【漫画】娘がいきなり「お母さんのそういうところが嫌い」!?子供心を学べるコミックエッセイが胸に刺さる!
子供の頃の経験が「フラットな子育て」に繋がる
きよまろさんはりこさんと接する際に極力対等に接し、「1人の人間」として尊重することを意識しているのだそう。それはきよまろさんの両親は非常に厳格で、それゆえに子供ながらに抑圧を感じ、逃れるために嘘をついたり、トラブルが起きれば他人のせいにしたりして自己保身に走る人間になってしまったからだと語る。
そんな自身の経験からりこさんとはなるべく対等に接し、「洗濯物はかごに入れなさい」ではなく「持って行ってもらえるとお母さん超助かる!」といったように、日常的に命令形の言葉やネガティブな言葉を使わないようにしているという。
「でも本当のところはそんな難しい話ではなく、『子供の考え方や発想力は大人のこり固まったものとは違っておもしろい』と私自身が楽しんでもいるんです」

しかし、こういったフラットな関係性が時折あだとなることも。仲の良い友達と会話する感覚で、りこさんの「疲れた」という言葉に「お母さんも疲れた」と同調の言葉をかけたのだが、りこさんが求めていたのは“友達”としての言葉ではなく“母親”としての言葉だったようだ。「”母親”として受け止めてほしい」というりこさんの思いに気づかず、甘えさせてあげられなかった」と振り返るきよまろさん。母親としての役割もきちんと果たさねばと、猛省したんだとか。

また、りこさんはマタタビ科(キウイやサルナシなど)のアレルギーを持っているのだが、焼き肉店で出されたタレのなかにキウイが含まれていたため、アナフィラキシーショックを起こしたことがあったのだという。目に見えないところにもアレルギーの原因があることをりこさんに常々伝え、原材料まで確認するように癖づけていたそう。きよまろさんがいない学校行事などでもその習慣が役に立ち、機転を利かせてアレルギーを回避したエピソードも。

「『誰かを責める前に、自分の身は自分で守れるように』とりこには教えています」
自分を見つめ直すきっかけをくれるド直球な言葉
きよまろさんはこれからもりこさんがド直球である限り、漫画を描き続けていきたいと意気込みを語った。子供の頃から漫画家を目指していたというきよまろさん。一時はそんな夢を忘れてしまっていたが、現在はりこさんと一緒に再挑戦中とのこと。
「生まれながらの悪人はいないように、子供の心は純粋で善の塊です。本来あるべき正しい姿を子供から教えられる。『学ぶべきは大人のほうなのかもしれないな』と思わされる日々です」

世の大人をハッとさせてくれるりこさんのド直球な言葉。今後りこさんがどんなふうに成長していくのか、イチ読者として見守りたい。
取材・文=織田繭