現在2派に分かれる旭山動物園のチンパンジー、さて「強いオス」ってどう決まる?

北海道ウォーカー

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旭山動物園・チンパンジー館1(2016年10月撮影)(C)旭川市旭山動物園


北海道はもうそろそろ初雪の季節。「もう雪が降るの!?」と驚く方もいるでしょうが、ホントなんです…。ただ、すぐに積もるわけではなく、これから12月半ばくらいまでは降ったり溶けたりを繰り返しながら、どんどん気温が下がっていきます。そう、すごく寒いんです(意外と雪が積もってしまったほうが温かく感じるんですよねぇ)。そんなわけで今回は、冬の寒い時期でもあったか~く観察できる、旭山動物園の館内展示「ちんぱんじー館」を紹介します。(※屋外展示施設「ちんぱんじーの森」は夏期限定の展示)

【写真を見る】旭山動物園・チンパンジー館2(2016年10月撮影)(C)旭川市旭山動物園


2016年10月現在、旭山動物園には12頭のチンパンジーがいて、6頭ずつ2つの群れに分かれて暮らしています。どうして群れが分かれているかというと、「群れの順位」に理由があります。

群れには順位が決められており、一番強いオスが群れの中心になるんです。ちなみに、この一番強いオスのことを「αオス(アルファオス)」や「第1位オス」と呼んでいます。

もともと旭山動物園にはキーボを「αオス」とする1つの群れがあったのですが、2007年にキーボの息子・シンバ(2015年死亡)と闘争があり、「αオス」の座がシンバに移ります。そして一緒の群れで暮らすことのできなくなったキーボの群れは、シンバの群れと別々に暮らすようになりました。その後、2013年にはシンバと、シンバの弟・ピースケとの2頭で闘争があり、「αオス」の座はピースケへ。現在、キーボを「αオス」とする群れと、ピースケを「αオス」とする群れの2つが存在するというわけです。

旭山動物園・ピースケ(2016年10月撮影)(C)旭川市旭山動物園


さて、この「αオス」、どんなふうに決まるか、知っていますか?

たまーに、大きな音を出しながらガラスや壁を叩いていたり、モノを放り投げたりしている姿を見たことありません? これはオスのチンパンジーがとる「ディスプレイ」という行動で、自分の力をさまざまな方法で見せつけるものなんです。この「ディスプレイ」が上手くできるかどうかが、群れの順位を決める要素となります。

ただ、「ディスプレイ」が上手いだけでは「αオス」になれません。他のチンパンジーから認められ、信頼を得ることも重要なのだそう。人間も同じですね…。

ちんぱんじー館はガラス1枚で仕切られた施設。ちんぱんじーの行動が丸ごと観察できます(C)旭川市旭山動物園


2つの群れは別々のスペースで暮らしているので、同じ展示スペースに入ることはありません。なので、屋内展示のみとなる冬期開園中はピースケとキーボの群れ、それぞれを日替わりで展示しています。展示場には、チンパンジーの名前や特徴を一覧にした看板があるので、チェックしながら観察すると楽しいと思いますよ! ピースケは現在15歳、落ち着いてきてオスの貫禄がでてきたようです。キーボは今年でなんと48歳! チンパンジーの寿命は40~50歳なので、高齢になりますね。

旭山動物園・ちんぱんじー館の個体展示パネル(C)旭川市旭山動物園


あとひとつ。展示場で見てほしいのが「ベッド」。チンパンジーは寝るときに「ベッド」を作るんです。野生下では木の枝を上手に折り重ねベッドにしますが、ちんぱんじー館ではワラや麻袋を布団がわりにして寝ています。高いところに寝床を作っていたりもするので、ぜひチェックしてみてください!

旭山動物園・ちんぱんじー館に置かれた麻袋ベッド(2016年撮影)(C)旭川市旭山動物園


旭山動物園・ワラで寝るチンパンジーのようす(2016年10月撮影)(C)旭川市旭山動物園


※写真提供:旭川市旭山動物園

【北海道ウォーカー/出村聖子】

出村聖子

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