ラーメン達人が語る「新時代を切り開く味とは?」(1)
東京ウォーカー
本誌でおなじみのラーメン達人が、今年の東京ラーメン界を総括! 日本初の専門店「来々軒」が浅草に誕生してから、来年で100年。その記念すべき年に、新時代を切り開いた一杯とは?
フードジャーナリストのはんつ遠藤さん、ラーメンデータバンクに勤務する矢守達志さん、明星食品の跡部泰正さん、東京ウォーカー読者代表のラーメン通・常盤有未さん4人の談義を3回に分けてお送りします。第1回は東京ウォーカーで実施した「新店ラーメンランキング」(関連リンク参照)の結果を踏まえ、今年の傾向を探ってもらいます。
―――今年も東京ウォーカーの「ラーメン特集」の季節が来ました。評論家の皆さんとブロガーの方々にアンケート協力をお願いし、09年の本当にうまい「新店ランキング」が決定しました!
はんつ:「らあめん元〜HAJIME〜」(蓮根)、「煮干鰮らーめん 圓」(八王子)、「西尾中華そば」(駒込)。上位はどこも無化調(化学調味料不使用)ですね。ボクは去年、『無化調らーめんMAP』という本を出したんですが、ちょっと早かったかな。今年出していれば、もっと売れたかも(苦笑)。
矢守:「らあめん元〜HAJIME〜」は、あっさり系では断トツ1位。素材を惜しげもなく使う店主の心意気もニクい。
跡部:上位はどこも“淡麗系”とでもいうべきか、あっさり系というのが興味深いですね。
―――昨年までは濃厚つけ麺がブームでしたが、新時代に突入したということでしょうか?
矢守:ランキングは(ラーメンに精通している)ブロガーさんによるものだから、最先端を表す結果になったわけで、一般の消費者とはズレがある。現に「東京ラーメンストリート」の「六厘舎TOKYO」(丸の内)が大行列しているように、濃厚つけ麺の人気は根強いです。一方で、濃厚系主流の状況にうんざりした作り手の中から、対極のラーメン、“淡麗系”に移行する機運が高まっているのは確かでしょう。
―――ランキング結果を見て、そのほかに気付いた点は?
はんつ:有名店のセカンドブランドや有名店出身の“次世代ルーキーズ”がやはり目に付きますね。そういう意味では、ラーメン界はブランド化が進んでいるのかもしれない。
跡部:「麺処びき屋」(学芸大学)、「らーめん つけめん なわて」(武蔵小山)など、特に「らーめん せたが屋」(駒澤大学)出身者の店の評判がいい。
矢守:「めんや 参○伍(さんまるご)」(六本木)もそうですよ。
常盤:「せたが屋」グループ出身者の独立が多いのには、何か理由があるんですかね?
はんつ:たまたまタイミングが同じだっただけで、特に理由はないのでは。ただ、店長クラスが抜けても、「せたが屋」グループは次に店長になる世代の人材が育っている。それだけスタッフの層が厚いということでしょう。
矢守:ブランド化といえば、(有名製麺所の)「三河屋製麺」の麺を使っている新店も多いですね。
跡部:大きな製麺所はサービスがきめ細かい。いろいろと相談に乗ってくれるので、店側も安心なんでしょう。それより注目なのは“新天地開拓”。「味噌屋八郎商店」(新宿)、「二代目つじ田 味噌の章」(淡路町)が味噌専門店を出したのはビッグニュースです。「なんつッ亭」(池袋ほか)、「めん徳 二代目つじ田」(淡路町ほか)の参入で、いよいよ味噌の時代が来たかな、っと。ただ、これも数年前から毎年言っていることですが(苦笑)。
―――いまや“味噌=札幌”という固定概念はなくなりましたが、では「ご当地麺」の中で今年気になったのは?
はんつ:新潟ラーメンの東京進出が活発でしたね。
矢守:そう。なかでも「濃厚中華そば・つけ麺なおじ」(目黒)と「麺匠 克味」(曙橋)は店主が同じ。“新潟のパイレーツ・オブ・カリビアン”と呼ばれる伊達男ですよ。あと、長岡市の「青島食堂」が満を持して東京に進出しました」
―――「青島食堂」は今回残念ながら、ランキング辞退&取材の許可が下りませんでした(涙)
…続きは「ラーメン達人が語る『新時代を切り開く味とは?』(2)」へ
【詳細は東京ウォーカー10/6発売号に掲載】
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