戸次重幸主演、人情の街“京成小岩”で昼のセント酒

東京ウォーカー

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【連載】聖地巡礼さんぽ~あの作品の街を歩く~Vol.10

漫画や映画、ドラマなど、人気作品の舞台となった街を散策し、“住みたい街”としての魅力を深堀していく本連載。ここからみんなの“住みたい街”が見つかるかも?

第10回は、4/9~スタートした戸次重幸主演の連続ドラマ「土曜ドラマ24『昼のセント酒』」(テレビ東京系)をフィーチャー。人気漫画「孤独のグルメ」の原作者・久住昌之のエッセイを原案にした本作は、うだつの上がらない広告営業マン・内海(戸次)が、誘惑に抗えず、明るいうちから“銭湯”と“酒”を存分に楽しんでしまうという大人の道楽コメディ。

実在の銭湯と飲み屋が舞台になっているのも特徴で、今回は第一話の舞台「京成小岩」の魅力を劇中に登場するスポットと共に紹介する。

働いている人たちに対して「あぁぁぁぁ、申し訳ないっ!」と言いながら至福の瞬間を味わう主人公・内海(C)テレビ東京


「鶴の湯」


劇中で、飛び込み営業がことごとく失敗するも、煙突を目にした内海が、「一番風呂いけるかな」と意気揚々と駆け出すのが銭湯「鶴の湯」。

「昭和31年創業の銭湯、鶴の湯。正面は立派な鬼瓦をのせた千鳥破風二段構え。それぞれの下に懸魚と呼ばれる木彫りの飾り彫刻がある。後方には天を突き刺すような巨大な煙突。入口の両側にある漆喰の外壁は、豪壮な雰囲気を漂わせている。その大きさ、風格たるや、まさに城である」という劇中ナレーションの通り、その姿は住宅街に突如現れた城のよう。

「一話に京成小岩を選んだ理由は、何と言っても、『鶴の湯』があるからです。お城を思わせる佇まい、その風格はまさに横綱級。『昼のセント酒』に相応しい、東京を代表する銭湯を第一話に持ってきたかった」(吉見プロデューサー)というように、作品のテーマである「銭湯」を印象付けるインパクトは十分だ。

外観だけでなく、番台や脱衣場なども時が止まったままのような昭和風情にあふれ、銭湯ではめずらしく露天風呂があるのもおもしろい。

お客はやはり近所の人が多く、「毎日14:30頃には常連さんが10人くらい待っていて、一番風呂争いがある。開店準備を始めると、シャッターを開けたり暖簾をかけるのを手伝ってくれたりする人もいます」(店主の中山光雄さん)という下町ならではのエピソードもほほえましい。

【写真を見る】「まるで鶴の湯城だなぁ」と、内海が「鶴の湯」の風格に感嘆の声を上げる(C)テレビ東京


浴槽に入る前にかけ湯をするのがマナー。劇中で内海がかけ湯を忘れた客に注意するシーンも(「鶴の湯」)(C)テレビ東京


「鶴の湯」の煙突を見つけ、意を決して会社に電話し「ノーリターンで」と告げる内海(C)テレビ東京


「大衆酒蔵はむら」


銭湯のあとの「冷えたビールとの感動的なまでの出会い」を求めて、劇中で内海が「大衆酒蔵はむら」に来店。

創業29年目を迎える居酒屋で、今は親子で切り盛りしている。誰でも気兼ねなく入ってもらえるようにと、ジャンルにこだわらず多彩な料理を取りそろえ、メニュー名が書かれた短冊が貼り巡らされた店内は味がある。

ドラマの中で内海が「かー!ウマイ!」と感動した生ビールは、キンキンに冷やしたジョッキを使っているので、銭湯帰りや仕事帰りの一杯にはたまらない。

「この地域の人たちは、人情味があふれ、みんな優しい。顔を合わせれば『こんにちは』と自然にあいさつを交わし、いい意味で変わらない下町っぽさがあります。居心地がいいので、友達もほとんど地元に残っています」(店主の息子の狭間幸生さん)。

嬉々とした表情で「大衆酒蔵はむら」に入店する内海(C)テレビ東京


生ビールを一気に半分以上飲んでから、「やっぱり昼間、湯に行って、明るいうちから飲むビールは最強」と興奮気味に語り出す(「大衆酒蔵はむら」)(C)テレビ東京


新鮮なレバーにこだわったサクサクの「レバフライ」¥378(手前)、「生ビール」¥540(奥) (「大衆酒蔵はむら」)


「京成小岩メガネサロン」


ドラマのファーストシーンは「京成小岩メガネサロン」の店内から。劇中では、必死に営業トークをする内海と、とぼけたおばあちゃん役とのやり取りがコミカルだが、実際にお店に立つ木下清恵さんは、「商売を愛している」と気丈に語る商売のプロ。

前身のお店は1936(昭和11)年に神田で創業し、この地にオープンしたのは1978(昭和53)年。ベテラン店長と二人三脚で“技術とセンスのあるメガネサロン”を掲げ、良質で豊富な品ぞろえ、アフターケアなども重視し、その人に本当に合った、長く使えるメガネを提供し続けている。

また、「心づかいが大事」と語る木下さんは、根っからのもてなし上手で、毎日誰かしらがお店でお茶菓子を食べているのが日常だという。さらに、「地域を大事にすればお客さんが来る」と考え、街全体を元気にしたいと目や心を配り、地域のコミュニティスペース、活力源としても大きな役割を果たしている。

「売れても売れなくても、イキイキと商いをしないと!」と語る姿がカッコいい(「京成小岩メガネサロン」のオーナー、木下清恵さん)


「技術がピカイチ」と木下さんが全幅の信頼を寄せる、笑顔が素敵な店長・戸室光男さん(「京成小岩メガネサロン」)


京成小岩駅北口からすぐ、京成小岩商栄会の一角に位置(「京成小岩メガネサロン」)


「京成小岩駅」


JR小岩駅から徒歩15分ほど離れた京成小岩駅。劇中に登場するスポットはすべて北口に位置し、北口は江戸川や親水緑道など緑地が多い。

劇中に駅舎は映らないが、駅からすぐの踏切で、上下線が交錯する電車と内海の後ろ姿が第一話のラストシーンになっている。

「小岩駅周辺の雑多感とは違い、京成小岩は下町の匂い満載の庶民的な街に感じました。何と言っても京成が冠に着くと、一気に庶民感が増しますよね(笑)。近くには、小さな商店街もあり、人情味があって、住みやすそうな街ですね」(吉見プロデューサー)。

京成小岩駅北口。亀有駅行きの京成タウンバスが乗り入れている


劇中のラストシーンに登場する、京成小岩駅のほど近くにある踏切


取材先の方々に「京成小岩の魅力」を聞くと、決まって第一声で出てくる言葉が「人情」。以前取材した押上周辺しかり、下町の人情はいつも想像を越えてくると実感。「好きなだけ撮っていいよ」という大らかさや、楽しい話で笑わせてくれるユーモア、「お腹が空いてちゃいい記事が書けないよ」といって食べさせてくれるもてなし力と…もう胸がいっぱい。「“住みたい街”として紹介させていただきます」と言った時の、「わぁうれしい!」と喜んでくれた「京成小岩メガネサロン」の木下さんの表情はとても印象的だった。

緑道や江戸川といった自然も豊かで、静かといってもきちんと生活感を感じられる温かみがある京成小岩。日暮里や京成上野のほか、都営浅草線直通電車に乗れば、日本橋や新橋へもスムーズに行けてアクセスも◎。ドラマのように勤務時間中……はまずいけれど、まずは休日に「鶴の湯」の一番風呂を目指すところから京成小岩デビューしてみては。【東京ウォーカー】

第11弾は5月上旬配信予定

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