全日本選手権開催!注目のペア続々登場
東京ウォーカー(全国版)
12月25日(金)から27日(日)の日程で、札幌市、セキスイハイムアイスアリーナにてフィギュアスケート全日本選手権が開催される。国内の所属選手にとってはシーズンの一大目標となる大会であり、世界選手権、四大陸選手権、世界ジュニア選手権の代表選考の場でもある。翌年の強化指定選手の選考にも直結する、選手にとっても関係者にとっても気の抜けないイベントである。また、近年積極的な強化を図っているアイスダンス、ペアについて、今季は例年になく多数の選手の参加が見込まれ、大きな盛り上がりを見せてくれそうだ。ここではペアについて注目の組を取り上げたい。
須藤・オデ組
まず取り上げるのは、今大会の優勝候補筆頭、須藤澄玲&フランシス・ブードロ・オデ組である。昨シーズンまで別のパートナーと組んでいた彼ら、先日、名古屋で開催された西日本選手権では、組んでわずか半年とは思えぬ素晴らしい演技を披露した。

「今はモントリオールで練習しています。3月にセミナーに行ったんですが、そこでブルーノ・マルコットコーチから、トライアウトを受けてみないか?とオファーを受けたんです。フランシスとは最初から相性が良いと感じました」(須藤)
「澄玲は、ギフト、天からの贈り物だと感じました。私は本当にラッキーだった。素晴らしいパートナーに巡り合えて幸せだと感じています」(オデ)
「以前は、けがを恐れていたり、この先どうなるのか、と不安を抱えながら練習をしていました。それがモントリオールに行って、周りの選手たちに刺激を受け、私もこんな風になりたいと目標もでき、そして素晴らしいパートナーにも巡り合えました。今は本当に充実しています」(須藤)
この試合では、ペアを組んでわずかとは思えないほどの演技を見せた。特に調整に時間がかかるであろうユニゾンの部分でも、見事なパフォーマンスで観客を魅了した。ただ須藤本人は「これからもっともっと時間が必要です」と謙虚に捉えているようだ。全日本選手権で良い演技をして、四大陸選手権などの国際大会に出ることが今季の目標だと語る。スケートの練習に加え、英語、フランス語の勉強にも取り組んでいるという。
須崎・木原組
続いては須崎海羽&木原龍一組。高橋成美とペアを組んでいた木原龍一が、同じ名古屋を地元とする須崎海羽と新たなペアを組んだのは2015年5月。須崎は若干のペアの経験はあったとはいえ、ほぼゼロからのスタートとなった。初お披露目となった西日本選手権、地元、名古屋での開催ならではの緊張もあったようだ。

「実質3カ月の練習で、何とかここまで仕上げることができました。まだ初歩の段階です。最初の試合が地元、名古屋で緊張しましたが、応援が力になりました」(木原)
木原の方がペアに関しては若干先輩だとはいえ、ペアに関してはまだまだこれからの選手。以前はペアの技に秀でた高橋成美に助けられる場面が多かったが、これからは木原がリードしていかなければならない。とはいえ、この二人には大きな長所がある。ジャンプだ。二人とも5種類のトリプルジャンプが跳べるのだ。この先、ペアの技術が身についてくれば、二人のジャンプは大きな武器となる。
小野・キリング組
次に紹介したいのは、小野眞琳&ウェスリー・キリング組。古くからのファンならば、小野珠美という香港の選手を覚えていることだろう。小野眞琳は小野珠美の妹にあたり、彼女も姉と同じく、香港の代表として国際大会へと出場していた。ちなみに以前は姉の小野珠美がコーチも務めていた。

「今、両腕をけがしているんですが、何とか試合に間に合いました。両腕を骨折して4カ月ギプスをはめていたので練習期間はわずか1カ月。その割には良かったと思います。ペアは楽しい。特にスロージャンプが好きです。ペアをしているとどうしてもけがが多いんですが、それでも怖いと思ったことはありません」(小野)
小野眞琳は日本国籍だが、これまで香港在住で、以前はペアとして、そして女子シングルでも香港代表として試合を戦ってきた。
「以前はパートナーが香港人だったので香港代表を選びましたが、今回、カナダ人のウェスリーと組むにあたり、日本の所属を選びました。今はカナダのトロントから更に1時間、ケンブリッジという田舎町で暮らし、練習しています」(小野)
「眞琳とは2年前、ブルガリアでの世界ジュニアに共に出場していたんです。そこで知り合い、今年の3月にサンフランシスコでトライアウトを受けたんです」(キリング)
小野にとって、今までに組んだ中では最も能力の高いパートナーだ。元々好きだというスロージャンプも迫力を増し、更なる飛躍を見せてくれることだろう。
古賀亜美&スペンサー・アキラ・ハウ組
最後は古賀亜美&スペンサー・アキラ・ハウ組。彼らも今季、新たにペアを組んだのだが、ハウ選手が昨シーズンまでアメリカの連盟に所属していたため、今季は国際大会に出場することができない。
彼らは今年5月にペアを結成したのだが、驚くのがハウ選手の経歴。何とペアの経験がなかったのだ。エストニアでのジュニアグランプリで古賀選手と知り合ったそうだが、彼の体格の良さを気に入った古賀選手が、「ペアをやらない?」とスカウトしたのだという。

「最初はリフトでふらふらすることがあったが、わずか半年でレベル3、4のリフトができるようになった。これはすごいことです」(古賀)
今はペアとしてのキャリアをスタートさせたばかりで、日本語も勉強を始めたばかりだというが、将来の日本国籍取得も期待できそうだ。
【東京ウォーカー/取材・文=中村康一(Image Works)】
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