フィギュアスケート期待のアイスダンスカップルを直撃
東京ウォーカー(全国版)
フィギュアスケート団体戦の創設もあり、以前にも増して強化が急がれているアイスダンス。そこに期待の若手カップルが現れた。深瀬理香子・立野在組だ。2014年の秋に結成したばかりのフレッシュなカップルだが、このところの急成長振りには驚かされるばかり。今季は国際大会でも高く評価されるまでになり、今週、ハンガリーで開催される世界ジュニア選手権にも出場する彼らに話を伺った。
コンビを組むまで
深瀬理香子選手は元々シングルの選手として活動していた。数年前からアイスダンスをやりたいと考えていたというが、時折アイスダンスのセッションに参加する程度で、本格的にアイスダンスへの転向を考えたのは2014年の秋だという。
立野在選手はアイスダンスを始めて今年で6シーズン目。中学1年生からやっているというからそのキャリアは長い。小学校3年生からスケートを始めた彼だが、6年生のときにフランスのオリビエ・ショーンフェルダーの演技を見てアイスダンスの魅力に引き込まれたという。目標とするのもショーンフェルダーのような力強いアイスダンスだという。

今季の彼らの急成長は、練習環境の改善によるところが大きいそうだ。立野選手が語る。
「昨年の2月にモントリオールに拠点を移しました。そのおかげもあって昨シーズンに比べたら上達したと思います。モントリオールでは月曜から金曜まで、一日3時間は滑っていて、そのうち2時間ぐらいはレッスンがあります。それだけ見てもらえれば上手になります」
どうしてモントリオールを選んだのだろうか。
「中学1年の夏、フランスのリヨンに行き、かねてから習いたいと思っていたロマン・アグノエル先生と知り合い、1年ほど見てもらいました。その先生が今はモントリオールにいるんです」
それがモントリオールに拠点を移した最大の理由だという。
「ダンスは表現が重要になってくるので、昨シーズンからそこをずっと強化しています。まずは足元の技術を磨きたいと考えています」(立野選手)
指導者にも恵まれ、二人は順調に力をつけてきているようだ。海外を拠点に練習する二人にとって、言葉の壁はないのだろうか。
「モントリオールはフランス語圏ですが、レッスンの時は英語で指導してもらっています。でもまだ英語も十分にはできなくて。語学はこれから頑張ります」(深瀬選手)
「僕も流暢ではないですが、拙いながらも英語で頑張っています。レッスンはスケートの用語が主なので困ることはないんですが、雑談になると良く分からないこともあります」(立野選手)
大技だけでなく基礎も大事に
ところで、アイスダンスでは、かつてはコンパルソリーダンスと呼ばれるパターンダンスの競技があった。現在では廃止されてしまったが、代わりにショートダンスの中にパターンダンスを組み込むことになっている。そして、かつてのコンパルソリーダンスのように同じパターンを2周滑って評価されるのではなく、1周のみパターンを滑り、“キーポイント”と呼ばれるパターンの中に設定されたチェックポイントを正確にこなせているかどうか、それが現在の評価基準となっている。最近の選手にとって、パターンダンスはかつてほど熱心に練習されなくなったイメージがあるが、二人はそれをどう捉えているのか聞いてみた。
「実は僕はパターンダンスが大好きなんです。コンパルソリーのあった時期のアイスダンスが一番好きだったぐらいです。可能であればコンパルソリーだけやりたかったぐらいです。是非僕たちのパターンダンスを見てほしい」(立野選手)
「立野君はいつも言ってるんです。コンパルで丸を描いていたかったって(笑)」(深瀬選手)
そのような姿勢が足元の上手さにも表れているのだと感じる。そしてまた、今シーズンのルール改正により、一時期よりもパターンダンスの重要性が増してきている傾向がある。二人にとっては追い風と言えるだろう。リフトばかりで点を稼ぐのではなく、足元の技術もしっかりして、表現もできて、そんなカップルを目指す彼らに大いに期待したい。シニアの国際大会で活躍する二人を観られるのも、そう遠い日ではないことだろう。【東京ウォーカー/取材・文=中村康一(Image Works)】
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