【貫地谷しほりインタビュー】伝説の少女漫画「ガラスの仮面」の舞台が大阪初登場!

関西ウォーカー

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総発行部数5000万部を超え、今年、連載40周年を迎える伝説の少女漫画「ガラスの仮面」。1975年の連載開始以来、現在も連載継続中の美内すずえの名作だ。これまでいくつかの舞台化やドラマ化を経て、2014年にはG2の脚本・演出により東京で上演。好評を博したこの舞台を、新脚本・新演出で再演が決定、大阪に初登場する。

物語の主人公は、地味で平凡な少女・北島マヤ。かつての大女優・月影千草との運命的な出会いから天才的な演劇の才能を目覚めさせ、永遠のライバル・姫川亜弓と幻の名作『紅天女』の主役の座を巡って競い合う、演劇大河ドラマだ。

主要キャストは変えずに再演。マヤに貫地谷しほり、亜弓にはマイコ、マヤを見守る桜小路優には浜中文一(関西ジャニーズJr.)、大都芸能の冷血漢・速水真澄に小西遼生、その献身的な秘書・水城冴子に東風真智子、そして月影先生には一路真輝。お馴染みのキャラクターが生き生きと舞台に登場する。

熱烈な漫画ファンの支持を得た座組みはそのままに、新たなエピソードが加わった作品で再びマヤを演じる貫地谷しほりが来阪。稽古開始寸前に、セントレジス大阪で行われた会見、そして大阪への想いを語った個別取材の内容をたっぷりと紹介しよう。

Q:原作の漫画は読んでいましたか?

高校生の時に初めて読んで、ハマってしまって。その時は役者の勉強を始めていた時でもあったので、ここまでの情熱を持ってやらなきゃいけないことなのか! と思って、なんかすごく殴られたような感じがしたのを覚えています。それから新刊が出るたびに買って、全部読んでいます。私は主人公が他人(ひと)よりも突出したものを持っているというストーリーがすごく好きなので、いろんなマヤの演劇の天才な部分を見るたびに、すごくおもしろいなぁと。

Q:北島マヤの印象は?

ほんとに演劇バカと言いますか。すごく素直で、まっすぐすぎるぐらいまっすぐで。憧れますね、そこまでひとつのことを突き詰めて、一生懸命になれるという情熱も。大人になると、ここは目をつぶってなきゃいけないとか、自分の心にふたをしてしまうことってけっこうあると思うんですけど、そうなると心が不感症になっていくというか…。でも、「ガラスの仮面」を読むたびに、北島マヤという人は、本当に普段から感受性が豊かで、いろんなこと素直に感じて、すごくうらやましい環境にいるなと思います。

Q:ほかのキャラクターについては?

私は基本的に物語を主人公目線で見ちゃう、本当にいいお客さんなんですよ(笑)。だから、マヤに感情移入してしまうので、主人公から見て敵は、全部敵って思うタイプなんです。“紫のバラのひと”とか、私はそんな少女漫画的なキャラクターに弱いんですよね。あしながおじさんのように、言えばいいのに言わないという、あのもどかしさがたまらないです。

Q:初演はいかがでしたか?

「ガラスの仮面」は、すごいファンの方がたくさんいる作品なので、これをやったらメタメタに叩かれてつらい思いをするんじゃないかと思っていました。とにかくプレッシャーでしかなかったんですけど、前回の記者会見の時に美内先生が「貫地谷さんの心のままに、感情の赴くままにやってくだされば、きっといいマヤになるんじゃないかと思います」っておっしゃってくださって、少し心が楽になったというか。でも、初日開けて、お客様の拍手を聞くまでは怖かったですね。

実際に開けたら、他のことを考える余裕もなく、ただただ舞台に没頭していました。お客様も受け入れてくださって、千穐楽の拍手がもう忘れられなくて。すごく感動しました。いろんな自分の感情を知りながら、毎日いろんな驚きと発見があった舞台でした。

Q:驚きと発見とは?

忙しい舞台だったんです、早替え早替えで、ずっと出ずっぱりで。おかげで、奥から湧いてくるような感情を舞台の上ですごく感じることができました。普段、映像では瞬発力でそのシーンに向かったりするんですけど、それとは違う感情の振り幅があったりして。

女優の仕事は、スタッフさんがたくさんいる中でキスシーンしたり、泣いたり、わめいたり。そういうことをしていると、日々の生活の中で普通の感覚を忘れていく瞬間があって。でも、あ、私、ちゃんと人間だったんだなって、ひしひしと感じることが出来た舞台でした。自分の心の中のことも整理できるので、舞台は1年に1本は必ずやりたいと思います。

Q:再演については?

私のなかで前回の舞台は、とてもいい締めくくりができて、ひとつ完結したという感じの前回でした。で、今回の再演は、2年経って、あれができるのかなとか、30代になっちゃったなとか(笑)。私的には今回、いろんなもののハードルが上がっていて、今ちょっと怖いなっていう思いでいっぱいです。どう自分が燃えていけるんだろうかと。でも私、今回新しくなった台本を読んで泣きましたから(笑)。そこがきっと私の原動力になるかな。ちゃんと真摯に取り組んで行けば、お客様にも伝わるのでは、と思っています。私の中でベストを出して、すごくいい「ガラスの仮面」だったねと言われるような舞台にしたいです。

Q:前回も泣きましたか? 今回はどこで泣いた?

前回、台本を読んだ時は泣きませんでしたけど、演ったら毎回、同じようなところで泣いていました。「役を演じるのは感覚の再現」という言葉が劇中で出てくるのですが、そこまで持っていかないと、お客様って観るプロなので見破られるんですよね。だから毎回、本当にぶつからなくては、という思いはあります。

今回、台本を読んで泣いたのは、ラストですね。「ガラスの仮面」は、マヤと“紫のバラのひと”との恋愛が見どころでもあるじゃないですか。今回はそれがしっかり描かれていて、そのあたりが少女漫画好きにはたまらない展開、たまらないラストだと思います。「ガラスの仮面」を好きな人は、あぁ、そうそうそうそうって観ていただけるぐらい、今回はさらに深く描かれていますから。

Q:新たなエピソードなど前回と違うところは?

前回は「ガラスの仮面」の有名なシーンをダイジェストで拾って、それをストーリー仕立てにしていたので、もうちょっとゆっくり観たかったとおっしゃる方もいて。今回は前回よりもっとじっくり、ゆっくり、濃いぃ世界が見せられるんじゃないかなと思っています。

原作の中でも人気の高い「ふたりの王女」という劇中劇をやるんですが、前回は少しだけでしたけど、今回はガッツリあります。オーディションのシーンも、またおもしろくなっていくんじゃないかな。今回は初めて『紅天女』が出てきます。月影先生が演じるシーンで。面を割ったり、あの漫画のシーンをどうやるのか、私自身もすごく楽しみですね。あとは、“紫のバラのひと”との恋愛エピソードだったり。これから稽古に入るので、花道がどんなふうに使われるのかも楽しみにしています。

Q:体力づくりは?

そういうものをしたことがなくて、意外と気力で乗り切ってしまうタイプというか(笑)。普段、運動もあまりしないので汗をかいて気持ちよくて、前回の本番では3キロぐらい落ちました。体調もどんどん良くなってきて。普段食べ過ぎていたんでしょうね(笑)。今回も、“マヤダイエット”で痩せられるかなって期待しています(笑)。

Q:今回初めて舞台を観る方に。

チラシに「奇跡の舞台が今、生まれ変わる」って。出演者としては、前回を越えるようにみんなで頑張っていきますので、絶対に楽しい時間を提供できると思います。

Q:関西に来たとき、必ずすることや行く店はありますか?

鉄板焼きの店には1回は絶対行きたいなと思っています。お好み焼きを食べに。あとは、私「とん蝶」が大好きで、絶対買います。今日も買って帰ります、お土産に。早く行かないと売り切れになったりしますし。でも、大阪の方で、意外と「とん蝶」を知らない方、多いんですよね。私は、以前に朝ドラをやっていた時、茂山宗彦さんが差し入れしてくださって。それから、大好きなんです。

Q:鉄板焼きは皆さんで?

みんなで行きたいですね。お店は決まってないんですけど、お好み焼きとか、大阪に来たぞっていうものを何かみんなで食べたいです。今回、みんなでユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行きたいねって言ってたんですけど、スケジュール見たら行けなさそうで(笑)。去年も行ったんですよ、『もとの黙阿弥』の公演の間に。好きなんです。

Q:大阪の印象は?

私もう、ここら辺(本町界隈)は、ずうっと自転車で走ってたので、なんか懐かしいなって言う感じがしますね。休みがあれば自転車でどっか出かけて、いろいろ行っていました。大阪はすごく気持ちいいなっていう気がします。過激かもしれないですけど、私は心が触れ合わなかったら意味がないって思ってしまうタイプで、うわべの会話だけではなくて番組でもなんでも、けっこう本音を話します(笑)。

Q:朝ドラの時に、いろいろなお店に食べに行かれた?

私はマンションの周りにあるところしか行ってなかったです。1人で夜中にカフェに行ったりとかしてましたけど。

Q:今回一番楽しみにしていることは?

やっぱり、食べ物ですね(笑)。鉄板焼きもです。出演者は本当に仲良しメンバーなんですよ。東京だと、また明日って、みんな家に帰ったりしますが、地方だと「じゃ、ご飯食べに行こうか」ってなると思うので、そこで熱い会話が繰り広げられるんじゃないかなと思っています。

Q:ファンの方へのメッセージをお願いします。

本当に泣いたり笑ったり怒ったり、忙しい舞台なので、きっと今までの経験がフル動員されると思います。ずっと体が小さいことがすごくコンプレックスだったんですけど、今回の役はおチビちゃんという役なので、小さくて良かったなと思っています。舞台だけど、これがこの人の個性なんだと素直に見てもらえると思うし。みんなにハマり役だと言われるように頑張りますので、是非、観に来てください。

高橋晴代

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