【影山貴彦のTVコラム・がんばれ関西ローカル！】　　　色々と欲を出さずに ユルさは守り通してほしい

「松本家の休日」（ABC）が、放送開始から2年経ってお引っ越しした。近年、テレビはリアルタイムで見るだけでなく、タイムシフト視聴と呼ばれる、録画再生などにより番組を見る視聴者の数も増えてきてはいる。とはいえ放送曜日や時間が変わることは、視聴者に少なからず影響を与えるものだ。今回、毎週木曜日の深夜1時半過ぎからの放送が、土曜日の深夜12時45分からの放送になったことで、喜んでいる視聴者が多いに違いない。

ダウンタウンの松ちゃんがお母ちゃん、お父ちゃんに雨上がり決死隊の宮迫、兄にたむらけんじ、妹にさだ（構成作家）がそれぞれなりきり、1万円を持って「家族」で大阪周辺をユルく遊び回る番組である。このコンセプトでどこまで続けるのだろう？と当初思っていたが、しっかりと定着してきた。今後リニューアル部分があるにせよ、ユルさは守り通してほしい。人気が増してくると、ギョーカイの大人たちは、すぐに色々と欲を出しがちだが、基本このままがいいのだ。週末の夜、リビングでお酒でも飲みながらまったりと「エエなあ～」と楽しめる番組として視聴者に長く愛されてほしいと願う。

最近の松ちゃん、ほどよい柔らかさが増した。9日放送の「ワイドナショー」（カンテレ系）では、彼がベッキーに見せた思いやりが視聴者に響いた。芸人、笑いっていいよなあと改めて思う。

同志社女子大学 学芸学部情報メディア学科教授。元毎日放送プロデューサー（「MBSヤングタウン」など）。早稲田大学政経学部卒、関西学院大学大学院文学修士。上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「影山教授の教え子が泣きにくる。～涙が笑顔にかわる京都の女子大研究室」など