「闇金ウシジマくん」本郷奏多×白石麻衣インタビュー
関西ウォーカー
累計1000万部を突破した真鍋昌平のコミックスを原作に、金と欲望に翻弄される人々の転落人生をハードでコミカルなタッチで描く社会派エンタテインメント「闇金ウシジマくん」。実写版は2010年のテレビドラマ「Season1」に始まり、その後映画シリーズへと成長。9月22日には「闇金ウシジマくん Part3」が公開となり、続く10月22日(土)公開の「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」で遂にグランドフィナーレを迎える。
今回は、「Part3」で物語の軸となるキャラクターを演じる本郷奏多とヒロイン役の乃木坂46の白石麻衣に作品の魅力や裏話について語ってもらった。

―先ずは、映画「闇金ウシジマくん Part3」の出演が決まった時の率直なお気持ちをお聞かせください。
本郷「『闇金ウシジマくん』シリーズは、漫画も全部読んでいたり映像作品も観てきていたので、その世界に参加させてもらえるなんてありがたいことだなと思いました。何より主演の山田孝之さんは、僕にとって尊敬している俳優さんのひとりなので、共演させていただけることが凄く嬉しかったです」
白石「私はきちんと原作を読んだことがなかったのですが、大人気シリーズということはもちろん知っていたので、そういった作品に関わらせていただけることが素直に嬉しかったです。すごくハードなイメージのあるシリーズなので、そこに自分が踏み込むというところにはドキドキした気持ちと、凄く楽しみな部分がありました」
―タレント活動をしている麻生りな役を演じている中で、ご自身と重なる部分などはありましたか?
白石「りなは凄く真っ直ぐで、強い意志を持った積極的な女の子なので、どちらかというと私とは真逆の性格でしょうか。演じていてカッコいいなという部分があったり、なにより新鮮に感じました。映画に出てくるキャラクターの中では普通の女の子なので、観ている方にいちばん共感してもらえる役柄ではないかなと思います」
―本郷さんは、人生の一発逆転を狙って億単位のマネーゲームに挑む沢村真司という人物を演じられましたが、このキャラクターをどのように捉えていましたか?
本郷「真司はどこにでもいる平均的かそれ以下の男の子かなと思います。唯一、自分で行動を起こせるという点においては人と違うところ。今作に登場するキャラクターの中では、いちばん根が優しい、お人好しな部分があるキャラクターかなと思いますね」
―たしかに、これまでの「闇金ウシジマくん」シリーズの中で多かった、生活苦から自暴自棄になって、借金の泥沼にはまってしまう典型的なタイプではなく、どこか冷静に感情をコントロールしながら人生を選択していくタイプで新鮮でした。
本郷「そうなんです。主人公の丑嶋からお金を借りるいつもの債務者は、本当に追いつめられている人間ばかりだと思うし、根が腐っているような人ばかりですよね。だけど真司は、自分の身を削ってでも人を助けてしまったりする。周りの人間に振り回されてしまうキャラクターではあるんですけど、内面にはしっかりとした軸を持っているので、選択を迫られた時でも自分の良心にだけ従っていきます。ブレない一貫性を持ったキャラクターなので、演じるに当たっても難しい点はそこまでなかったです」
―物語は、真司がりなに心惹かれていくことで展開していきます。りなを演じられた白石さんと共演されてみて印象はいかがでしたか?
本郷「テレビで見ていたとおり、とてもおしとやかな方だなと」
白石「私は大人しくて、不思議な方だなと思いました。なんというか…」
本郷「…1回、席をはずしましょうか?(笑)」
白石「全然言いにくいとかではなくって!(笑)。食事をあまりとらないとテレビで見た気になっていたのもあって、不思議な方だなと」
―なるほど!劇中でも食事のシーンがありましたよね。これまでシリーズに登場してきた債務者は、お金がないのでガツガツ食べるキャラクターが多かったですが、真司はまた違っていましたね。
本郷「真司の場合は、家族と食事をしたり、りなとホテルの朝食を優雅に食べるぐらいでしたね。それでもシリーズの中では、食事のシーンって凄く印象的だと思うんです。“食”というのは凄く分かりやすい“欲”だから、すごく印象的に描かれていると思います」
―本作では、いかにリスクを背負いながらチャンスを掴んでいくのかが、ひとつのテーマとして描かれていると思います。お二人は目の前のチャンスを掴むにあたって、意識していることだったり、リスクを顧みずにチャレンジすることを意識したことはありますか?
白石「乃木坂46での活動だと、いい意味でみんなが競い合っている仲間なんですけど、大人数いる中ではできることを積極的にやっていかないと、どんどん落ちていってしまうと思っています。そこまでグイグイと前に出て行けるタイプではないんですけど、心の中では積極的にやってやろう!という気持ちを持つようにしていますね」
本郷「リスクを取らないと大きなリターンを得られないというのは、世の中の物事すべてに言えることだと思います。そういう意味でも本作で描かれていることは、わりと本質的なテーマになっている。この業界にもそういうことが沢山あるはずで、例えば自分が悪くなかったとしても、つまらないことで一生を棒に振ってしまいかねない非常にリスキーな世界だと思います。なので、仕事に影響するようなプライベートのどうでもいいことなんかは世に出ないように気を付けていますね」
―また、夢を叶えようとする物語でもあると思います。お二人にとって、実現したい夢などございますか?
本郷「僕はあまり壮大なことを思い描いていたりはしないですね。お仕事をいただける内が華だと思うので、いただけたお仕事をなるべくコツコツとやって、なるべく長く今のお仕事をできたらと思っています」
白石「私はまだ明確に“これをやりたい!”ということが決まっていなくて…。歌を歌ったり、ファッション誌に出たり、お芝居をやらせていただけているだけで、色々なことを経験させていただけています。そういったことが今の自分に繋がってきているし、これからの自分にも繋がっていくことだと思っているので、今は目の前にあることを精一杯にやって、その中でこれからやりたいことを見つけていけたらなと思います」

―実際に参加されてみて、「闇金ウシジマくん」シリーズの魅力ってどういうところにあると思いましたか?
白石「やっぱり、キャラクターの濃さが魅力的ですよね。『闇金ウシジマくん』らしい豪華な出演者の皆さんが、それぞれ個性豊かなキャラクターで登場しているのが印象的です」
本郷「本当にそうですよね。個性豊かなキャラクターが沢山出てきて、いくつかの軸で話が進んでいく展開こそが『闇金ウシジマくん』。感情移入したキャラクターによって、観終わった後に気分が悪くなったり、すごく清々しい気分になったり…、観観た人の境遇によって感想が変わってくるというところがシリーズ最大の魅力かなと思っています」
―本作だと、りなは冒頭で筧美和子さん演じる人気キャバ嬢の花蓮と一緒に登場しますが、その後はそれぞれ別の軸のお話で展開していきますよね。
本郷「本当は他にも色々撮りましたよね? りなが『あなたはキラキラした世界でいいよね』と言っちゃうシーンとか!」
白石「撮りました!(笑)」
本郷「りなの元カレが登場するシーンもありましたよね?(笑)」
白石「ありましたありました! 駐車場のシーンですよね! めっちゃ頑張ったのに…(笑)」
―そんな未公開映像があるんですか!?
本郷「全て繋いだ元々の作品が3時間になったらしいんですよ。それを2時間にするとなった時に、必然的に削らないといけないところが物理的に出てきて…。あのシーン、すげぇ頑張りましたよね? ワンカットの長回しのシーンがいくつかあって、みんなセリフも多くて、ミスしないようにと気合を入れてやったのに、完成したものを観てみると丸々無いんだ…って(笑)。だけど、そのおかげでスピード感のある映画になったんだと思います」
―貴重な未公開シーンの話までありがとうございます。それでは最後に、読者の方にメッセージをお願いします。
本郷「今まで『闇金ウシジマくん』シリーズを好きだった方が楽しめることはもちろん、物語は独立してできているので、今までシリーズの作品を観たことがない人でも楽しんでいただける作品だと思います。少しでも興味を持ってもらえてら、ぜひ劇場で観ていただけたら嬉しいです!」
白石「男性でも女性でも、誰が観ても面白くて楽しめる作品になっています。特に、私と同世代の女性の方には、観ていただいて何かを感じてもらえたら嬉しいですね。沢山の方に楽しんでいただけたらと思います!」
【関西ウォーカー編集部/大西健斗】
大西健斗
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