【篠田麻里子インタビュー】佐助たちを翻弄する女忍び役で舞台「真田十勇士」に登場
関西ウォーカー
2014年に話題を呼んだ人気の舞台「真田十勇士」が、真田イヤーと言われる今年、再び登場する。しかも映画と舞台の合同プロジェクトだ。堤 幸彦監督・演出で、主演は中村勘九郎。徳川VS豊臣の最終決戦となる大坂冬の陣・夏の陣で大暴れする真田十勇士を描くド派手なアクション時代劇だ。
「嘘も突き通せば真実となる」をテーマに、虚像と実像のギャップに悩む真田幸村と出会った抜け忍びの猿飛佐助が、霧隠才蔵ら十勇士を集め、幸村を本物の天下の名将にする、という奇想天外な物語。堤監督ならではの演出で、プロジェクションマッピングやワイヤーアクションなどを使った迫力の舞台がより一層パワーアップする。
9月22日(木)に公開される映画版は勘九郎いわく「盆と正月がいっしょに来たような作品」。テーマは「親子愛も。切なくてシリアスな部分が多い」、舞台は「より十勇士に感情移入して見られる。今回は新たに映画と連動する部分も」と、それぞれに魅力的。関西では映画公開後の舞台上演となる。
キャストは前作の舞台と変わり、また映画版と舞台版も違う。今回、幼なじみでかつての忍びの仲間である佐助と才蔵を翻弄し、才蔵との恋もある女忍び・火垂(ほたる)役に、AKB48卒業後の初舞台となる篠田麻里子が初参加する。映画「リアル鬼ごっこ」でアクションのおもしろさに目覚め、「アクション女優になりたい」と言っていた篠田。全体稽古を8月に控え、アクション稽古中に来阪、会見と個別取材で気合十分の意気込みを語った。
Q:舞台がお好きだったとか?
観るのはすごく好きです。小学校の時から宝塚歌劇を、特に真矢みきさんが好きでずっと観に行っていました。宝塚に入りたかったぐらいです。あと、両親がサーカスやいろいろなものを観せてくれたので、エンタテインメントを観るのが好きでしたし、そういう世界に入りたいと思っていました。「シルク・ド・ソレイユ」もほとんど観てます。ラスベガスで「オー」と「カー」も観たし、マイケル・ジャクソンの「イ・モータル」も大好きで。話題の舞台は一応、聞いたものはすべて観に行くようにしています。
Q:では前作の「真田十勇士」の舞台も?
度肝を抜かれた時代劇でした。すごく見やすいし、歴史を知らなくてもカジュアルに観れる。いろんな人に見てもらっても楽しめるのでは、と思います。ワイヤーアクションやプロジェクションマッピングなど、今まで観たことない舞台だと思いました。
Q:いつか立ちたいと?
自分にはできないと思って観てましたから。迫力も違うし、殺陣(たて)とかもスピード感も全然観たことのないような時代劇でした。だから、自分がやりたいというよりは、「こんなに動いて大変そうだな」って(笑)。宝塚にはすごく入りたくて、歌とダンスをやりたいという気持ちはあったんですけど、お芝居に関してはあんまり自信がない分野なので、今回も不安の方が大きいですね。
Q:グループ卒業後の初舞台ですね。
最初聞いたとき、「絶対やります」って言いました。自分のなかで、この舞台は人生が変わる何かのきっかけになるんじゃないかなと思いました。自分がやっとお芝居をやりたいなと思った時にこのお話をいただいたので、今ほんとにやりたかったものが来たような感覚だったんです。だから、まだ台本も読んでない段階で「これは絶対やりたいです」と。
殺陣も時代劇も経験がなく、人気の舞台のプレッシャーもすごくあります。挑戦だなって、人生賭けてでも3か月、一生懸命やってやろうと思っています。
Q:チャレンジャーですか?
チャンスがあるとそこを拾いに行くタイプですね(笑)。でも、ちゃんと準備はしていきたいと思っています。舞台で自分を鍛え上げたいという願望がすごくあったので。これは3か月間、すごく鍛えられるんじゃないかなと。
Q:座組みが出来ている中、ほぼ紅1点で男子の中に放り込まれていかがですか?
私はその方が合ってるような気がします。私も結構男性っぽいので、逆に女性に見られない気がして(笑)。その中に放り込まれた方が、火垂の役柄の男社会に生きる女性の強さみたいなのもすごく出てくるんじゃないかなと思っています。
Q:火垂をどう演じたいですか?
男性陣の中での女性として、ホッとするシーンになる様に、演じていきたいです。この時代に生まれた女性の、恋をしても言いだせない恋心とか。強さと、才蔵との恋の乙女チックなかわいらしさも出しつつ。堤監督から「男臭いから、女のフェロモン出して」って言われてます(笑)。
才蔵は、幼馴染で共に戦ってきた人ですけど、多分、クールで頭の切れるところが火垂としてはすごく好みでタイプだと思います。一緒に引っ張って行ってくれてると思った時に、裏切られたっていうような感覚だと思います。なので、才蔵を殺したいほど好きっていう一途さを出していきたいですね。
Q:アクションがお好きだとか?
AKBの時、動いて覚えることが好きだったからかな。動くことが好きなので、今回アクションと聞いてすごくうれしかったんです。前回あった、ワイヤーアクションもやってみたいです。ダンスの振りはAKBの中でも覚えるのが早い方でした。感覚で覚えちゃうクセがあって。でも、動きを覚えるのは早いけど、ダンスっぽくなるからそれが課題ですね。いろんな角度から見えるアクションをできるようにならないと。アクション俳優の方で憧れているのは「テラフォーマーズ」でご一緒したケイン・コスギさんです。彼のアクションはCG使ってるんじゃない?っていうぐらい、スピード感が全然違う。ジムが同じで、彼に近いメニューをやっています(笑)。
Q:アクション稽古をやってみてどうですか?
くノ一のいろいろな動きを1か月前から稽古しています。歩き方やスリ足とか。時代劇は腰と膝をすごく使って歩くので、難しく感じます。衣装は動きやすい格好で、火垂は足袋のスニーカーを履いて訓練しています。
Q:自分でも何かトレーニングを?
持久力が必要だと思って、去年からマラソンを始めています。あと100mダッシュを毎日10本。舞台で瞬間的に走ったりもするので、瞬発力を上げるために。心拍数が急に上がっても大丈夫なように練習してます。それと、私は緊張しいなので、舞台で落ち着ける深い呼吸の練習もしています。3か月間、今までにないぐらいの毎日になると思うし、成長する日々であるように頑張っていきたいです。
Q:緊張する時はどうしていたんですか?
楽しむようにしてます。インタビューや番組宣伝の時も、私すごく緊張するんですけど、そういうことができることが、楽しいんだって思うようにしてますね。
Q:大舞台でも大丈夫ですね。
自分を壊せるように頑張ります。やっぱりこのキャラの濃いキャストたちの中では、沈んじゃう気がして。自分から新しいものを出して行かないと、真田十勇士には勝てないと思ってるので。この3か月間、自分を模索する意味でもすごく濃厚な3か月になるんじゃないかなって期待を込めてますね。スピード感とか生で見ていただけるアクションを楽しんでいただきたいです。課題は、全体的に体力ですかね。もちろんお芝居もアクションもそうなんですけど、自分の体調管理やケガのないようにとか、慎重にしていきたいなと思っています。
Q:初日は泣きますかね?
私、絶対泣いちゃうと思います。以前出演した舞台で、自分がどうしていいのかわからなさすぎて、泣いたり悩んだり、ずっとマイナスだったんですけど、初日に自分が弾けてすごく気持ち良かった覚えがあるんですよね。なので、いつも初日って、自分の中で弾ける瞬間、新たなものを探せる瞬間があるので、それを見つけたいなと思っています。
Q:関西公演で大千秋楽を迎えます。
泣きますね、ずっと泣いてそう(笑)。でも自分が感無量になるぐらい、自分を追いつめてここに持って行きたいなっていうのはありますね。自分がちゃんとできていなかったら、泣けないと思うので、泣けるぐらいがむしゃらに頑張りたいと思います。
Q:今後の活動は?
今はお芝居をやりたいなっていう気持ちが強くなってきたので、今後は舞台もそうですし、お芝居を中心に。コメディやってみたいですね。私が好きな「ポップマッシュルームチキン野郎」っていうコメディ演芸部門で優勝した劇団が下北沢にあって、大好きなんです。すっごい下ネタが多いんですけど(笑)。ものすごくおもしろくて、いつも一緒にやりたいって話をしてます。
Q:夢は?
AKB時代の夢って私、「ビッグになりたい」って言ってたんですよ。で、よくわかんないのに言ってたなぁと思って(笑)。今は逆に大きな夢というより、近い先の目標に変わったというか。この舞台を成功させたいとか、女優としていい作品に出会って自分を向上させたいとか。今は、この真田十勇士の舞台を成功させたいっていうのが目標。ひとつずつ目標をクリアして、自分を高めていきたいなと思っています。
Q:大阪で必ず行くところ、することはありますか?
昨日も走りましたよ、梅田を。1時間ぐらいマラソンしました。昨日は天神祭でしたけど、22時ぐらいだったので、花火が終わって帰る浴衣のみんなの周りをフードかぶって走ってましたね。ホテルの近くのドンキホーテから、観覧車のあるHEPファイブのところとか。朝と夜、走ります。今日は雨で外に行けなくて、朝からホテルの中の廊下を走りました。迷惑ですよね、朝5時から(笑)。でも、忍びの走りなんで足音はしないはず(笑)。今回は足首とかも鍛えなくてはいけないし、ダッシュやジャンプで走ったり、1時間のなかにいろんなメニューをジムで組んでもらって、それを実践しています。
Q:ストイックな人ですね。
逆にこれを耐えられるのかっていう。準備しないと不安すぎて、怖いです。体は締まるんじゃないかな、楽しみにしています(笑)。
Q:ご飯のお店や、行きたいところは?
大阪では、もやし鍋の「冨紗屋」に行きます。AKB時代から、大阪に来たら絶対「冨紗屋」っていうぐらい、みんなで食べてました。細いモヤシがおいしすぎて! 兵庫は知らないんですけど、関西公演が大千秋楽なので、みんなで打ち上げしたいなと思ってます。
Q:最後にファンのみなさんにメッセージを。
ただ今稽古中で、これからどんな舞台になるか楽しみです。前作品を観た方も、この「真田十勇士」すごくよかった、と思っていただければいいな。濃厚な、一生で一番動いたなと思える舞台にしたいので、楽しみにしていてください。劇場でお待ちしています。
【取材・文=高橋晴代】
高橋晴代
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