うつ病の人の「死にたい」を軽く考えるのは危険

会話でよく使われる『死にたい』は、『何もかも投げ出してどこかに行きたい』と近い意味だよな

同じように思っていても、うつ病患者は種類が違う


「筆者はこのマンガを描く数年前に重度のうつ病と診断され、その治療生活の途中で何度も『死にたい』『楽になりたい』『もう死なせてくれ』と周りに訴え続け最後は自死を実行しました。筆者は運良く助かりましたが、同じように周りに訴え同じように自死を選び、助からなかった人は大勢いるでしょう」

「うつ病だけがつらいわけではないのですから、あなたや健康な人が何かで『死にたい』とまで思ったとしたら、そのつらさを軽く見るつもりは全くありませんし、うつ病の人の『死にたい』より下だとも思いません。ですが、恐らくあなたの『死にたい』とうつ病の『死にたい』は種類が違います」

「思い返してみて欲しいのですが、あなたが今までに思った『死にたい』は『今抱えている仕事や勉強や家庭など、全ての問題を投げ出して誰も自分を知らない場所に遊びに行ってゆっくりしたい』に置き換えることができるのではないでしょうか?」

自己否定が極限まで高まった危険な状態だということを知ってくれ


うつ病の人の「死にたい」は専門機関に頼る必要がある場合もある


「ですが、うつ病の『死にたい』は置き換えられないのだと思います。ではうつ病の場合は何に置き換えられるのか、と聞かれたら個人差があるので『コレ!』という1つを正解かのように挙げることはできません。筆者の場合は『クソみたいな人生だから早く終わりにして人生ガチャを引き直したい』『こんな状態が続くなら生きていたくない』でした」

「他の人に聞いてみたところ『自分は迷惑をかけるだけの存在だからみんなのためにも早く消えたい』『自分なんか存在しなかったことにしたい』『消えてなくなりたい』『早く死ななくてはいけない』『この苦しみから解放される1番楽な手段だから死を選びたい』『希望なんかないから今のうちに終わりにしたい』……などの答えが返ってきました」

「あなたの『死にたい』とうつ病の人の『死にたい』は言葉こそ同じでも、多分中身は違います。中身が違うのですから、あなたが自分を基準に考えてかけた言葉がむしろ相手を追い詰めてしまうということも起きるでしょう」

「どうか軽く考えたりせず、『自分で死にたいって言っている人は死なない』などと決めつけず、警戒し、あなた1人でどうにかしようとせず、精神病院への入院など専門機関に頼ることも視野に入れておいてください。大切な人を失わないために」

次回「うつ病で性欲がなくなって困ること」では、「性欲」がなくなったうつ病患者がどのように悩んでいるのかを紹介する。
「うつ病で恋愛なんて考えられない」(22)を読む
「うつ病治療にはとにかくお金がかかる」(20)を読む

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