出会うはずなかった自分と“同じ顔”の人…「1日だけ」の約束で入れ替わった2人が見た互いの人生と顛末!!【作者に聞く】


――「100年分の度胸試し」を描こうと思ったきっかけなどについて教えてください。

このお話はカズオ・イシグロ著書「わたしを離さないで」がモデルです。原作では徹底してドナー視点のお話が描かれていたのですが、読んだ時に「この世界に生きている人間たちはどんな気持ちなんだろう?」と思って描いたのが拙作になります。いわゆる二次創作的な傾向が強いので、賞などには出さずpixivで無料公開しました。世間では古典作品のオマージュやパロディ化した作品も商業として成立しているとはいえ、気にしながらpixivに投稿してみましたが、自分が当初懸念していたネガティブな意見は全くなく、原作に気付いてくださった方からも好意的な感想をお寄せいただき、安心したのを覚えています。

ドナー側だけでなく、オリジナル側の気持ちにも寄り添って描かれている矢嶋こずみ(@kosmy8588)


――「100年分の度胸試し」という作品に込めた思いとは?

悲しい結末で終わった原作に対し、前向きで希望が見出せるようなお話を目指しました。私の好きな言葉で「人が自分の為にした行いは死と共に消えるけど、他の人や世界の為にしたことは永遠に生き続ける」と言うのがあります。その想いがほんの少しでも伝わっていたらうれしいです。とは言え、あくまでも娯楽漫画ですので(笑)、難しいことは抜きにして1人でもお気に入りのキャラクターを見つけてもらえたらそれで良いかなと思います。

結末には愛や優しさが散りばめられている矢嶋こずみ(@kosmy8588)


「生まれてきた意味」についてよく論じられるが、作品の最後で、彼女たちは「生まれてきたこと自体に意味なんてない」と言う。「生きて行く中で一人一人が作り上げるものだから」と。この作品を通して、生きていく意味と命の尊さを今一度考えてみたい。

取材協力:矢嶋こずみ(@kosmy8588)

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