有田焼創業400年、有田の「今を知る」旅に行ってみた

東京ウォーカー(全国版)

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今年2016年は、有田焼創業400年のメモリアルイヤー。今回、有田の「今を知る」ことのできるスポットを訪れてみた。

そもそも有田焼とは、佐賀県有田町とその周辺地域で製造される磁器を指し、言葉としては、明治以降に広く用いられるようになったもの。17世紀初頭に朝鮮人陶工(とうこう)の初代金ヶ江三兵衛(通称:李参平)らによって有田町の泉山で磁器の原料となる陶石が発見されたのがそのスタートで、これが400年前の話になるという。

歴史ある有田の街。実際に足を運んで感じたのは、「今」という時代の中で、至る所に「歴史」が散りばめられ、伝統的なものと今に必要なものとがうまく融合されている街だということだ。

USEUM ARITAで出会う、新しい有田焼の“USE”


農業用のガラス温室を活用した「USEUM ARITA(ユージアム アリタ)」。佐賀県の県立九州陶磁文化館の玄関脇にオープン


九州陶磁文化館のアプローチデッキに期間限定でオープン中の使える器の美術館「USEUM ARITA(ユージアム アリタ)」。佐賀の食材にこだわった料理を、佐賀が誇る人間国宝と三右衛門の作品を使って楽しむという、日常では体験できない“特別な食空間”が演出される。※10時~11時のブランチタイムは和食の朝御膳(1500円)、11時30分~12時45分、13時~14時15分のランチタイムは和食・洋食の「昼御膳」(2500円)、14時30分~16時30分のカフェタイムはスイーツとドリンクのセット(1000円)。

また、「USEUM ARITA」のギャラリースペースでは、有田焼創業400年事業「ARITA EPISODE 2」として国内外で取り組んできたさまざまなプロジェクトを「食べる」「呑む」「生ける」「設える」「遊ぶ」といったテーマごとに、新しい有田焼の“USE”として展示。有田焼を自分の生活に取り入れるヒントを見つけることができるはずだ。

「ギャラリー有田」で有田を堪能


2000客ものコーヒーカップに囲まれる店内の風景。カップはすべて有田焼


やきものの街「有田」を堪能できるギャラリー有田。入り口の大きな有田焼きの壺、有田焼風のペイントを施したど派手な車が目印で、店内に足を踏み入れると、2000客ものコーヒーカップに囲まれた光景に思わず目を奪われる。

このコーヒーカップはすべて有田焼で、カフェでホットドリンクをオーダーすると、飲み物の名前が書かれた小さなチケットを渡され、店内に飾られたコーヒーカップの中から好きなカップを選んでチケットとともにスタッフに渡すと、そのカップでドリンクが提供される。

食事も有田名物「ごどうふ定食」(1350円)や佐賀牛ステーキを使った「器楽膳」(2800円)、「有田焼五膳」(1300円)など、地元の食材を使った料理が有田焼の器で提供され、さらにレストランで使用している器は店内のショップで購入できるので、旅の思い出や贈り物選びの観点でも楽しめる。

新しい有田焼のギャラリー「in Blue 暁」


シンプルでモダンな漆喰造りが印象的な「in Blue 暁」


シンプルでモダンな漆喰造りの大きな平屋の扉を開くと、そこには美しいギャラリーが待ち構えていた。オーナーの百田暁生さんいわく「有田のイメージである『漆喰』をイメージした」という「in Blue 暁」。外観同様にモダンな造りの空間に作品が整然と並び、リラックスした気分で百田さんの作品を眺めることができる。

「in blue」というネーミングの由来は、百田さんの作品の特徴である「青白磁」で、ネーミングのアイデアは奥様からの提案だそうだ。

「ギャラリーは2015年の4月にオープンしました。東京からいらっしゃるお客さんも多いです。やきものは、作品にブルーを取り入れていて、形と釉薬(ゆうやく)にこだわって作っています。24年前、修行をはじめたときから、いつかギャラリーを開こうと考えていて、昨年やっとオープンにこぎつけました」

鍋島藩の御用窯をルーツを持つ百田さんは「形や、釉薬の使い方など、自分にしかできない作品を手掛けられる作家になりたい」と夢を語ってくれた。そして、もうひとつ、「18歳の娘がパンの修行をしているので、将来はこのギャラリーにカフェを併設する夢を持っています」という夢も。

伝統的な技術、確かな歴史に支えられた新しい有田焼の姿を、「in Blue 暁」で、ぜひ体験してみてほしい。

御船山「納涼竹あかり」で幻想的な夜を体験


クライマックスのタイミングでは水面を光が入り乱れる鮮やかな演出に


佐賀県武雄温泉の御船山楽園で9月25日まで開催中の「納涼竹あかり」。5000個の竹灯篭(たけとうろう)による柔らかな和の灯りで15万坪の日本庭園をライトアップするイベントに、チームラボとのコラボで実現した世界初となる池のアートが今年も登場。

園内の池の水面にプロジェクションで映像が映し出され、池に浮かぶ実際の小舟とともに踊る光の魚(鯉)が作り出す空間は、まさに幻想的の一言。有田の「今を知る」歩みの後は程近い武雄市に足を運び、贅沢な旅を締めてみてはどうだろうか。【ウォーカープラス編集部/浅野祐介】

浅野祐介

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