【漫画】モンスターの暮らす少し不思議な世界、“ヘビ”の女の子同士の交流に「美しき友情」「素敵すぎる」の声
学校のベンチに一人たたずむ少女。制服のスカートの下から伸びるのは、足ではなくヘビの尾。そんな彼女に話しかけたもう一人の少女は、髪の毛のかわりに無数のヘビを生やしていた――。異なるヘビの怪物少女同士の交流を描いた漫画「ナーガとメドゥーサ」に、Twitter上で「なんかあったかい」「すっごく良い話」と反響が集まっている。

ナーガの少女が出会ったメドゥーサの子。“ヘビ”同士の友情のはじまり
漫画家の酢豚ゆうき(
@yukikanayama20
)さんが10月、自身のTwitterにて公開した本作。眼鏡をかけ物静かな雰囲気の少女「白井」が、自身の“脱皮”を行っているところから物語ははじまる。
白井は上半身は人間、下半身がヘビの種族“ナーガ”。下半身を脱皮しようとしていたところ、「手伝ってあげようか?」と通りすがった少女に声をかけられた。

「私もほらヘビ」と、ヘビで埋め尽くされた頭を指差す少女「堀川」。ギリシア神話の怪物“メドゥーサ”である堀川は、同じヘビのよしみとして白井の脱皮を手伝おうとしたのだった。

彼女たちが暮らすのは、透明人間や狼男といったさまざまな動物が、同じ“人”として当たり前に生活する世界。昔から引っ込み思案でクラスメイトとうまく話せずに悩んでいた白井は、“ヘビ仲間”として気さくに接してくれる堀川に心を開いていく――、というストーリー。

見知らぬ人との会話におじけてトグロを巻いてしまったり、足がないから自転車に縁がなかったりと、モンスターの特徴がそれぞれの「個性」として描かれながら、等身大の女の子同士のかかわりを切り取った本作。Twitterでの投稿には2万件近くのいいねが寄せられ、読者からは「美しき友情」「かわいい」「素敵すぎる」と、二人の友情に感動の声が集まった。
「こういう世界で生きてほしい」キャラクターへの愛ある眼差し
同作は、酢豚ゆうきさんが月刊アクション(双葉社)にて連載している『月出づる街の人々』の一篇。異なるモンスター同士が現実社会と同様に営む世界で、透明人間や狼男やミイラといった、モンスターの少年少女たちの日常を描いたオムニバス作品だ。月刊アクション誌上での掲載のほか、一カ月遅れで酢豚さんのTwitter上でも追いかけ連載が行われている。
9月には単行本第一巻が発売され、注目を集める本作。ウォーカープラスでは酢豚さんに、本作の舞台裏をインタビューした。

――『月出づる街の人々』が生まれたきっかけを教えてください。
「もともと他社で連載や読み切り掲載を目指していたのですが上手くいかず、『とにかく自分の満足するものを勝手に描いて自分で発表しよう!』という思いでこのシリーズを描いてTwitterや同人イベントで発表していたところ、ありがたいことに反響を多くいただきました。それが今の担当さんの目に留まり、誌面での連載をさせていただくことになりました。雑誌での連載は子供のころからの夢だったので、本当にありがたい限りです。読んでくださった皆様の反応が掲載決定に繋がっております。ありがとうございます!」
――モンスター同士が当たり前に暮らしている世界の雰囲気が、登場人物たちのやり取りからすっと伝わってくるのが印象的です。
「シリーズを始めるにあたって、この世界を考えるより前に『何気ない日常を描きたい』という思いがあり、そこへ現実と少し違う街や人々を当てはめてみたという経緯があります。いざ始めてみると、この世界の人々ならではの悩みや関係性があり、それを描くことがこのシリーズを描くことの楽しみになっております」