圧倒的な生命力に感動!「太陽の塔」内部再生前に公開
関西ウォーカー
10月29日、大阪府吹田市の万博記念公園内にある太陽の塔の内部が、抽選で選ばれた一般の人に公開された。
太陽の塔は1970年に開催された日本万国博覧会(以下大阪万博)のテーマ館のシンボルとして建造された。岡本太郎がデザインした太陽の塔が、丹下健三設計のお祭り広場の大屋根から顔をのぞかせる様は、大阪万博を象徴する風景だった。内部には生命の進歩を表現する「生命の樹」が展示され、大勢の人が観覧した。本来であれば、大阪万博修了後に撤去される予定だったが、保存運動が起こり残されることとなった。
その姿は現在も万博記念公園で見られるが、46年の時が経過し、内部は老朽化が進んでいる。そこで今後未来に太陽の塔を伝え、その価値を高めるため「太陽の塔内部再生」事業が行われることとなった。2018年の再公開に向けて、耐震補修や内部展示の生命の樹の再生などが行われる。
今回の内覧会はこの事業始動イベントとして開催されたもの。内覧に先立ち、万博記念公園自然文化園・太陽の広場で着工および寄付金募集開始に向けたイベントも行われた。イベントでは新井純大阪府副知事のあいさつの後、太陽の塔内部再生事業広報担当アンバサダーに就任した河内家菊水丸があいさつ。菊水丸はこの事業のためにつくったという河内音頭を数節披露し、「万博当時7歳だった。当時、お祭り広場で様々な地方の民謡が披露されたが、大阪の民謡である河内音頭は演じられなかった。そのころすでに河内音頭の少年音頭取りとして活動していた自分としては、とても悔しい思いをしたが、今太陽の塔の前で河内音頭を披露できるのは夢のよう」と感慨深げだった。
セレモニー後には内覧会を実施。関係者向けの内覧会では、この日のために東京から駆けつけた岡本太郎記念館の平野暁臣館長が「太陽の塔は有名だが、大きな彫刻だと思われていて、内部に展示があったことを知らない人が多い。(内部展示の)生命の樹は、古代の生物から人類までの進化を表現し、人間が樹の頂上にいるが、これは人間が頂点に立っているというのではなく、生命が同じ根に連なる、同じ根源から生まれたことを表現する。この太郎の問いかけは、万博当時は受け入れられなかったが、今こそこの問いを見つめなおすとき」と熱く語った。
その後、抽選で選ばれた一般の内覧が実施された。今回の内覧は非常に人気が高く、定員500人の所、全国から80000人の応募があり、急きょ定員を800人増やして30日にも内覧会を実施した。内部に残る生命の樹は当時の姿を残すが、幹や枝に置かれていた動物たちの大半は撤去され、現在は30体程度が残るだけとなっている。床のタイルなども朽ちて46年の時の流れを感じさせるが生命の樹のエネルギーは今も圧倒的。参加者は記念撮影をしたり、語り合いながら、感動を分かち合っていた。
なお、ふるさと納税制度を活用し、太陽の塔内部再生のための寄付金も募集している。金額に応じてポストカードとホルダーや、記念メダル、岡本太郎のサインがあしらわれたカップ&ソーサー、絵皿、版画などの記念品が贈られる。詳細は公式サイトで。
【取材・文=関西ウォーカー編集部 鳴川和代】
鳴川和代
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