【漫画】本気で愛してくれた人は0人だったのか⁉マッチングアプリの恋愛事情を描く漫画家が見たものとは?

自分の価値を問わずにはいられない「体目的」の存在

——アプリを使い続けて、松本さんは実際にどのようなことを学びましたか?

「やはり、『本気の恋愛以外の目的で利用されがち』と噂されるアプリを使うと、恋愛以外の目的がある人とたくさん出会います。そして私もその世界に埋もれていきました。それからは、『人によってこんなにセックスの仕方が違うんだ』『体の相性って本当にあるんだ』など、主にセックスのことでいろんな発見がありました。それまでは経験人数も少なかったので。あとは、自分の住んでるエリアにはイケメンがいっぱいいるんだってことが衝撃で…。家と駅前のスーパーの往復しかしない生活を続けていたら、このパラダイスを知らないで終わってたのかと思うと感慨深いですね。

それと、出会い放題で浮かれてましたけど、このアプリ利用者の男女比は圧倒的に女性が少ないですから、これをモテだと勘違いしないように、定期的に自分を律しなければならなかったです」

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——アプリ上では女性はちやほやされやすいですし、モテていると錯覚してしまいますよね…。漫画の中では、松本さんがアプリを始めたばかりの頃、出会った男性が体目的だったことに傷ついたりもされていましたね。

「初期に会った男の子は、5回くらいデートをしてプラトニックな関係が続きました。けれど6回目くらいのデートで実はそれ目的だったことが分かってしまい、まだ男性との恋愛への憧れを持っていた私は勝手に失望してしまいました。『そういうことをしないと、自分には価値がないのか』と自分に自信がなくなってしまったんです」

——そうだったのですね。自己嫌悪に陥ってしまったと。

「ですがファッションモデルや俳優など、『普段出会えない人と会うことができる』ことに気づいてからは、愛だの恋だの真剣に悩まずにこの特殊な状況を楽しもうと、気持ちを切り替えました。発売中の続編『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみたヤバい結果日記』に売れっ子ファッションモデルが出てくるのですが、仕事への意欲や自分への考え方、そしてアプリで出会った女の子との遊び方まで、全てが“崇める”対象でした。他の男性とは違い、学びがありそうだと感じて『先生』ってあだ名をつけて呼んでいました。アプリでしか叶わない出会いと刺激を求めていたのかもしれません」

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——「先生」の存在って本当に偉大だったのですね。

「アプリに慣れれば慣れるほど、恋愛からかけ離れた関係になっていきましたね。最初はプラトニックな恋愛への憧れもあったのですが、感情で結びついてしまうと結局は傷ついてし まうんじゃないかって。そもそも愛される自信がなかったので、『先生』のような珍しい人 のおもちゃになってみたりして、“そういう生物”の研究に集中したほうが私のメンタルは壊れないな、と思うようになりました」

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少し使い方を変えるだけで天国にも地獄にもなる

——自分とは釣り合わないかも?と思うようなイケメンと出会える。そんな事実を伝えてくれた『38歳バツイチ〜』は、世の中の女性に希望とロマンを与えたのではないかと思いますが…。

「そのようなポジティブな意見を持っていただく方と、『この人(松本さん)は愛のない出会いばかりで痛い』という感想を持たれる方と、両極端でしたね。アプリで超絶イケメンと出会う前までは、『超絶イケメンは超絶美女しか相手にしない』と思っていたんですけど、『男性は“遊び相手”なら女性に完璧な容姿や若さを求めないんだな』という発見がありました。私は当時、引きこもりのイラストレーターで38歳、先生は22歳で海外のファッションショーのランウェイを歩いているような人。一生無縁のはずでした」

——「本気で松本さんと恋愛したい」と言う男性はいなかったんですか?

「本気度がどのくらいなのかは分かりませんが、『好き』とか、『付き合いたい』と言ってくれる人はたまにいました。でも、言ってる言葉に重みを感じなかったです。リップサービスやその場のノリのようなものだったと解釈しています。ただ、漫画を読んだ知人男性たちからは『俺もあのアプリ使ってるけど、そこまで体だけの関係ばかり求めてないよ?誰にも恋愛感情を持たれないっていう描き方はずいぶんとドライだね』という感想をいただいております(笑)。なので、本当はどうだったのかは不明ですね」

——漫画を描き終えてみて、心境の変化などはありましたか?

「『人生はなんでもネタになるな!』ということですね。なんでも作品に落とし込めば、無駄な経験なんて一切ないんだと今は感じます」

——「経験値が上がった」という落としどころになったのですね。

「このアプリの登録者は、男性のほうが多くてイケメンもいる。そこだけ取ったらパラダイスですよね。いいとこ取りするならおすすめですが、本気で恋愛をしようとするならやはりおすすめはしません。特に私と同世代でアプリを始めようとする人は注意が必要だと思います」

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続編で描かれるのは“好奇心の行方”

——続編の『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみたヤバい結果日記』が発売されましたが、前作の『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』と大きく違う点はありますか?

「前作ではアプリを始めたばかりのチアキ(主人公)が、男の子とのプラトニックな関係が築けないことに悩んだり、体目的で会いにくる男の子たちとの関係性に葛藤したりもしていました。感極まってしどろもどろで泣いたりもしていましたね。ですが続編は、吹っ切れた感じでイケメンとの出会いを楽しむチアキの姿を描いています」

——より出会いに積極的になったチアキ、すごそうですね!

「続編では、前作の最後に友人を亡くしてアプリを退会したチアキでしたが、寂しさのあまり再インストールするところから始まります。ここからチアキはイケメンと出会うことに貪欲になっていくんです。そして先ほど話していた、チアキの“崇める”対象になった『先生』との出会いもあります。徐々にいろんなイケメンと出会うこと、そしてそれぞれがどんな人かを知っていくことが楽しくなったチアキの姿を、ぜひ見守ってください!」

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ごはんに行く人、おでかけをする人、体の関係を持つ人、崇める人…さまざまな存在をマッチングアプリで作ってきた松本さん。インタビュー中、松本さんはアプリについて「したほうがいい」とも「しないほうがいい」とも明言しなかったことが印象的だった。

使い方によっては天国にも地獄にもなるマッチングアプリ。でもそれは、自分の心持ち次第であるということを松本さんは教えてくれた。目的や強い意志を持ち、マナーやルールを守って使えば、自分にとって居心地のいい場所となるかもしれない。

また、記事後編では漫画本編を紹介しつつ、恋愛における「沼」についてや、マッチングアプリをやってみた末に感じたことなどを語ってもらう。

さらに松本さんと同じくマッチングアプリを楽しむインタビュアーが登場し、話題は「アプリのやめ時」に。急遽始まるガールズトークに松本さんのテンションが急上昇!?果たして、その答えとは?乞うご期待!

※記事内容はあくまで著者個人の体験談・感想です。すべてのマッチングアプリに当てはまるわけではありません。

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