【高畑充希・門脇麦に聞く】楳図かずお作品でW主演!
関西ウォーカー
ホラー漫画の巨匠・楳図かずおが1980年代に描いた長編SF漫画「わたしは真悟」をミュージカル化、NHK連続ドラマ小説「とと姉ちゃん」の長丁場を終えた高畑充希と、ミュージカル初挑戦となる門脇 麦がW主演する。
物語の主人公は、純粋に愛し合う小学生の真鈴(まりん)と悟。2人の愛が大人によって引き裂かれようとした時、彼らの遊び相手だった産業用アームロボットに自我が芽生える。自らを真悟と名乗り、真鈴と悟を危機から救うため人知を超えた進化を始める…。
演出・振付は、1992年アルベールビル冬季五輪の開閉会式の演出で知られ、シルク・ドゥ・ソレイユの演出も手掛ける、フィリップ・ドゥクフレ。楳図とドゥクフレという天才的クリエイター2人と、日本の若き才能がタッグを組んだスタッフ陣。キャストも高畑・門脇をはじめ、真悟を演じる成河(ソンハ)、小関裕太、大原櫻子ら、個性的でフレッシュなメンバーがそろった。
稽古中に高畑と門脇が来阪、クリスマスに上演するユニークなミュージカルへの意気込みを語った。
【記者会見】
Q:出演が決まった時の気持ちは?
高畑「久しぶりの舞台なので、なにかおもしろいことに挑戦したいなと考えているなかで、このお話をいただきました。まったく完成が想像できなくて。そういう作品っていいなと、私のなかのセンサーが働いたので。チャレンジできてうれしいです」
Q:ミュージカル初出演ですね。
門脇「ずっとやりたかったので、楽しみにしていました。うれしいです、ほんとに。ずっとワクワクしてます」
Q:原作の漫画を読んだ感想は?
高畑「私、普段はグルメ漫画しか読まないので、なんだ、これ?と思いました。漫画に心をわしづかみにされて、ちょっと胸がざわつくようなのも珍しい感覚で。映像より絶対舞台に向いてる作品だなと思いました
門脇「カオス。スケールも壮大だし、最後、話は宇宙規模にまでいきますし。あと、30年前ぐらいに書かれているんですけど、まったくもって新しくて。昔に書かれた感じが一切しないのは、すごいなと。楳図さん、今の時代が来ることをわかって書いてたのかなっていうぐらいに」
Q:ドゥクフレさんはどんな振付を?
高畑「皆さんの予想外の演出だと思います。ロボットを身体で表現する成河さんもいらっしゃいますし、共同作業で真悟を作り上げています。ちょっとサーカス的な雰囲気のなかに、私たちがお芝居や歌でどうやって溶け込めるかな、という感じで。ご本人はとてもチャーミングな方で、みんなでアイデア出し合って創りましょうって」
門脇「ダンサーの皆さんの身体能力が高くて、あまり難しいことをやってるようには見えないけど、結構やってます。人が死ぬ場面もありますが、その死に方がアクロバティックで。それはすごいですね、観てても」
Q:ダンスは?
高畑「そこは麦ちゃんで。麦ちゃんはバレエをやっていたので」
門脇「踊りたいですって、すごく言って。でも、なかなか踊らせてもらえないです(笑)」
Q:少年と少女をどう演じたい?
高畑「正直まだ、悩みながら作っています…。子供と大人のギリギリを走ってる役なので、いかにギリギリをいくかを、今考えながらやっています」
門脇「子供って予測不可能ですし、なに考えてやってるのかわからないようなところにまでいけたらいいなと思って、今、私も探り中です」
Q:2人の子供時代は?
高畑「私の小さいころは、マイワールドに引きこもる感じで、ミュージカルオタクでした。あと、1人で空想したり妄想して…何かに没頭してる時間が好きでした。1人ミュージカルとか、やってました。もっぱら「レ・ミゼラブル」で、全部の歌を覚えて全員の声マネして母親の前でやってましたね」
門脇「私は、ドロケイとドッジボールしか興味がなかった。あと虫取り。虫とかカタツムリとか、いっぱい育ててました」
高畑「悟っぽい(笑)」
門脇「あと、ラムネの縦長の円柱形の箱にダンゴ虫いっぱい詰めたりしてるような子供で。バレエもやってましたし。年下の従弟7、8人ぐらい集めて、セリフを全部書いてスパルタで演出して、親戚のおじちゃんやおばあちゃんの前でお披露目したり」
高畑「演出サイドだったんだ。すごい!」
門脇「でも、自分も主役をやって」
高畑「けっこう振り回したり(笑)」
門脇:そうそうそう(笑)」
Q:公演はクリスマスのド真ん中ですが。
門脇「サイコー!」
高畑「サイコーです。すごく楽しみ。私は、誕生日もクリスマスも地方公演で、事務所の陰謀だと思ってます(笑)。でも、公演中にクリスマスを過ごせるのは初めてで。しかも、京都が大好きなので。多分、カンパニーでクリスマスパーティを盛大にやると思います」
門脇「わ、楽しそう」
高畑「きっと一生忘れないクリスマスになると思う」
Q:お客様へのメッセージを。
高畑「いろんなジャンルの一線の方が集まって今、稽古しています。原作も素晴らしいし。演出のドゥクフレさんやダンサーさんたちも、ほんとに身体のきく方ばかりで。だから、私は稽古を見てるだけで、すごくおもしろい。そして変な作品だな、とも思います。お客さんたちには観たことないものを体感してほしいので、皆さんが想像できない世界を、ロームシアターのなかで、思いきり創り出せれば。いいクリスマスイブをお約束しますので、ぜひ遊びに来てほしいです」
門脇「ミュージカルを見慣れてない方とかも、ショーを観に来るような、イベントに遊びに行くような感覚で、男女問わず、年齢問わず、幅広く純粋に楽しめる作品だと思うので、観に来ていただけたらと、思います」
【個別取材】
Q:お互いの役の印象は?
門脇「原作の真鈴と印象が変わらない感じ」
高畑「でも私たち、同じシーンがほとんどなくて」
門脇「離れ離れにさせられるところから始まって、唯一一緒にいるのが回想シーンのワンシーンだけ。だから、稽古場ですれ違いなんですよね」
高畑「通し稽古をやると、悟をずっと見てられる。女の子がやる意味というか、少年より少年らしい部分だったり。麦ちゃん、私は原作の悟よりも好きだなって感じです。ワンシーンだけ一緒ですけど、そこが一番難しいシーンなので、一緒に悩みながら」
門脇「演る側は難しいけど、観る側は楽しいシーンだと思いますよ」
Q:演出家からのアドバイスは?自由?
高畑」とても自由、です。言葉がわからない分、感覚で見てくれていて。でもちゃんと、フィリップの中での良い、悪い、は明確にあって。私は日本語がわかるからこそ余計なことをいろいろ考えてしまいがちなので、その感覚を信じるようにしています」
門脇「そうですね。ただやっぱり振付家なので、身体的なことに関しては芝居の演出家の方より鋭い。特に私、少年の役なので、どう動いたら少年ぽく見えるか、これから一緒に探っていこうという段階で」
Q:歌は何曲歌いますか?
門脇「私は4曲。ソロで2曲、一緒に2曲」
高畑「ソロ3曲、一緒に2曲ぐらい」
Q:一番楽しみにしていることは?
高畑「う~ん、どう完成するのか。他人事みたいに楽しみです」
門脇「作品の中のパーツ感は強いですね。音楽、照明、映像も、すべてが彼にとって芝居と同じぐらいに比重価値が高くて、すべてが芸術という感じがすごくするので。もしかしたら『シルク・ドゥ・ソレイユ』を作る感覚と同じなんじゃないかなと思うぐらいに。私たちが想像しえない部分を見てらっしゃる感じがするので、作品が彼の手によってどう色付けられるのか、全体像を早く見てみたいし、とても楽しみです」
高畑「自分以外がどう作られていくのか。で、自分は自分の部分をとにかく頑張る。それぞれが作ったものがハマった時に、どう化学反応が起きるのかなって。だからか、今回プレッシャーがあまりないんです」
門脇「私、主役な感じがまったくしない」
高畑「私もまったくない」
Q:やったことがないことをやっている感じ?
高畑「自分の役に徹します。今回いろんな地方も回りますが、楽しもうって気持ちだけ持って来ていただければ。特に関西は、率直に観てくださる方が多い印象なので楽しみ! 私たち演者も、お客さんに感化されて出てくるものもあります。わかったふりしなくていい作品だと思います。多分みんな分からないので、なにか心が動けば十分です」
門脇「ほんとに遊びに来る感覚で。いろいろ感じるものがあると思うので、気楽に」
Q:クリスマスデートに?
門脇「それ、とってもいいと思う
高畑「そうね、ラブストーリーだし」
門脇「多分、すべての人が愛おしく思える作品だと思うので」
高畑「観たあと、付き合っちゃうかもしれないですね」
門脇「付き合います、付き合います!(笑)」
2人「絶対来た方がいいですよ(笑)」
Q:クリスマスパーティへ行くより、ここへ?
高畑「なんか、かっこよくないですか? 『クリスマスデート、ミュージカル行かない?』って」
門脇「『しかも楳図かずおのだぜ』って。で、『演出家はフランス人らしいよ』みたいな」
高畑「『やだ~、なんかオシャレ~!」って感じで来てくれたら(笑)」
門脇「ほんとにクリスマスのイベントみたいな感覚で来ていただけたら一番うれしい」
高畑「うん。絶対いいと思います」
Q:関西に来た時、必ず行く場所やすることは?
高畑「実家はベースですが、私は梅田のとなりの中崎町に行きます。古着が好きで、中崎町は古着屋の宝庫なので」
門脇「へぇ、そうなんだ」
高畑「すっごい細道とかに入ると古着屋がいっぱいあって。マンションの2階の1室が古着屋とか」
門脇「あぁ、いいね」
高畑「そういうとこにいます」
門脇「私は大阪には仕事でしか来たことがなくて…」
Q:時間があれば行きたいところは?
門脇「京都に来た時に川床でご飯食べたのがすごく楽しかったので、また行きたいですね。大阪は遊んだことないんですよ。今日、これから鶴橋に焼肉食べに行くのが、楽しみで楽しみでしょうがないんです(笑)」
高畑「今もう、取材どころじゃなくて、お肉なんです(笑)」
門脇「ほんとに、いつかは遊びに行きたいです。私まだグリコ(の看板)とか見たことないし、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンも行ったことないんですよね~。
高畑「長期公演で、間に休演日とかあればいいのにね(笑)」
高橋晴代
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