最新ラーメントレンドは“濃厚なのにまろやか”テイスト
東京ウォーカー
ごく最近まで東京のラーメンシーンは濃厚でこってりとしたラーメンがもてはやされていた。つけめんにしても濃厚トンコツ魚介系で魚粉を入れるタイプがいたる所でブレイクした。その流れは今も変わらないのだが、そこにちょっとした変化が見られるのだ。
典型的なのは東京・小岩に誕生したトンコツ醤油系の【極濃極濃麺家初代 一本氣】。「極濃」という文字があるので、一見ギトギトタイプに思いがちだが、店主の作田直章さんいわく「濃厚でいて脂っこくない味わい」を提供している。彼は横浜の家系と福岡のトンコツ系で修業を積んだため、トンコツのよさをもっと知ってもらいたいと考えているのだ。それは脂に頼らず、骨の本来持つうま味を追求するということ。家系と久留米系の異なる技術を組み合わせたスープの採り方で、意外にも食べやすい仕上がりになっている。
また、東京・北綾瀬の【中華そば わた井】のつけそばも濃厚なのにまろやかだ。店主の渡井洋さんは浅草の【与ろゐ屋】の出身。自家製麺で、レギュラーメニューもつけそばと中華そばしかない。そんなストイックさが現れたスープは、鶏や豚などを炊き込んだ後に丁寧に脂分を取り除いて捨ててしまうのだとか。そのためにクリーミーなよさのみが汁に残るというわけ。そんな職人気質の味にひかれて、老若男女が集う。
それらの方法のほかに、濃厚さとまろやかさを共存させる別の方法も増えてきた。それは野菜ペーストをあわせる手法。【東高円寺 麺屋 えん寺】の看板メニューはつけめん。トンコツをメインにとろみが出るまでじっくりと煮込んだ汁を一口すすれば、その口当たりのよさに驚くだろう。実はこれ、山芋を主体とした野菜ペーストをも合わせてとろみを出しているのだ。こうすることでとろみを残しつつもギトギト感を抑えられるというわけ。
これら3軒はいずれも濃厚なことには変わりない。だが、時代はそれだけにとどまらず、そこにこってりではなく、マイルドを求めるようになってきている。【連載「はんつ流(17)」/フードジャーナリスト・はんつ遠藤】
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