卵アレルギー持ちの子供にかけられた言葉が沁みる!ある家族と大家さんの交流漫画「大家さんとハムソー」に癒やされる【作者に聞いた】
大家さんに漫画は見せる?「ルックス強めに描いているから内緒です(笑)」
キャラクターの造形がかわいらしいのももしゃもぅさんの漫画の魅力だ。もしゃもぅさんと夫がリス、息子のハムソー君がハムスターで描かれているが、理由があるのだろうか。
「ハムソー妊娠中に『入院になった時にやること、持ってくるものリスト』をメモにして夫に渡したのですが、そのメモになんとなく落書きしたリスが私たち夫婦のキャラクターの原型なんです。夫はもともと絵を描く仕事をしていまして、その道のプロだったため、私が描いたイラストにも厳しくて褒めてもらえることがありませんでした。それがそのリスには『いい絵だ』と褒めてくれたんです!それがうれしくてこのリスに決めました。画面に変化が欲しかったので、息子は齧歯類繋がりでハムスターにしました」



大家さんのビジュアルも可愛らしいが、もしゃもぅさん曰く「ルックスを強めにしてしまった」そうで、それもあってこの漫画を描いていることは大家さんに話せていないんだそう。
「『大家さんに漫画を見せたら喜ぶと思う』といろいろな方に言われるのですが、大家さんのルックスを強めに描いていることもあり…本当はもう少し髪の毛があるんです…!自分からこういう漫画を描きましたとは言えないです(笑)。ただ、もし何かのきっかけでこの漫画を読まれたら、恐らくご自分のことだとわかると思います。その時はルックスについて言い訳したいので知らせてほしいです(笑)」
そんな大家さんの魅力はどこにあるのか尋ねると「一番はお人柄!」という回答が。
「最初は『気難しそうで変わったおじいさん』という印象で、苦手だと思っていました。しかし関わっていくうちに、『ちょっとシャイで裏表のない優しいおじいいさん』と印象が変わっていきました。私たち家族に良くしようとしてくださるお気持ちが温かくて…。最初のイメージと打って変わり、ハムソーラブになったところも魅力だとも思います」
大家さんの人柄の良さはハムソー君が卵アレルギーだと分かった時の反応にも現れている。当時、ハムソー君の卵アレルギーについて周囲の人からいろいろと言われてしまうことの多かったもしゃもぅさんにとって、大家さんの「こんな栄養たっぷりに育てたんかあ!」という言葉は大きな救いになったようだ。
「『両親とも卵を食べられるのに、どうして卵アレルギーになったんだろうね』『これをやっていたらアレルギーになりづらかったのに』『(医師の指導もと、経口免疫療法をしていることに対して)アレルギーなのに卵を食べさせるのはおかしい』などなど……いろいろな方にいろいろ言われてきました……。親切心で悪意のない方が多かったとは思いますが……。この話も『産後鬱の話』として後々漫画にしたいと思っています」
辛い経験も漫画という形で消化しようとしているもしゃもぅさん。どういったことが辛いのか。実感を伴った経験を漫画にしているからこそ、多くの人からの共感を呼んでいるのだろう。最後に読者へのメッセージと今後の目標を聞いた。
「読者の方がいらっしゃるから今でも漫画を描くことを続けられており、いつも支えられております!本当にありがとうございます!今後については毎日更新の維持と、重症妊娠悪阻日記を完結することを目標にしています。また、妊娠悪阻の話だけではなく、他の話もたくさん描いていきたいです。そして漫画を描く力を伸ばして、より多くの方に読んでいただけたらうれしいなあと思っています」
取材・文=西連寺くらら