チームラボの技術を結集したデジタル展覧会

名古屋市科学館では、11月12日より、特別展「チームラボ★アイランド 踊る！アート展と、学ぶ！未来の遊園地」を開催している。デジタル領域を中心に独創的な事業を展開するウルトラテクノロジスト集団、チームラボ。彼らは世界でも高い評価を得ているデジタルアート作品などを手掛ける一方で、「チームラボ★アイランド 学ぶ！未来の遊園地」など先進的ながら子供でも楽しめるアート展を全国各地で開催し、人気を博している。そんなチームラボの技術を結集した今回の特別展では、デジタルアートの最先端を走るチームラボの全貌とその魅力を体験できる。

真っ暗なエントランスから入場して少し目が慣れてくると、大きな暗い空間の壁面に映し出されたカラフルな花々のデジタルグラフィックが目に飛び込んでくる。「花と人、コントロールできないけれども、共に生きる / Flowers and People, Cannot be Controlled but Live Together – A Whole Year per Hour」と名付けられたこの作品は、コンピュータープログラムによってリアルタイムで描かれ続けているもので、あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。1時間を通して、さまざまな花が咲いては散り…と鮮やかに変化していく様子を見ることができる。

続いて現れるのは、「百年海図巻 アニメーションのジオラマ」という作品。次世紀まで上映し続け、なんと上映時間が100年もある「百年海図巻」という映像作品を、体感可能な時間にまで縮めた作品。床に置かれたクッションに身を委ねて、じっくりと楽しむことができる。

さらに進むと、子供たちが楽しめるデジタルアートが集結した大空間にたどりつく。緑の台に置かれた積み木の色や場所に応じて街が発展していく様子を楽しめる「つながる！積み木列車」や、丸いテーブルの上を走り回る小人と触れ合える「小人が住まうテーブル」など、映像の細やかな表現で楽しむアート作品のほか、壁面に映し出された象形文字に触れるとその文字が持っている世界が表れて物語が始まる「まだ かみさまが いたるところにいたころの ものがたり」や、水に浮かんでいるように投影される飛び石でコースを作って実際に体験する「つくる！僕の天才ケンケンパ」といった、実際に体を動かして楽しむものも用意されている。なかでも特に人気なのは、紙に書いた車やビル、UFO、宇宙船などが、映像の中に立体として出現して街を作る「お絵かきタウン」。これらで描いた絵を基に、世界で一つだけのペーパークラフトが出来上がる「お絵かきタウンペーパークラフト」も一緒に楽しみたい。ちなみに「お絵かきタウン」は、11/26(土)から12/25(日)までの間、期間限定で「お絵かきクリスマス」へと変更されるので、こちらもぜひ体験してみてほしい。

もっとも注目したいのが、展示コースの最後に設置された作品。天井や床をはじめ、鏡張りの部屋に無数のLEDが吊り下げられているこの「クリスタルユニバース」は、自身のスマートフォンでQRコードを読み込むことで、アート作品を構成するエレメントを選択・出現させられる。幻想的な空間を一層煌びやかに演出する、ダイナミックで美しいアート作品だ。

会場内の撮影は自由(フラッシュや三脚の使用は不可)なので、写真や映像に収めて楽しめるのも同展のポイント。InstagramなどSNS映えしそうな作品もそろっているので、ぜひ足を運んでみよう。【東海ウォーカー/吉橋和宏】

吉橋和宏