「人生終了のお知らせ」脅されて“30代で魔法少女”に…漫画『魔法少女三十路』に「笑いすぎて死ぬ」と反響【作者に聞く】
――「魔法少女」は一つのジャンルとして確立していますが、その中で本作で挑戦していること、差別化を狙っている点はありますか?
「アイデアのきっかけ同様、“流行っている魔法少女”をそのままやらないことを意識してます。怖い魔法少女が多かったので怖くない魔法少女を、可愛い魔法少女が多いので可愛くない魔法少女を、といった感じです。展開も、いわゆる王道展開に対して常に俯瞰的な目線を入れて新鮮味を出そうとしています!」

――自己肯定感の低いようこの、望まぬ魔法少女としての日々が大きな魅力の一つです。ようこを描く上で特に意識しているポイントがあれば教えてください。
「ようこを描くときに気を付けてるのは、ブサイク顔は描いてもブサイクにしないことです。ですが、可愛くしてもいけません(笑)。等身大を常に意識して描いてます」
――第一巻のあとがきに「リアルドキュメント」とある通り、周囲の反応や展開には「ありそう」と思えるものが多々あります。作劇ではリアルを意識してお話を膨らませているのでしょうか?
「そうですね。ようこの世界観はリアル寄りにしてあります!キャラクターごとによってリアリティラインは変わると思っていまして、ようこの場合はアニメや漫画みたいな展開は起こらない“等身大の生活”です。彼女は魔法少女になっても、たとえ異世界に転生したとしても圧倒的な力を手に入れたりはできないと思ってます。等身大の普通の子なので!」
――そうした作風は大きな魅力となっていますが、逆に制作上で苦労することはありますか?
「ようこが前述の通りの子なおかげでギャグができてますが、その分スカッとする展開を作るのが大変です(泣)。でも、可哀想な目に遭うのがようこですから……」
――このたび単行本第2巻が発売となりました。三倉先生から見どころや、読者のメッセージをお願いします。
「2巻の見どころはいろいろあるんですけど、一つ挙げるなら“うんこ”です。魔法少女や妖精がするとは思えない回があります……。とても酷いです。正義のヒーローとは思えないです。子供には見せたくないです。もちろん、ご購入していただけたらレビューや感想を書いてくださると嬉しいです!」

取材協力:三倉ゆめ / ヤングキングBULL(少年画報社)