【漫画】「ちょっとしんどいです」同級生の霊が何故か夢に現れる…。交わらない想いを描いた短編に反響
物言わぬ死者の気持ちは測り知れない。その人と生前も関わりが薄ければなおさらだ。東洋トタン(
@To_Yo_Tutan
)さんの「事故で死んだはずの隣のクラスの女子が毎晩化けて出る話」は、同級生の幽霊に取りつかれた少女の断絶を描きTwitter上で話題を呼んだ短編漫画だ。

毎夜現れる、隣のクラスの女子の霊。物言わぬ死者の想いと結末が切ない
高校生の「レイナ」は寝不足に悩まされていた。交通事故で亡くなった同級生の女の子、「加賀ミナミ」が、毎晩夢見枕に立っていたからだ。

額から血を流し、無言のまま自室にたたずむミナミ。夢のはずが彼女から触られる感覚も強く、レイナは夜な夜な苦しめられていた。だが、レイナとミナミの関係は、1年生の時に同じクラスになったというだけ。自室にミナミがまるで霊のように現れる理由には思い当たる節がなかった。

そんなレイナは、クラスメイトにも黙っていた現象を恋人に打ち明ける。レイナにとっては真剣な相談だったが、恋人は「お前ホラー映画の見過ぎなんじゃねぇの?」とそっけなく、それどころかレイナの意思を無視してベッドに押し倒そうとする。

組み敷かれかかったレイナを救ったのは、前触れもなく割れたコップだった。お盆の上にあったはずのコップが、一人でに動き、砕け散ったのだ。それを見て、恋人は幽霊を見たと思い逃げ出してしまう。

そしてレイナは数日した後、ミナミの墓前を訪れた。乱暴を働こうとした恋人と別れたこと、そのきっかけとなった心霊現象をミナミの霊が起こしたものだと思い、「ありがとう」と感謝を伝えるためだった。墓参を済ませ立ち上がろうとしたレイナだったが、何かが落ちる音に気付き、足元を見やる。そこにはレイナが好きなキャラクターのグッズがあった。
同じマスコットが好きだったミナミと生前、一度だけ会話を交わしたことを思い出したレイナ。覚えていなかったのを申し訳ないと思いながらも、「ちょっとしんどいです」と、ミナミからの不釣り合いな感情に押しつぶされそうになるのだった。
いつも美しいだけではない。不気味さも帯びる強い感情の一端
作者の東洋トタンさんは、いわゆる女性同士の関係性や結びつきを描いた「百合」や「ロマンシス」といわれる作品を多く描いてきており、COMIC BRIDGEで連載がはじまった「ラストサマー・バケーション」でも「美月」と「海野」という二人の少女を主人公に据えている。本作にも7000件以上のいいねとともに、読者から「ああ、切ない」「重い」と報われない結末に反響が集まった。
そんな東洋トタンさんに、ウォーカープラスでは「事故で死んだはずの隣のクラスの女子が毎晩化けて出る話」を描いた制作背景をインタビューした。