【漫画】41歳・独身・子なしで子宮全摘出。子宮筋腫と卵巣のう腫の症状や全摘を決意した理由とは?
結婚したい、子供が欲しいと思った相手は死別した夫だけ。全摘出を選んだ理由
診断を受けたときの率直な気持ちは、「えっ、生命保険下りるかな?」だったというましろさん。夫を亡くし、両親と猫4匹を扶養するましろさんは、お金に関して頼ることができるのは自分だけ。かなり不安は大きかったようだ。
「入院費用については高額療養費制度や生命保険から手術・入院給付金が出ることが分かっていたので心配はありませんでしたが、仕事を休職すると査定にどうしても響いてしまうので、少しでも休職期間は短くしたいなと。入院2週間、自宅療養2週間で復職しました」

一方でましろさんの支えになったのは、この体験を漫画にすることだった。
「この経験を椿子と漫画にしようと思っていたことは自分の支えとなっていました。入院前から漫画のネームを描いていましたし、描くことでいろいろなことを客観的に考えられたような気がします」

診断を受け、ましろさんは子宮を全摘出することに。子供を産むことができなくなるため、女性にとっては精神的な負担も大きいはず。独身・子なしという状況で決断をした理由を聞いた。
「私は32歳で夫と死別しています。夫との間に子供はできませんでした。死別後も周りから再婚や子供を作ることをすすめられ続けていましたが、私が『結婚したい、子供が欲しい』と思った相手は彼だけだったのです。誰の子供でもいいからほしい訳ではないんだと気付いたため、全摘を決断しました」

かかりつけ医を持つことは大切!生理がつらいと感じていたらまずは受診を
ましろさんは、症状が出てから診断を受けるまで、約8カ月間かかったそう。過去の経験から、婦人科の受診を後回しにしてしまっていたと振り返る。
「20代後半のころ、生理痛がひどくて地元の病院に2つ行きましたが、田舎ということもあり産婦人科は『出産のための病院』といった場所でした。医師に『妊娠すれば生理痛はなくなる』と言われ、絶望したことがあります。3つ目で分かりにくい場所にあった子宮内膜症を見つけてもらい、『これは辛かったですね』と言われて泣きそうになりました。でもそのときの医師が廃業してしまい、その後新しく病院を探すのが億劫になっていました」

しかし、生理痛などの異常は他人と比較ができずに我慢したり、仕事が忙しくて気になっても後回しにしたりしてしまう人も少なくないのではないのだろうか。ましろさんから自身の体験をもとに、アドバイスをもらった。
「どんな病気でも、かかりつけ医があるってすごく大事なことだと思います。友達に聞きづらくても今はネットの口コミもあるので、自分にあう病院を探してぜひ受診してみてください。生理痛がひどいのは病気です。ちゃんと対応してくれる医師を探しましょう!」
「まずは病院に!」と話してくれたましろさん。子宮筋腫や卵巣のう腫は女性なら誰でもかかる可能性がある。もし生理痛がつらい、出血量が多いなどと感じたときは、一度婦人科に足を運んでみてほしい。
取材・文=松原明子