【漫画】揺れる恋心、自由すぎる発想…高校生たちの“わちゃわちゃ”を描いた4コマ漫画「東遊高校の日々」が尊い!【作者に聞いた】
髪型や服装にもキャラクターの個性を反映。明るく楽しい学生生活を描く
現実の高校生活では、立ち直れないと思ってしまうような辛いこともままあるものだが、「東遊高校の日々」ではどの生徒たちも高校生活を満喫している。これは★薄荷堂★さんの一番のこだわりポイントだ。

「キャラクターがみんな、明るく楽しい学生生活を送れることを一番大事に描いています。それぞれに真面目で、一生懸命頑張っている『青春!』という感じのお話にしたかったので、あまり意地悪な子は描かないようにしているんです。ぱっと見は自己評価がむやみに高い、お騒がせな“やばい子”のような(佐藤)鈴音ちゃんも、彼女の持っているお茶目さや、彼女なりの友達を大事にしている様子を描いているつもりです。本当にひどい子だったら、小川くんが密かに(宇多川)怜ちゃんを好きだと気づいた時に、おもしろがってペラペラ話してしまうと思うのですが、鈴音ちゃんはそのあたりちゃんと秘密にしています。怜ちゃんが鍛治先輩ファンなことはペラペラ喋っていたけれど(笑)」
作画上でのこだわりを聞くと「できるだけ丁寧に」という答えが。
「私は今風の絵柄もおしゃれなすっきりした線も描けないし、デッサンもパースもわかっていないので、せめてできるだけ丁寧に描きたいなと思っています。今も投稿済の回におかしなところを見つけたらその都度手直しして画像を差し替えていますが、どんどんいろいろな箇所が気になり始めて収拾がつかない感じです」
丁寧にという言葉通り、本作を読んでいると登場人物たちの服装や髪型の描写もこだわっていることがわかる。東遊高校は私服通学ができる設定なので、私服の子もいれば、標準服の子もいる。★薄荷堂★さんに「お騒がせな“やばい子”のような」と言わせた佐藤さんに至っては、他校の制服を着用している。
「服装や髪形は、こういう性格ならこういう感じを選ぶかなと想像して描いています。例を挙げると、軽音部の坂本君はすごくおしゃれで、あのくるくるした髪型も実はスタイリングにとても時間をかけていて、服装は好きなロック・ミュージシャンを意識しつつも、もっとこぎれいで…、という感じです。作中ではそんな細かいところまでの設定は必要ないので、完全な自己満足ですが、考えること自体が楽しいですし、考えておくと絵も描きやすい気がします。ちなみに鍛冶君が昭和のアイドルみたいな頭なのは、彼が面倒くさがりで、且つ外見に無頓着だから。たまに理容院で極限まで短くして、そしてまた我慢できる限界まで伸びてからイヤイヤ切りに行く…、というサイクルを繰り返している設定です。天パが伸びているから、ぼさぼさ&くるくるしています」
細かいところまで気を配って描かれた本作は、まもなく目標の100話を迎えようとしている。読者には感謝の気持ちでいっぱいだそう。
「キリがいいからという単純な理由で目標100話と決めましたが、実際に4コマ漫画を描いてみると、1話描くのもアイデアから作画まで結構時間がかかることが分かってきて、大風呂敷を広げすぎたかな…と不安になりました。でも、読んでくださる方がいることが励みになり、なんとかやっとゴールが見えてきました!100話でちゃんとハッピーエンドに持っていき、きちんと各案件を回収できるか自分でもドキドキです。今しばらく東遊高校生たちのドタバタ学校生活にお付き合いください。よろしくお願いします!」と目標の100話に向けて意気込みを語ってくれた★薄荷堂★さん。100話を迎えた先はどのように考えているのだろうか?
「最初のころの話を清書して、見やすくしたいと思っています。それが終わったら…まだ何も具体的なアイデアは思いつきませんが、また東遊高校生との日々を送り始めてみるか、まったく別のお話に挑戦してみるか…?漫画制作はせっかく見つけた楽しみなので、マイペースに続けていけたらと思っています」とのこと。東遊高校生たちと★薄荷堂★さんの創作活動の行く末を見守っていきたい。
取材・文=西連寺くらら