「人生終了のお知らせ」脅されて“30代で魔法少女”に…漫画『魔法少女三十路』に「笑いすぎて死ぬ」と反響【作者に聞く】
年齢が理由でなれないというのは不公平だけれど、なりたくないのに大人が無理やり“魔法少女”にさせられたらそれもまた理不尽……。「ヤングキングBULL」(少年画報社)で連載中の
『魔法少女 三十路』
は、ある日突然、魔法少女になることを強制させられた35歳の社会人女性の世知辛い日々を描く漫画だ。

作者の三倉ゆめ
(@sakurayume88)
さんが昨年11月、第1話をTwitter上に公開した際には、7.7万件以上のいいねとともに「続きが気になる」「いたたまれない」とさまざまな反響が寄せられた同作。2023年5月22日にはコミックス第2巻が発売され注目を集める同作が生まれたきっかけについて、作者の三倉さんにインタビューした。
マスコットに脅され魔法少女に…30代女性のリアルドキュメントなコメディ

主人公の「保守ようこ」は、「目立たず幸せに」を信条にした35歳の社会人。列車の中、他の乗客の履くスカートを見て「あんな短いのもうはけないな…」と思っていたようこは、どこからか聞こえた声に導かれ、いきなり魔法少女に変身させられてしまう。

突然の事態と、身を包むヒラヒラな魔法少女のコスチュームに「人生終了のお知らせ」と絶望するようこ。そこに「うさと契約して魔法少女になるうさ!!」と決め台詞とともに、マスコットのような「妖精うさ」が現れる。

死んでも魔法少女は嫌だと思ったようこだが、「その変身を解けるのはうさだけ」と脅されてしまう。この格好のままでは平穏な生活を送れないようこは、自分のために泣く泣く敵との戦いに身を投じることになる――、という物語。

インパクトを求め閃いた、「アラサーから変わらない」魔法少女
真面目で常識人のアラサー女性が、体裁を保つために望まぬ魔法少女を強いられる姿が悲しくも笑えてしまう「魔法少女 三十路」。戦いの様子が報道され警察に追われる危機が迫ったり、10代の魔法少女の存在にいたたまれなくなったり、妙に紳士的な敵に好敵手と見込まれてしまったり、「目立たず幸せに」というあり方からどんどん遠ざかっていくようこ。そんな30代の社会人としてのリアルな生活感と、その世界観に「魔法少女もの」が同居した組み合わせも見どころの一つだ。

Twitterに公開された第1話には、「笑いすぎて死ぬかと思った」「不憫すぎる」「このシュールさ大好き」と、多くの反響が寄せられた同作。ウォーカープラスでは作者の三倉ゆめさんに、本作が生まれた舞台裏をインタビューした。
――三十代のOLがなし崩し的に魔法少女にされてしまう、世知辛くも笑える本作です。本作のアイデアはどんな風に生まれていったのでしょうか。
「とにかく強烈な始まり方で、SNSで話題になるような題材を探していたところ、『魔法少女が30代OLだったらインパクト強くない?』と思ったのがきっかけです。
大人や男性が魔法少女になる作品はいくつか知っていたのですが、いずれも変身後は魔法で若くなったり可愛くなったりするものでした!だったら逆張りをして“そのまま”だったら目立つのでは!とにかく目立ちたい!!その思いで始まりました」