女性ピアニストが男子高校生に転生して“無双じゃない”!?音大出身漫画家が描くピアノの世界がガチすぎ【作者に聞いた】
30代を超えても次のステップに進めず「私みたいなチビはピアニストになれないってのかよ!!」と憤る女性ピアニスト。失意のある日、男子高校生ピアニストの体に入れ替わった彼女。再び夢を追い始めたその先に待ち受けるのは幸運か、それとも新たな苦難か……。
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サイコミ
」で連載中の『リプライズ 2周目のピアニスト』(コミックス第2巻は2022年12月23日発売)は、第1話から「続きが気になる」とTwitterで反響を集めた作品だ。

小さな女性ピアニストが男子高校生に転生!?再び走り始めたピアノの世界
子供の頃から「ピアニストになる」と夢を追いかけてきた女性、茅野結希(かやのゆき)。だが足がかりとなるコンクールの多くは年齢制限を設けており、結希の夢の扉は閉ざされようとしていた。

体格が小さく手も小さいというピアニストとしての弱点を自覚していた結希。もしも体や手が大きければと失意に沈んでいた彼女はさらなる悲劇に見舞われる。不注意から車道に飛び出し交通事故に遭ってしまったのだ。
意識を取り戻した時、結希の体は予期せぬことが起こっていた。あれほど望んだ長身と長い手指を持つ体に意識が入れ替わっていたのだ。「茅野結希」としての肉体は死亡し、将来のピアニストを嘱望された男子高校生・新堂奏太(しんどうかなた)に乗り移ったことを知った彼女は、「まだピアノが弾ける」と、奏太としてコンサートに出ることを決める。

これまでの経験値で圧倒的な演奏を披露してみせた結希は、そのまま奏太として生活を送ることに。だが一回り以上年が離れ、しかも男子高校生として過ごすのは苦難の連続。音楽科のクラスにもなにやら不穏な雰囲気が流れる中、それでも「ピアノがうまくさえあれば私でいられる」と前向きに新たな人生を歩み始めるが……、というストーリーだ。
11年間ピアノ専攻から漫画家に。作品で描く「もう一つの夢」

今年4月、作者の輪立さくさんが自身のTwitter上で第1話を公開した際は1万8000件を超えるいいねを集めるなど多くの読者の注目を引いた本作。11月30日には、電子書籍としてコミックス第1巻が刊行され、“2周目のピアニスト”として再び夢を追いかけ始めた結希の今後からますます目が離せない内容となっている。
ピアノを弾いてきた時間の長さだけがアドバンテージの結希だが、その彼女が「うま過ぎる」と驚愕する同級生も登場し、これから待ち受けるのが「無双」ではなく「勝負」であると示唆される第1巻。こうしたストーリーを、想像を超えてシビアな音楽家の事情や演奏技法、筋肉といった人体に関する要素まで、随所にちりばめられたピアノの世界の専門知識が支えているのも大きな魅力だ。

音楽大学出身で大学院まで進み、留学経験もある輪立さくさんが「ずっと描きたかった」という、音楽を題材にした『リプライズ 2周目のピアニスト』。12月23日にコミックス第2巻の配信をひかえた今、ウォーカープラスでは作品制作の舞台裏や、本作にかける思いをインタビューした。