う姿を見つめながら、わんぱーくで私にできることはなんだろうと考えた時、「手作りのご飯なら作れる」と思いつき、それからはお世話に行く度に手作りご飯を作って行くようになりました。
“ツナ”との忘れられない思い出
元気がない子や、人見知りな子もそれをきっかけに元気になったり、仲良くなれたりもしました。そして信じられないほどのうれしい出来事もありました。それは、わんぱーくで愛護センターを見学しに行った時のこと。
殺処分室の隣にある部屋の奥隅で壁に向かって座りおびえていた犬。愛護センター側としては、人を怖がりまったく懐かない犬は、人と接することが負担になると判断し、殺処分の対象にしていました。それでも希望はある!とわんぱーくはその犬を引き取り“ツナ”と名付けました。
“ツナ”は施設に来たばかりの時はおびえていましたが、毎日ゆっくり、少しづつボランティアさんたちの愛情を受けながら次第に心を開いてくれるようになりました。そして、元気に散歩もできるようになったツナは新しい飼い主さんのところへ向かうことになりました。
これには愛護センターの所長さんも驚いていたようです。どんな状況でも諦めず、前向きに行動すれば、道は開ける。人の気持ち次第で運命が決まってしまうペットと、心を通じ合わせることがとても大切なことだと思いました。わんぱーくは、たくさんの大切なことを学んだだけでなく、私の役割も気づかせてくれました。
今のわたしにできること

そして、今の私にできることをしていこうと、このたび、動物愛護団体「非営利 一般社団法人ネバーランド」を設立しました。この団体から様々な発言をしていき、人と動物がより幸せに暮らしていけるよう日々前向きに行動していきます。わんぱーくとともに、皆さまのお力をお借りできれば幸いです。
今回で連載は最終回となりますが、これまで連載を読んでくださった方々に感謝を込めて、本当にありがとうございました。【東京ウォーカー】
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