復職に向けて面談。辞めるかどうするか決められずにいた彼女の選んだ道とは!?/うつ逃げ【作者に聞く】












会社を辞めるか続けるかすぐに決められなかった理由は「怖さ」
会社を辞めるのか復職するのか、決断できないまま迎えた面談当日の様子について聞いてみた。
「面談は、1時間くらいだったと思います。でも、あまりに気まずくて、はやく終わってほしいと思う時間だったので、体感では6時間くらいあったように感じました…(笑)」
また、会社を辞めるのか復職するのかなかなか決断できなかった一番の理由について、「怖さ」があったと教えてくれた。
「やはり、会社を辞めることで安定した収入がなくなるという怖さがありました。また、この時もまだ新卒で入れた会社に対する執着みたいな気持ちもあって、辞めることがとても恐ろしいことのように思っていました。せっかく入れた会社なのに、簡単に手放していいのかという気持ちも強くて。そんな気持ちもあって、すぐに決断することができませんでした」
面接後、なんとなくではあるが「自分は会社にとってお荷物なんだな」と悟ったなおにゃんさん。悩んだ末に会社を辞め、絵本作家になろうと決意を固める。出版社への持ち込みはハードルが高いことがわかったため、以前仕事をした絵本作家にラフを見てもらい、一緒に絵本を作らないか相談してみることに。
しかしそこで言われたのは、「せっかくだから自分で絵も描いてみたら?」だった。当初は絵を自分で描くことを想定していなかった彼女にとって、予想外のアドバイスだ。
「それまで、ちゃんとした絵を描いたことがありませんでした。大人になってから描く絵は、ちゃんと美大などで絵を勉強した人が描くものだと思っていたので、自分には到底無理だと思っていました。あと、編集の仕事をしていた時、めちゃくちゃうまい画家さんの絵をたくさん見ていたので、余計に自分にはできないという思いが強かったです。でも、やってみると意外とできることもあるので、試しにやってみるのって大事だなと学びました」
会社を辞め、絵本作家として話だけでなく絵にもチャレンジすることを決めたなおにゃんさん。今後の「うつ逃げ」も楽しみにしてほしい。
取材・文=石川知京