Twitterの絵日記が書籍化、そして連載漫画家に。ハンバーガーさんに聞くネット発の“まんが道”
忙しすぎて血尿が……。プロデビュー後の生活の変化は?

――そういう思いがあるなか、オリジナル作品のオファーがあり、さらには新創刊の『青騎士』で2本目の連載をスタートしましたね。
「青騎士での連載は『新しく雑誌を作るので』と声をかけられて。その時は巻末漫画という話で、雑誌の巻末漫画って好きだし、ほかのラインナップと雰囲気が違っても面白いんだろうなってぐらいの軽い気持ちで受けたんです。いざ載ったら掲載順が前で『話が違うなあ!?』ってなりました」
――そうしてはじまった2本の連載のほかにも、GAMEクロスでのイラストコラムや『ウマ娘』の公式アンソロジーコミックなど、今年になって仕事量が激増していると思うのですが。
「今だけだろうなーと思って、みんながちやほやしてくれているうちに仕事を請けておこうかなって(笑)。今が一番のがんばり時というか。青騎士の連載は4ページですし、連載2本って響きほどは負担じゃないですし。絵日記も並行して描いているので、あまりさぼってると焦ることになるんですが……」
――連載をはじめて生活面での変化はありますか?
「ゲームやる暇がないです。ゲーム結構好きで、GAMEクロスでも遊んだゲームをもとにコラム(ゲーミングハンバーガーちゃん日記)を描いてるんですけど、忙しすぎてゲームがやれない、やれないからコラムが描けない。あと、血尿を出しました。生活リズムが終わりすぎて……。商業で仕事をする場合、当たり前ですが原稿を落とすと雑誌と出版社にかかる迷惑が大きいので、そのプレッシャーから締め切りを守るために無理をしてしまったというのはあります」
「まだ実力不足」歩み出したばかりのまんが道

――プロになったという自覚を感じることはありますか。
「自覚っていう点で言うと、『漫画家になった!』って実感がそこまで強くないというか、まるで他人事のように感じてる部分があります。もしかしたら“ハンバーガーちゃん”をやっているせいで、人格がおかしくなってるんじゃないかと(笑)。ただ自分が描いている雑誌には森薫さんや入江亜季さんをはじめすごい作家さんがいるので、この人たちと同じ雑誌に載ったんだって感動はありました」
――気づいたらプロになっていた、という感じなのでしょうか。
「切実にプロになりたい方がたくさんいる中でそういうたまたま上手く行った、みたいなのは人によっては感じが悪いですがそうなりますね、自分は趣味ですがTwitterで絵を公開し続けたことで編集の方や出版社の方の目に留まって漫画家になれた、という感じです。作品を公開することでそういうメリットもあればたくさんの人の目に触れることでのデメリットもあるのでこのやり方オススメとも言いづらいですが…….。ただ今の自分はネットでチヤホヤされて仕事をもらえてる状態なので。まだ実力不足の部分が多いからこうして仕事をもらってるうちに実力をつけてしっかり楽しんでもらえるものを書けるようになりたいなと思っています」
――ということは、ここからはプロの漫画家の道をまい進すると。
「そうですね。もう就職しようと思っても難しいと思うので(笑)。このまま漫画でがんばっていけるようにしたいなと思います。ただ意地というか、漫画で仕事をもらえるようになったから描かなくなったんだって言われたら悔しいので、絵日記も続けていこうかなと思ってます」
――最後に、読者のメッセージをいただければと思います。
「『ハンバーガーちゃん絵日記』は描き下ろしのほかにも結構手直しした部分があるので、Twitterで読んでいる人には違いを楽しんでもらえたらうれしいです。ハンバーガーちゃんを知らない人は、Twitterの方で絵日記を描いてるので興味があったら見てください!」
取材協力:ハンバーガー(@HundredBurger)