【漫画】休職期間もあと半年、今後について真剣に考えた末に出した答えとは?「作家になろう」/うつ逃げ



意外と追い詰められることって大切!?
休職期間があと半年となり、会社に戻るか辞めるのか、それとも全く別の道を探すのか。なおにゃんさんの人生においてもターニングポイントとなる本エピソードには、どのような思いが込められているのだろう。
「休職期間が一年ほどあったので、それまでは何やかんや理由をつけて、今後について真剣に考えてこなかったんです。考えるのが怖くて、ずっと先延ばしにしてしまって…。でも、休職期間があと半年になり、急に焦り始めました。人間、追い詰められると先延ばしにしていたことにも向き合わざるを得ないので、意外と追い詰められることって大切なのかなと思いました(笑)」
また、これまでの人生を振り返るなかで、「自分軸ではなく他人軸」で行動してきたことに気づいたそう。
「昔から、親や教師の顔色をすごく窺う性格で、どうすれば褒めてもらえるだろうとビクビクしながら生きてきました。それによって自分の主体性が全然なく、いつも周りから『いい』とされるものに従って、進路や趣味まで決めていたように感じます。自分は空っぽなんだなと思う瞬間が何度もあり、『自分の好きなものがある』『自分はこれをやってみたい』と、自分の意思を断言できる友人たちが羨ましかったです」



周りの評価や他人の基準に合わせて行動してきたため、「自分が空っぽでニセモノの存在に思えた」というなおにゃんさんだが、本が好きという気持ちは本物だと確信。特に児童書は、仕事を通じてますます好きになったそう。特に好きだった児童書について、聞いてみた。
「国語の教科書にも載っていた、アーノルド・ローベルの『がまくんとかえるくん』シリーズが大好きでした。かえるの絵がすごくリアルで、ちょっと影があって、少し不気味さもあるのですが、同時にとても愛らしくて、憎めないキャラで、子供ながらにとても惹かれた思い出があります。大人になってからこのシリーズの他の話を読んだら、作者のものすごく深い優しさみたいなものを感じて、さらにファンになりました。がまくんとかえるくんは架空の存在だけど、今でも二人で仲良くしていてくれたらいいなと勝手に想像しています(笑)」






たくさん悩み考えた末、本に関する仕事が好きだと気付いたが、作家をサポートする編集者には戻れない。それなら「自分が作家になろう」と思いたったなおにゃんさん。彼女はこれから、どのように前進するのだろう。今後の「うつ逃げ」も楽しみにしてほしい。
取材・文=石川知京