UUUM代表が語る「日本のYouTuber」の今と未来
東京ウォーカー(全国版)
皆さんは、YouTuber(ユーチューバー)に一斉に会えるイベント「U-FES.」をご存じだろうか? 昨年(2015年)、東京・豊洲で開催され、2000人を超えるファンが集結。今年は全国6都市に開催規模を拡大し、8月の大阪会場では3500人のファンが盛り上がりを見せた。「U-FES.」の今後の展開について、日本のユーチューバーの現状について、トップユーチューバーを数多く抱えるUUUMの鎌田和樹・代表取締役/CEOに話を聞いた。

――まずはUUUMの取り組みについて教えてください。
「YouTube上で活躍する『ユーチューバー』と呼ばれる人たち、クリエイターさんたちのマネジメントから始まって、最近では、インフルエンサーマーケティングとして彼らへの仕事の依頼をクライアントさんからいただくケースも非常に多いので、その交渉や折衝などもそうですし、広い意味で、『動画を作る』ということに対するクリエイターのサポート、その一連のことをしています」
「僕自身、マネジメントの経験があったわけではないので、『何をやったらいいんだろうね』というところから始まりまして(笑)。とりあえず、確定申告を代わりにやってあげようとか、風邪を引いたら風邪薬を郵送してあげようとか、Wi-Fiを手配してあげようとか、僕らなりのマネジメントというか、会社を作ってからずっとそういったことをやらせていただいていています。それはやはり、クリエイターと一緒になって会社を作ったからということもありますね。あとは、クリエイターのグッズや、最近ではアプリを作ったりとか、そういうことも頻繁にやっていますが、マネジメント事務所を作りたいわけではないので、そこはしっかりとお伝えしておきたいですね」
――核はそこではない、ということですね。
「クリエイターをマネジメントするって、やっぱりひとつのビジネスモデルだと思うんですよ。それが、芸能人と呼ばれるような方々のテレビを中心とした社会ではなくて、ネットという場なので、マネージャーみたいな仕事をする人間も僕らの会社にはいますが、つきっきりかというと普段は家で動画を作っていたりするので(笑)、連絡はLINEだったり、Skypeだったり、少し特殊というか、“いまどきらしいマネジメント”を僕らはしているんじゃないかなと思います」
――そもそも事業をスタートさせたきっかけは何だったんですか?
「HIKAKIN(ヒカキン)というクリエイターがいるんですが、彼との出会いがきっかけですね。最初は、ユーチューバー、YouTubeスターがアメリカからスタートしていると聞いて、僕は最初はそれを信じられなくて……」
――最初はそうだったんですね?
「はい。彼がシンガポールでエアロスミスのスティーヴン・タイラーとの共演を終えて帰ってきたときに、僕でもスティーヴン・タイラーは知っていますし、エアロスミスは知っているわけで、『これはちょっと違うブームが来るのかもしれない』と感じたのが始まりでしたね。もともと僕も動画を見るのは好きでしたし。普通の人にはなかなかできないんじゃないかなと思いますが、クリエイターと会うために3時間くらいそのクリエイターの動画を見て、その人を理解してから会うとか、当時はずっとやっていました。そういうことが自分に合っていたんじゃないかなと思いますね」
――もともとネットの動画を見ることは多かった?
「YouTube はヒカキンに言われてから見始めましたね。それまでYouTubeって、女の子たちが『家に帰ってハムスターの動画見るのが楽しみです』とか、そういう世界だと思っていたんですけど、あらためて見てみると、個人のチャンネルを持てるとか、全然知らないYouTubeになっていて。クリエイターに会って、言われてから見続けたのがスタートですね」
――日本のYouTuber、動画クリエイターの現状についてはどう感じていますか?
「僕が語れるのは、動画クリエイターの中でもYouTubeっていうところ限定だと思いますが、広く言えば、昔は『ニコニコ動画』の生主がいて、それがYouTubeに入ってきたなと思いますし、昔のアルファブロガーだった人たちがYouTubeをビデオブログとして始めたのがスタートだったりするかなと。そして今は、HIKAKINだったり、はじめしゃちょーだったり、彼らのようなクリエイターがスターとして存在する。さらにそこから、学生で、しかもグループで、とか、一人ではなくて複数人でも食べられるようになったプラットフォームに、そういう形でYouTubeが進化を遂げているなと思います。女性という分野においても、以前は『女性はなかなか成功しにくい』と言われていたものが、今はしやすくなっているし、さらにコンテンツの分野で言えば、昔はガジェット系のレビューが流行っていて、ゲーム実況が流行っていて、そこから先がどうなっているかというと、今は“釣り”とか、コンテンツが“たこつぼ化”していて、釣りチャンネルだけでも食べていけている。少し前からYouTubeのUU(ユニークユーザー)は5000万と言われていて、UU自体は大きく変わっていないと思いますが、視聴時間みたいなものがどんどん伸び続けているので、国内最強の動画プラットフォームであることは間違いないと思います」
――YouTubeの未来についてはいかがですか?
「YouTubeの使われ方として、皆さんも『YouTubeを見にいこうぜ』ではなく、『見ていたらYouTubeだった』ということが多いと思いますし、これは使われ続けると考えています。ただ一方で、Netflix(ネットフリックス)やAmazonプライム、hulu(フールー)やAbemaTV(アベマティーヴィー)とか、定額というかサブスクリプションサービスが生まれてきている中で、みんなの中に『YouTubeはタダで見られる』という意識がありますよね。それがどう課金に変わっていくのかといった点はポイントなんじゃないかなと感じています」【ウォーカープラス編集部/浅野祐介】
浅野祐介
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