【漫画】「ちょっとしんどいです」同級生の霊が何故か夢に現れる…。交わらない想いを描いた短編に反響


――本作はどんなきっかけで描かれた作品でしょうか?

「短編漫画を不定期で作っているのですが、『ホラーテイストな作品を作ってみたいな』という思いつきから生まれた作品です」

――ミナミは幽霊でも回想でも台詞がなく、それだけに一方通行の想いという印象を覚えました。

「確かに一言も喋ってませんね!言われて気付きました。ミナミはレイナに強い好意を抱いており、自分みたいな人間が関わることは出来ない存在だと思っていた。その想いの強さから、ミナミの死後の魂がレイナの部屋に引き寄せられて姿を現したのだと思います」

――また、心当たりがなかったレイナは、読者の「ミナミがどんな人か分からない」という目線に重なっていたと思います。

「半年以上前の作品なので記憶は曖昧ですが、結末がわかるまではただただ薄気味悪い存在にしたかったので、『全然知らない別のクラスの同級生』という最小限の情報に留めたのだと思います」

「事故で死んだはずの隣のクラスの女子が毎晩化けて出る話」12画像提供:東洋トタン(@To_Yo_Tutan)


――結末の「ちょっとしんどいです」というモノローグにはどんな想いをこめたのでしょうか?

「ミナミはレイナのことを暴力的な彼氏から守ってくれました。とはいえ、強烈な好意を寄せていて、毎晩自分の寝床に現れた……、という事実には、ストーカーのような性的な気持ち悪さがあると思います。『好き』という気持ちは特に創作物においては美化されがちですが、その中には加害性があると思っています」

――東洋トタンさんは女性同士の関係性に着目した作品をこれまでも描かれています。どんなところに惹かれ、また表現しようとされているのですか?

「私は女性なのですが、恋愛において女性との間で大きな失敗を犯しました。また、友情においても、私が引っ込み思案ゆえにうまく関係を築けず後悔した経験が沢山あります。それゆえ女性同士の深い関係は私の中で強烈に美化されていて、憧れの対象になっています」

「事故で死んだはずの隣のクラスの女子が毎晩化けて出る話」11画像提供:東洋トタン(@To_Yo_Tutan)


――9月には二人の少女が主役の『ラストサマー・バケーション』の連載もスタートしました。漫画家としての今後の目標について教えてください。

「リアリティ、いわゆる生々しさを保ちつつ、エンタメ性に富んでいる。そんな作品が理想ですし、私が愛する映画や漫画もそういったものが多いです。『1人でも多くの人へ』というよりは、『深く突き刺さる100人中の1人へ』作品を届けられたらいいなと思っています。

まだまだ勉強不足でして、『ラストサマー・バケーション』も四苦八苦しながら制作を進めております。その細い腕で地獄を抱えながらも明るく振る舞う人気者の美月と、美月に特別な好意を寄せ続けていた嫌われ者の海野、二人の少女の接触から始まる『夏休み』を楽しんでいただけたら幸いです」

取材協力:東洋トタン(@To_Yo_Tutan)

  1. 1
  2. 2

この記事の画像一覧(全28枚)

Fandomplus特集

マンガ特集

マンガを読んで「推し」を見つけよう

ゲーム特集

eスポーツを「もっと知る」「体験する」

ホビー特集

「ホビー」のトレンドをチェック

注目情報