「僕HSPなんです」締切前日に仕事ができていないと言ってきた新入社員。 部下と上司のコミュニケーション描く漫画にコメント殺到!【作者に聞く】
予想を超える数のコメントが殺到!仕事への姿勢に対し、上司と部下どちらにも厳しい意見が
漫画には、数多くのコメントが続々と寄せられている。当初は「HSPだから仕事ができないというのは理由にならない」や「それを言える図太さがある時点で、HSPではないのでは」という村西君への厳しい意見が。
一方で、仕事を任せきりにしていたのマミヤさんの夫の対応にも「旦那さんの意見も一理ある。けれど部下を気にかけない会社には若い人もつかない」「新人相手に2週間一度も声をかけないのは良くない」といった声が多く見られた。

マミヤさんと、「インスタでコメントとか読んでみたい」と言っていたマミヤさんの夫は、今回の反響をどのように感じているのだろうか。
「コメントの数には私も夫も驚きました。HSPのことをたくさんの方が知っており、皆さんの考えや意見を夫も真剣に読んでいました。夫は特に部下への接し方のコメントなどを読んで『やっぱりもっと気にかけなきゃいけなかったんだな…』と反省していました。上司になり、遠慮のない率直な意見をいただくこともなかったそうなので、ありがたかったと言っていました」

HSPに限らず、問題ないと思っていた少しの対応が他の社員の心労になっているかも
村西君と改めて話す前、マミヤさんの夫は村西君の入社時の指導係だった雪川君に話を聞く。雪川君はコミュニケーション能力が高く、細かな気遣いのできる優秀な社員。マミヤさんの夫は、村西君が、雪川君のような対応が、他の社員にとっても当然のものと思っていたのでは、と気付く。


その後、マミヤさんの夫は村西君に、初めて同じ仕事をする上司として歩み寄る姿勢が足りなかったと謝罪。その一方で、会社ではHSPに理解を示さない人や、苦手でも耐えなければならない人がたくさんいると話す。そして『どんな理由であれ任された仕事をしないということがないように』と伝えたのであった。



今回の出来事は、マミヤさんの夫にとっては思いもよらないことだったそう。その後、マミヤさん夫婦で考え方が変わったこと、気を付けるようになったことはあるのだろうか。
「夫は自分が新入社員のときに、かなりパワハラに近い対応をされたことがあるそうです。そのため『自分は理不尽なことはしない』と決めて接していたそうです。なので、そのときまで後輩や部下の対応での不満は聞いたことがなく、まさに青天の霹靂だったとのことでした。ただ、今回のことがあり、HSPに限らず部下へのちょっとした対応が心労を与えると意識したみたいでした。また、私たち夫婦が改めて思ったことは、HSPと娘が診断を受けた自閉症スペクトラムは違うということです。夫婦で娘の将来を話せたこともよかったです」


今、春から社会人となり、早く仕事を覚え会社に馴染もうと頑張っている新入社員がたくさんいる。同時に、時代も環境も違うなかで育ち、考え方や価値観も異なる新入社員とのやり取りに難しさを感じる先輩や上司も多いはず。
HSPという切り口から始まったマミヤさんの漫画だが、誰にとっても考えさせられる内容となっている。ぜひ、職場でのコミュニケーションを振り返るきっかけとしてみてほしい。
取材・文=松原明子