奇声や癇癪が激しい息子の発達障害を疑うも、周囲からは「大丈夫」の声。不安と葛藤を描いた漫画に共感の声が殺到【作者に聞く】
子供に抱く悩みや課題はそれぞれ。「寄り添える投稿になるよう心掛けています」
自閉症スペクトラムと診断された後、きいくんは療育へ通い始める。「療育Rくんとの時間。」は、おとなしい性格のきいくんが、療育で出会った全くタイプの違う男の子、Rくんとのエピソード。療育に行ったことで、きいくんとはちみつこさんはそれぞれどんな変化を感じたのだろうか。
「きいが初めて家族以外に『やりたくない』や『嫌だ』など、自分の素直な気持ちを言えるようになったのが療育の先生でした。私自身、きいの発達についての不安やこれからの見通しなど、その都度先生に相談しアドバイスを頂けたので、きいにとっても私にとっても、とても良い居場所ができたなという感覚です」



漫画には「辛かったですよね」「同じ思いをしている人がいたと知って元気をもらいました」など、同じ発達障害の子供を持つ人から、共感のメッセージが多く寄せられている。はちみつこさんに、漫画を描いて発信するときに気を付けていることを聞いてみた。
「コメントを見て、私のように我が子の発達に悩む親御さんが本当にたくさんいるんだなあと改めて実感しています。子供に対して抱く悩みも課題も本当にそれぞれなので、インスタで発信するときは『必ずしもこうしなければならない』『こうした方がいい』というような表現は避け、『悩んでいるのはあなただけじゃないよ、1人じゃないよ』と寄り添えるような投稿になるよう心掛けています」



最後に、読者へのメッセージを貰った。
「私自身、この先どうなっていくんだろうという不安や現状の課題、悩みはまだまだ尽きません。私がインスタに漫画を投稿することで気分転換になっているように、1人でも多くの方が自分だけで抱え込んだり、孤独に悩んだりすることがなくなるといいなと思っています」
はちみつこさんは、今回紹介した漫画の他にも、次男が1歳で発達検査を受けた話や友人の経験など、子供の発達や成長に関する漫画を投稿している。ぜひ、一度読んでみて欲しい。
取材:文=松原明子