【中村七之助インタビュー:その1】深津絵里とのW主演!外国人演出家による”現代版”近松作品が2月29日(月)より上演

関西ウォーカー

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2015年には、大阪平成中村座、歌舞伎NEXT「阿弖流為(あてるい)」など、父・十八代目中村勘三郎亡き後も大きな挑戦を続けた歌舞伎俳優・中村七之助。今回、また新たな挑戦となる舞台「ETERNAL CHIKAMATSU」に出演する。

企画は十八代目中村勘三郎の発案で、演出は海外で数々の演劇賞を受賞、日本ではTPTの芸術監督として活躍する気鋭の演出家デヴィッド・ルヴォー。企画を実現すべく、今回ルヴォーが七之助に声を掛けた。

遊女小春、紙屋治兵衛、その妻おさんの三角関係を描いた近松門左衛門の代表作「心中天網島」をベースに、作家・谷賢一が描き下ろしたオリジナル作品だ。現代に生きる売春婦のハルが遊女小春と出会い、江戸の古い恋の物語に引き込まれて…という物語。

今回、七之助は初の海外演出家、本格的な現代劇に女方で出演、さらに初共演の深津絵里とW主演。稽古を控えて来阪、会見で意気込みを語り、個別取材では恥ずかしがり屋の素顔も覗かせた。

Q:出演の経過は?

父には歌舞伎の演目を海外の演出家の方に演出してほしいという夢がありまして、この夢を私たち息子にもいろいろ話していたんです。近松ものをルヴォーさんで、という企画は聞いていました。でも、父が亡くなり、この夢は消えたかに思えたんですが、それをルヴォーさんが覚えていくださって、私に声を掛けてくれたという。父の、死してなお夢を実現する力と、ルヴォーさんの優しさに感謝していますね。

Q:近松の小春はどんな人?

遊女でありながら、貫き通した愛を常に考えている、すごく人間味のある人だと思いますね。悪いことをしているという自覚はあるなかで、自分の理性と本能の狭間で揺れ動いてる、昔の女性ならではの気質の持ち主。しかしながら、最後はいろいろな歯車が狂ってしまう。今で言えば心中は道徳的にいけないことかもしれませんけれども、それが純粋な愛ゆえに、美しくもある、エロスにも感じられるような、きれいな人なんじゃないかなと思います。

Q:歌舞伎で近松を演じたことは?近松のおもしろさは?

「俊寛」とかいろいろ。上方ものでは「封印切」の梅川。梅川は一番やらせていただいてるんじゃないですかね、ボクの人生の中で。4回ぐらい、相手役の忠兵衛は全部違いますけど。浮気ものなんです(笑)。近松作品は、とても人間味あふれていると思います。人間の葛藤や生々しさがあるにも関わらず、最後は美しいもので終わらせられるという、現代にも通じるような作品が多いなと思います。

Q:今回楽しみにしていることは?

「心中天の網島」は歌舞伎で観たことがありますけれど、そこにデヴィッド・ルヴォーさんという海外の演出家の方の力が加わった時に、どういう解釈になるのか。日本人の今の演出家ですら解釈に驚くこともあるのに、文化も暮らしも違う海外の方が近松を演出して、さてどういう変化が生まれるか。それが今回の企画で、僕が一番楽しみにしているところです。

Q:現代劇で女方の小春を演じることは?

僕はこれが今年の最初の舞台で、最初から歌舞伎で培ってきたものをいろいろ試せる舞台でうれしいです。僕の女方としてのできる範囲のことは、すべてチャレンジします。去年はいろんなことさせていただいて楽しかったですね。なおかつ、今年の一発目がまた、古典と新作のコラボレーションみたいな感じのもの。しかもその中で、僕は女方として出る。これはねぇ、おもしろい。僕個人もおもしろいし、僕がお客様だったらちょっと観てみたいなというのはありますね(笑)。

その2(http://news.walkerplus.com/article/72746/)へ続く

取材・文=高橋晴代、撮影=岸 隆子、スタイリスト=寺田邦子

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