ショコラティエ・小山氏からインスパイアされたアート

ヴェネチアン・ガラス作家・土田康彦氏の個展『嚆矢祭―其之九十八― 土田康彦 ヴェネツィアン・ガラス展』が、京都・祇園にあるギャラリー「大雅堂」で10月23日(日)まで開催されている。

同氏は、イタリアのヴェネツィア・ムラーノ島に工房を構える唯一の日本人。ガラス作品はこうであるという概念にとらわれない作品を次々に生み出している。

同展では、そのような斬新なガラス作品が約60点展示されており、その中には、ショコラティエ・小山進氏が描いた絵にインスパイアされた作品2点も出展されている。

昨年、小山氏がヴェネツィアの土田氏のアトリエを訪れた際に、カカオの産地であるペルーとベトナムを思い、新たなチョコレートの味を立体的にイメージして2枚の絵を描写。そしてその絵を元に土田氏がヴェネチアン・ガラス作品「恋から生まれるもの」「複雑な夢」を完成させたというもの。独創的な菓子作りで、天才ショコラティエと呼ばれて久しい小山氏、アーティスト・土田氏両氏の芸術センスが共鳴し、生み出された作品は、いったいどのように完成したのだろう。小山氏の原画も、ガラス作品とともに対になって展示されているので、ぜひ直接自分の目で確かめてみてほしい。なお、同作品は日本で初公開となる。

開館時間は10時～18時。会期中は無休となっている。【関西ウォーカー編集部/小笠智子】

小笠智子