【WEB連載:はーこのSTAGEプラスVol.21】コンドルズ、地元KIDSの参加に大人メンバーも負けられない!
関西ウォーカー
近藤良平が率いる、学ランを着た男だけの“ユニークな”ダンスカンパニー・コンドルズ。昨年夏に大阪公演で上演した舞台を引っ提げて、もうすぐ滋賀県の芸術劇場びわ湖ホールと兵庫県の芸術文化センターへやって来る。
タイトルは、大進撃ツアー『GiGANT~ギガント~』。ギガントって、ドイツ語で“巨人”のこと。そう『進撃の巨人」。昨年、映画公開とかで流行ってたから。でも、一応ちゃんと(?)、“ガリバー旅行記”をモチーフにした内容で。
画期的なのは、今回のプログラムに子どもが登場すること。各会場で地元の子供たちを一般公募し、コンドルズメンバーが指導に行って練習。そしてオープニングアクトで子どもたちが約15分踊る。これがけっこう、おもしろいらしい。
大阪公演では子供たちに「大人になったら金儲け!」と輪唱させた。させるか!?普通!?しかも輪唱って、ダンスちゃうん?
そうなんです。コンドルズって“普通の”ダンスカンパニーじゃないんです。
というわけで、テレビ番組『からだであそぼ』や『てっぱん』のオープニングダンスでお馴染みの近藤良平氏を迎え、びわ湖ホールと芸文センター合同での記者会見が開かれた。
【コンドルズのこと】
ダンスカンパニーって、普通は、イケメンたちがかっこいいダンスをキメるイメージでしょ。客席はほとんど女子で、「きゃあ~!」って黄色い声援が飛ぶ。コンドルズ、違います。
客席は確かに女子も多いけど、男の子とお父さんとか、お勤め帰りのサラリーマンとか。肩書きはダンスカンパニーだけど、公演の内容は、人形劇とかギターの生演奏とか、「必要なん?これ?」っていうコーナーもあり。「ダンスちゃうやろ、コントやろ?」みたいなのも。だから“ユニークな”ダンスカンパニー。わっかんないでしょ~(笑)。
もともとは「大学卒業してグータラしてたヤツらで」結成。大学のダンス部出身者が多かったから、ダンスカンパニーに。最初、揃いの衣装いるよねと言いつつ、学ランならみんな持ってる…で、いつしか“ユニークな”学ランがコンドルズのトレードマークに。それから19年。途中から、「この人、絶対ダンサーじゃないよね?」っていうメンバーも加わり、現在17名。今でも本職(?)は、大学の先生、塾の講師、ヨガ教師、バーやってる人、一般企業の社長さん…。そして、海外でダンサーや振付家として活躍中の人たちも。だから、近藤良平のソロコーナーとか、踊れるメンバーのダンスは世界的レベル。難易度メチャ高い、うまい、美しい、そしてやっぱりかっこいい!
でもね、あきらかにダンス素人さんでも、近藤良平の手にかかると、踊れるように見える、そして本当に踊れるようになっていく。窮屈な学ラン着て大汗かいて踊ってる人を、ハラハラしつつ応援しながら見ているお客さんたち。客席、すごくあったかい。これも“ユニーク”。
近藤良平は、ダンスを特別なものとして捉えず、日常の動作や踊り出したくなる気持ちを巧みにすくいあげて振付し、表現する。根底に楽しい遊び心がある、近藤流ダンスマジック。要は、根が子どもやねんね(笑)。
【「コンドルズ」×プチプチ「コンドルズ」!】
そんな“子どもな大人たち”だらけのカンパニーに、本当の子どもたちが登場するのが今回の公演。近藤は「子どもたちに身体で表現すること、人前で表現する楽しさを体験してほしい」と考え、各会場も協力体制に。
今回は小学2年~6年生の約30名が出演する。子どものダンスって、きちんと洗練されたダンスを評価するのが通常だけど、そこは近藤マジック、「わさわさ踊る、ヘンテコなダンス(笑)」。きちんとしてない。“ユニーク”です。
最近は「ヤケに知ったかぶりして調子いいけど、本番になると急に萎縮する」子どもがいて「そういうの、ムカつく」と近藤。いるいる、そういう子。大阪では“アカンたれ”と言います。ところが、そんな子たちが「本番を体験するとグッと成長する」とか。そりゃあ刺激されるでしょうね、“子どもな大人たち”は。
さて今回、滋賀と兵庫の“プチプチ「コンドルズ」”は、どんなダンス(?)を披露してくれるのか。もともと「0歳児からOKの作品作り」をしてきたコンドルズ。一層の磨きをかけて進化しながら、今年、結成20周年を迎える。
【取材・文=演劇ライター・はーこ】
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